フランス24の取材班は、イランの漁師に証言により、イラン領海内の中国のトロール船の航行をたどり、不法な漁獲方法を使ってのイランに対する経済的、環境的な打撃を確認することができたと報じている。
イランの漁師たちは、5年前から、ペルシャ湾やオマーン湾での中国のトロール船団の存在に抗議してきた。 イランの漁師は、中国のトロール船が、魚を大小構わず、洗いざらい捕獲するので、漁業資源の枯渇につながると危惧している。...
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フランス24の取材班は、イランの漁師に証言により、イラン領海内の中国のトロール船の航行をたどり、不法な漁獲方法を使ってのイランに対する経済的、環境的な打撃を確認することができたと報じている。
イランの漁師たちは、5年前から、ペルシャ湾やオマーン湾での中国のトロール船団の存在に抗議してきた。 イランの漁師は、中国のトロール船が、魚を大小構わず、洗いざらい捕獲するので、漁業資源の枯渇につながると危惧している。
これらの非難は、数年前から地域の漁業組織により投げかけられており、中国のトロール船の存在を非難する意見から、イランと中国の漁業企業とイラン領域内での操業に関して協定を組もうとする意見まである。
しかし、中国のトロール船をイラン領海内で簡単に見つけることができ、インスタグラム上で、多くのイランの漁師が、中国のトロール船の映像を投稿しており、映像ではイランの漁船を攻撃する行動も見られる。
2020年初めから今まで、イラン当局は、不法な領海での操業のため、34隻のトロール船をだ捕したと発表した。
なお、イランの新聞報道によると、だ捕されたトロール船は、1か月間後には解放されて元のように操業を再開するという。
中国漁船の他国領海での不法な操業は、中国海軍の南シナ海での人工島の建設などと同様、既成事実化し、これから増加することが懸念される。
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新型肺炎感染拡大防止のために、フランスで取られた6週間の全土ロックダウン措置。フランス南西部にあるトゥールーズ市の大学病院は、1ヵ月前から、ロックダウンの子供への影響について調査を開始したところ、一部の子供達にとって、ロックダウン下での生活が精神的ストレスとなり、トラウマにつながっていることが判明した。
『フランス24』によると、新型肺炎のためにトゥールーズ大学病院で入院している患者は現在20人未満となっている。しかし、医療スタッフたちは現在も新型肺炎との戦いが続いているという。新型肺炎感染拡大による呼吸器または神経学的な後遺症を残した患者だけでなく、特に精神的なダメージを受けた人達が予想以上に多いためだという。
同病院では、8歳から15歳までの子供たちへのロックダウンの影響を調べるために、1ヵ月ほど前から、子供達とその両親からの証言を集め始めた。...
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『フランス24』によると、新型肺炎のためにトゥールーズ大学病院で入院している患者は現在20人未満となっている。しかし、医療スタッフたちは現在も新型肺炎との戦いが続いているという。新型肺炎感染拡大による呼吸器または神経学的な後遺症を残した患者だけでなく、特に精神的なダメージを受けた人達が予想以上に多いためだという。
同病院では、8歳から15歳までの子供たちへのロックダウンの影響を調べるために、1ヵ月ほど前から、子供達とその両親からの証言を集め始めた。これまでに、324件の証言を収集できたが、その結果、ロックダウン中に新しいことに挑戦して有意義な体験が出来た子供もいれば、逆に2ヵ月間の外出禁止の生活が精神的なトラウマにつながってしまった子供たちも沢山いることが判明した。
トゥールーズ大学病院小児救急センター長であるイザベル・クロード医師は、今回のロックダウン下の生活を「全ての家庭がうまく乗り越えたわけではない。けっこうな割合で、心的外傷後ストレス症状が確認できた。それも気分転換のできる庭付きの家で過ごすなど、恵まれた環境の中でのロックダウン生活をしていた場合でもだ。」と述べている。
学校生活が突然無くなり、家族だけとの外出禁止生活を余儀なくされた子供達。通常、隔離生活が10日間以上続くと心的外傷後ストレスを受けるリスクが高くなると言われているが、今回は数週間の間、通常の生活にいつ戻ることができるのかが誰も分からない中での生活だった。そうした子供達のストレス症状は、睡眠障害、怒り、新型肺炎を思い出させるものについては一切話さないこと、外出恐怖症などが挙げられるという。
小児精神科医のセルジュ・ヘフェス医師は、子供を心配する親からの問い合わせが日に日に増えているという。同医師は『BFMTV』の取材で「感染リスクに対する恐怖症を持ってしまった子供たちは、1日18回くらい手を洗っている」と述べている。
臨床心理学者であり心理療法士のイマネ・アディミさんは、外出恐怖症となった小学生の子供が、ゴミ出しや買い物でも怖くて外に出たがらなくなってしまった事例を紹介している。
アディミさんは、不安になりやすい子供たちは、テレビでの感染予防のメッセージ、危機的状況や重症患者に関するニュースを繰り返し見たことで、精神的ショックを受けてしまい、大人たちのようには一歩離れて受け止めることができなかったと述べている。
「子供たちはスポンジみたいで、両親が心配をするなら、それが子供達に伝わり、子供自身の不安を引き出してしまう」と説明している。
なお、現在彼女が診察を受け持つ子供たちの95%は、ロックダウン解除後も学校に戻ることが出来ておらず、このままでは、「ただ座ったままでいる世代を育てることになる。」と警告している。
5月に小学校と保育所の80%以上が再開されているが、児童の22%しか学校に戻ってきていない。また、中学校では28%の生徒しか教室に戻ることができていないという。
現在フランス国立科学研究センター(CNRS)は、研究対象を広げ、6歳未満に対するロックダウンの影響と、8ヵ月から36ヵ月の幼児達の言語習得に対する影響について調査を進めている。
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