シンガポールが2年連続で世界一の物価高の都市【欧米メディア】(2023/12/02)
英国
『エコノミスト』誌(1843年創刊)の調査部門は、毎年「世界生活費調査」結果を公表している。直近で発表された2023年版によると、シンガポールが2年連続で最も物価が高い都市となり、2021年(この年は2位)を除いて9度首位となっている。
11月30日付
『ロイター通信』、
『ブルームバーグ』オンラインニュースは、
『エコノミスト』誌調査部門の2023年版データによると、シンガポールがチューリッヒと並んで世界一の物価高の都市となったと報じている。
英国『エコノミスト』誌の調査部門である「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」(EIU、1946年設立)は、毎年「世界生活費調査」結果を公表している。
同部門は、世界170都市余りの衣料・交通・食品等の200以上の商品及びサービス費用を調査し、為替を加味した上で指数化して各都市の生活費を比較している。...
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11月30日付
『ロイター通信』、
『ブルームバーグ』オンラインニュースは、
『エコノミスト』誌調査部門の2023年版データによると、シンガポールがチューリッヒと並んで世界一の物価高の都市となったと報じている。
英国『エコノミスト』誌の調査部門である「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット」(EIU、1946年設立)は、毎年「世界生活費調査」結果を公表している。
同部門は、世界170都市余りの衣料・交通・食品等の200以上の商品及びサービス費用を調査し、為替を加味した上で指数化して各都市の生活費を比較している。
そして、11月30日に発表された2023年版によると、シンガポールがチューリッヒと並んで世界一の物価高の都市となったという。
シンガポールは昨年に続いての首位で、過去11年のうち9度トップとなっている。
同市は、車所有台数に厳しい条件を付していることから異常に高額となっている他、交通費はもとより衣料・食品・アルコールも世界で最も高くなっている。
2位のチューリッヒ及び3位のジュネーブは、スイスフラン高に加えて、食料品・日用雑貨・娯楽品の高騰が原因となっている。
2023年度調査は8月14日~9月11日の間、世界173都市を対象に行われたもので、トップ10は以下となっている。
①シンガポール・チューリッヒ、③ジュネーブ・ニューヨーク、⑤香港、⑥ロサンゼルス、⑦パリ、⑧コペンハーゲン(デンマーク)・テルアビブ(イスラエル)、⑩サンフランシスコ
(参考;2022年順位は、①シンガポール・ニューヨーク、③テルアビブ、④ロサンゼルス・香港、⑥チューリッヒ、⑦ジュネーブ、⑧サンフランシスコ、⑨パリ、⑩シドニー・コペンハーゲン)
EIUによると、2023年の平均物価は前年比+7.4%と、昨年の上昇率だった+8.1%より若干鈍化しているものの、依然物価高騰危機の状況を脱しておらず、2017~2021年レベルに比べて異常に高い状態だという。
なお、欧米地域に比べてアジア諸国の物価上昇率は比較的緩く、中国の北京・南京・無錫・大連は、コロナ禍後の回復の遅れと消費者需要の低迷もあって軒並み順位を下げている。
また、東京(37位→60位)・大阪(43位→70位)も、円安の影響をもろに受けて同じく大きく順位を下げている。
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南シナ海南沙諸島の中比領有権争い;今度は中国が実効支配下の環礁にフィリピン漁船立ち入り防止のための浮遊式障壁設置【欧米・フィリピンメディア】(2023/09/25)
9月24日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース、
『CNNニュース』、欧米
『ロイター通信』、フィリピン
『ラップラー(注1後記)』等は、フィリピン当局が、中国が今度はスカボロー礁(注2後記)付近に浮遊式障壁を一方的に設置し、同海域にフィリピン漁船が入り込めないようにしていると非難したと報じている。
フィリピン沿岸警備隊(PCG、1967年設立)及び漁業水産資源局(BFAR、1974年設立)は9月24日、中国側がこの程、南シナ海南沙諸島の領有権争いとなっているスカボロー礁付近に勝手に浮遊式障壁を設置し、フィリピン漁船の操業を妨害していると非難する声明を出した。...
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9月24日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース、
『CNNニュース』、欧米
『ロイター通信』、フィリピン
『ラップラー(注1後記)』等は、フィリピン当局が、中国が今度はスカボロー礁(注2後記)付近に浮遊式障壁を一方的に設置し、同海域にフィリピン漁船が入り込めないようにしていると非難したと報じている。
フィリピン沿岸警備隊(PCG、1967年設立)及び漁業水産資源局(BFAR、1974年設立)は9月24日、中国側がこの程、南シナ海南沙諸島の領有権争いとなっているスカボロー礁付近に勝手に浮遊式障壁を設置し、フィリピン漁船の操業を妨害していると非難する声明を出した。
PCG報道官のジェイ・タリエラ准将がSNSに投稿したもので、“PCG及びBFAR両機関が同海域を定期的に海上パトロールしていた際、9月22日にスカボロー礁付近に中国側が浮遊式障壁を敷設しているのを確認した”とし、“同海域にフィリピン漁船が入らないよう妨害している”と糾弾した。
同環礁は中国が2012年に実効支配して以来、しばしばフィリピン漁船の同海域立ち入りを妨害してきていた。
中国側は、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領(現78歳、2016~2022年在任)が親中政策を進めていた際には、フィリピン漁船の同海域立ち入りを大目に見ていたが、フェルディナンド・マルコスJr.現大統領(66歳、2022年就任)が親米政策を取り始めたことから、再び妨害行為を活発化してきている。
同准将によると、“中国海警局艦3隻と海上民兵船1隻が、約300メートル(1千フィート)の浮遊式障壁を敷設していた”とする。
フィリピン漁師は、まとまった数のフィリピン漁船が同環礁付近に近づこうとすると、様々な妨害行為が行われてきたが、今回の浮遊式障壁設置もその一環だと証言している。
なお、同准将によると、“今回、フィリピン漁船約50隻が同海域で漁を始めようとしたところ、上述した4隻の中国船から、同海域から即時退去するよう15度程ラジオ無線で通告してきており、PCG及びBFAR海上パトロール船を見咎めるや否や、浮遊式障壁を設置して、実力行使に出てきた”とする。
(注1)『ラップラー』:フィリピン・ジャーナリストのマリア・レッサ氏(59歳)が2012年に立ち上げたニュースサイト。独立系メディアとして、主に人権問題について報道し、特にドゥテルテ大統領による麻薬撲滅運動の下での超法規的殺人問題を糾弾。これらの報道が国際社会で評価され、同氏は2021年ノーベル平和賞を受賞。
(注2)スカボロー礁:南シナ海南沙諸島にある環礁で、フィリピン北部ルソン島の西方約230キロメートルにあり、同国EEZ内。但し、2012年から中国が実効支配している。
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