米メディア;自民党外交・国防担当幹部が月内に台湾与党代表と2+2会議開催と報道(2021/08/20)
台湾は、アフガニスタンにおいて、米軍完全撤退決定に端を発し、米国支援の同国政権があっという間に崩壊してしまった姿をみて、明日は我が身かと危機感を募らせている。そうした中、与党・自民党の外交・国防担当幹部が台湾与党・民主進歩党代表と2+2会議を開催する予定との本邦報道に追随して、米メディアも関心を持って報道している。
8月19日付
『ニューズウィーク』誌:「日本と台湾の高官、共通する中国の脅威を懸念して安全保障問題を協議」
8月18日付『ジャパン・タイムズ』紙(1897年創刊、日本最古の英字紙)報道によると、共に中国からの軍事的脅威を被っている日本と台湾の高官が初めて、安全保障問題を協議するための会合を開くという。
日本側からの要請で具体的に予定が組まれようとしているとし、自民党の佐藤正久外交部会長(60歳、前外務副大臣)と大塚卓国防部会長(48歳、前財務副大臣)が、台湾与党の民進党幹部と8月中に会談する方向で調整しているという。...
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8月19日付
『ニューズウィーク』誌:「日本と台湾の高官、共通する中国の脅威を懸念して安全保障問題を協議」
8月18日付『ジャパン・タイムズ』紙(1897年創刊、日本最古の英字紙)報道によると、共に中国からの軍事的脅威を被っている日本と台湾の高官が初めて、安全保障問題を協議するための会合を開くという。
日本側からの要請で具体的に予定が組まれようとしているとし、自民党の佐藤正久外交部会長(60歳、前外務副大臣)と大塚卓国防部会長(48歳、前財務副大臣)が、台湾与党の民進党幹部と8月中に会談する方向で調整しているという。
『フジテレビ』(1966年開局)も、自民党幹部が民進党の立法院(国会に相当)議員と“安全保障問題含めて、日本と台湾間の交流促進・経済分野について協議する”と報じている。
台湾外交部(省に相当)の欧江安(ジョアン・オウ)報道官は『ニューズウィーク』のインタビューに答えて、“原則として、台湾と共通の認識を持つ国の政治家と台湾の議員が相互理解を深めるために協議することは歓迎する”としながらも、“行政上の中立を保つため、両政党間の協議や議題等についてコメントすることは控えたい”と表明した。
民進党の謝佩芬(シェ・ペイフェン)報道官は8月19日、『ニューズウィーク』の照会に対して、当該会議はまだ調整中の段階であり、開催有無及び時期について決まり次第情報発信するとの回答を寄越した。
日本は、他の多くの国と同様、文化及び経済的交流はあるものの、台湾とは正式国交を有していない。
しかし、米国と違って日本は、単なる台湾の安全保障上のパートナーの一国以上にみられている。
直近でも、日本の高官が、中国による台湾への武力的威圧を注視するとの発言を繰り返している。
更に先月、日本の防衛省が公表した防衛白書の中で、武装した中国海警艦による日本の領土とされる尖閣諸島周辺海域への度重なる侵入への懸念と共に、台湾に対する中国の脅威についても言及している。
また、麻生太郎副首相(80歳)は、“実存する脅威”として中国による台湾武力侵犯があり得ると発言している。
神奈川大学(1928年創立の私立大学)で日本の安全保障問題を研究しているコーリー・ウォレス助教(38歳、ニュージーランド出身)は、“当該2+2協議は、単に象徴的というより実質的に意味のある話で興味のある事態だ”とした。
しかし、同助教は、“日本側の佐藤・大塚両氏はかつて副大臣の職にあったが、与党のトップではなく、しかも現閣僚やその他政権中枢の高官もメンバーに入っている訳ではないので、日本の公式見解である「一つの中国原則」に抵触する話とはならない”とコメントした。
そして同助教は、“政府レベルの公式なアクションが取れない状況下にあっては、このような非公式な方式を重ねていくことが適当なことと考えたものと思われる”と付言している。
なお、本件がニュース報道される1週間前の8月10日、蔡英文(ツァイ・インウェン、64歳)総統が月刊誌『文藝春秋』(1923年創刊)のインタビューに答えて、日本が直近で表明している懸念、また、新型コロナウィルス用ワクチン提供等の支援に感謝するとした上で、東アジアの安全保障強化のための対話メカニズムを構築していきたいと考える、と表明した。
そして同総統は、“台湾も、地域の平和を守る責任があると考えている”と断言している。
一方、中国は、公式であろうと、非公式であろうと、台湾との交流に対して断固たる反対を表明してきており、今回のニュースに関し、再び日本に対して非難の声を上げるものとみられる。
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【日本の世相と世界の動き・・No.115<憲法改正>】(2017/05/03)
<憲法改正>
安倍晋三首相は5月1日、超党派の国会議員らでつくる「新憲法制定議員同盟」が開いた大会で、「いよいよ機は熟してきた」、「日本国憲法の施行70周年という節目の年に、必ずや歴史的な一歩を踏み出す」と語った。
更に同首相は5月3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明している。
連立与党が衆・参両院で絶対安定多数を確保しており、なおかつ、直近の世論調査でも安倍内閣の支持率が5割を超えていることを背景に、自他ともに改憲論者と任じる安倍首相が、強気の発言に打って出ているものとみられる。...
