フランス、夏休みの3密対策にキャンピングカーの購入が急増(2020/06/26)
新型肺炎が世界で猛威を振るい、人の移動が自粛や渡航制限で激減した。その影響で、フランスの観光産業も打撃を受けているが、キャンピングカー業界だけは、逆に前例のない売り上げの成長を経験している。販売だけでなく、レンタルも爆発的な売り上げの伸びを見せており、今年の夏は「安全」を売りにしている休暇に人気が集中している。
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『RTL』は、キャンピングカーはこの夏の真のスターだと報じている。販売とレンタルが大幅に増加しており、夏の間中、フランスの道路でこのキャンピングカーを見かけることになるだろうと予測している。
外出制限が解除された5月11日以降、新しいキャンピングカーが3,500台販売された。新車の場合、平均価格は45,000ユーロ(約540万円)とけっして安くはない。そのため、レンタルも人気を集めており、レンタル会社では予約が50%増となっているという。...
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『RTL』は、キャンピングカーはこの夏の真のスターだと報じている。販売とレンタルが大幅に増加しており、夏の間中、フランスの道路でこのキャンピングカーを見かけることになるだろうと予測している。
外出制限が解除された5月11日以降、新しいキャンピングカーが3,500台販売された。新車の場合、平均価格は45,000ユーロ(約540万円)とけっして安くはない。そのため、レンタルも人気を集めており、レンタル会社では予約が50%増となっているという。
これまでキャンピングカーでのバカンスを考えたことのなかった若い家族層が、この業界に目を向け始めたと見られており、キャンピングカーならではの、3密を避けた安全な環境での宿泊や食事や移動ができることが魅力となっている。
仏『フランス3』によると、キャンピングカー業界は2ヵ月間のロックダウン時に経験した業績不振を取り戻す勢いで、今売り上げが伸びているという。
こうした売り上げの伸びに対し、通常は売上高の40%を占める春の見本市や展示会での販売が、その時期に外出が出来なかった顧客たちが購入していることで埋め合わせになっているという見方がある。
しかし、業界関係者の中では、これはただの時期のずれではないという印象も強い。キャンピングカーでの休暇は、接触相手が家族に限定され、感染リスクを避けて過ごすことが出来るという魅力があり、今年購入を決断した顧客が多くいるという。
『フランス アンフォ』によると、あるキャンピングカーの販売店では、売り上げが前年の4倍に達しており、より若い世代の家族による購入が増えているという。シャワーやミニキッチンなど、設備の充実しているキャンピングカーは、従来フランス人にとって年配層の休暇の楽しみ方、というイメージがあったが、コロナ禍でそのイメージが変化したという。
キャンピングカーのメーカーも注文が殺到しており、キャンピングカー業界は、観光産業の不振とは無縁となっている。
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フランス、夏休みを家で過ごすことを見越して家庭用プールの需要が爆発(2020/06/16)
15日から新型コロナウイルス対策の制限を大幅に解除したフランス。マクロン大統領も「最初の勝利」を収めたと宣言。しかし、多くのフランス人は、今夏はこれまでの夏休みとは違い、感染防止のために旅行は控え、代わりに家で過ごすという計画を立てている。その夏休みを満喫するための対策の一つとして、家庭用プールの購入が空前のブームになっているという。
『ルフィガロ』によると、2019年に家庭用プールの売り上げの増加は11%に達していたが、ロックダウン解除後から、見積もり依頼がこれまでよりも2倍から3倍ほど増加したという。全ての見積もり依頼が販売にまでたどりつかない場合でも、家庭用プール業界にとって今年の春夏の売り上げはかなり期待できるといえる。
プールとスパ連盟のムリシュー会長は、そもそも「家庭用プール市場は数年前から構造的に好調だった」と話している。...
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『ルフィガロ』によると、2019年に家庭用プールの売り上げの増加は11%に達していたが、ロックダウン解除後から、見積もり依頼がこれまでよりも2倍から3倍ほど増加したという。全ての見積もり依頼が販売にまでたどりつかない場合でも、家庭用プール業界にとって今年の春夏の売り上げはかなり期待できるといえる。
プールとスパ連盟のムリシュー会長は、そもそも「家庭用プール市場は数年前から構造的に好調だった」と話している。売り上げは毎年2桁台で伸び、2019年の売上高は27億ユーロ(約3300億円)と11%の増加を記録した。このように、家庭用プール販売業界は2020年以前からすでに販売が好調だった。しかし、ロックダウンと移動制限の措置が導入されて以降、家庭用プールの建設業者の販売店はかつてないほどの飽和状態にあるという。
なお、最も人気のある家庭用プールは、これまでどおり、多くの場合地上に置くタイプの設備の整った小さめのビニールプールだ。ムリシュー会長は「以前は12メートルx 6メートルの、深さのあるプールが人気だったが、最近では約37平方メートルの設備の整った小さめのプールが人気だ」と述べている。
『BFMTV』や『フランス3』によると、自宅用プールの市場は、空気注入式のビニールプール、自立式ビニールプール、または専門業者に施工してもらうガーデンプールの3種類があるが、どの種類も注文が増えているという。販売店によってはビニールプールの在庫切れが出始めている状態であり、ガーデンプールの施工も、注文が殺到しているため、これからの新規注文に関しては、設置するプールの種類によっては今夏までに施工が間に合わないものも出てくるという。
また『ルフィガロ』によると、こうした家庭用プールを設置する場所や予算がない場合でも、フランスでは、週末などに個人宅のガーデンプールを予約して借りることで、家族だけのプールを楽しむことができるサービスがある。
こうした個人宅のガーデンプールの予約も、ロックダウン開始以来爆発的に増えており、ガーデンプールの予約サイトを運営しているモンテナールさんは「5月の売上高は昨年に比べて10倍にふくらんだ」とコメントしている。
外出制限の緩和と、また天候にも恵まれたことから爆発的な増加につながったと見られており、2019年の売上高が40万ユーロ(約4870万円)だったモンテナールさんのサイトは、2020年には100万ユーロ(約1億2千万円)または120万ユーロ(約1億4千万円)に達する見込みだという。
また、ビニールプールの専門店の南東地域の責任者は『フランス3』の取材に対し、「通常の年よりも販売のピークシーズンが1ヵ月半も前倒しで始まった今回のようなシーズンはこれまでに経験したことがない」と述べている。
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