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<憲法改正>
安倍晋三首相は5月1日、超党派の国会議員らでつくる「新憲法制定議員同盟」が開いた大会で、「いよいよ機は熟してきた」、「日本国憲法の施行70周年という節目の年に、必ずや歴史的な一歩を踏み出す」と語った。
更に同首相は5月3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明している。
連立与党が衆・参両院で絶対安定多数を確保しており、なおかつ、直近の世論調査でも安倍内閣の支持率が5割を超えていることを背景に、自他ともに改憲論者と任じる安倍首相が、強気の発言に打って出ているものとみられる。
しかし、
『朝日新聞』などは、自社の世論調査の結果を踏まえて、改憲必要との回答者が41%に対して改憲不要は50%だったことを挙げて、「改憲不要の世論が非常に少数」とみている安倍首相を批評している。
ただ、他の大手メディアの直近の世論調査は以下のとおり、概ね改憲賛成者が反対者を上回っている。
(各メディア世論調査結果) 改憲賛成 同反対
・共同通信(3~4月、郵送) 60% 37%
・フジテレビ(4月、電話) 52.9% 39.5%
・讀賣新聞(4月、郵送) 49% 49%
・NHK(3月、個人面談) 43% 34%
・朝日新聞(3~4月、郵送) 41% 50%
なお、日本国憲法は、第96条で定めているとおり、憲法改正の発議に衆・参両院で3分の2以上の賛成が必要で、かつ、国民投票で過半数の支持が条件付けられていることから、“硬性憲法”と言われ、これまで一度も改正されたことがない。
しかし、米国・ドイツ・フランスなども“硬性憲法”として日本国憲法と近似した厳しい条件が付されているが、後述どおり、実情、あるいは時代に合せるためか、改正は度々行われている。
●米国:①改正回数 6度(1951/2、1961/3、1964/1、1967/2、1971/7、1992/5)、②改正条件 上・下両院の3分の2以上の賛成、かつ、全州の4分の3以上の州議会の承認で発議、国民の過半数の賛成で改正。
●ドイツ:①60度(但し、技術的な改正が主で、人間の尊厳の不可侵等基本的条件はそのまま)、②連邦議会議員の3分の2及び連邦参議院の表決数の3分の2の賛成で改正(国民投票は不要)。
●フランス:①27度、②国民議会・元老院両院の過半数以上の賛成で発議、国民の有効投票の5分の3以上の賛成で改正。
●カナダ:①19度、②上・下両院の承認及び3分の2以上の州議会の承認、かつ、承認した州の人口が全州の過半数である場合に改正(国民投票は不要)。
●イタリア:①16度、②1議院の議員の5 分の1、50 万人の有権者又は5 つの州議会の要求がある場合、憲法改正が国民投票に付され、有効投票の過半数の賛成で改正。また、国会の各議院の2 回目の表決で、議員の3 分の2 の特別多数で憲法改正が可決された場合は、国民投票は行われない。
●韓国:①9度、②国会議員の在籍議員の過半数又は大統領の発議による提案に基づき、国会の在籍議員の3 分の2 以上の特別多数による議決、かつ、国民投票における有権者の過半数の投票と投票者過半数の賛成によって改正。
●中国:①4度(1982年憲法;1988/4、1993/3、1999/3、2004/3)、②全国人民代表大会(全人代)常務委員会又は全人代代表の5 分の1 以上による提議、かつ、全人代の全代表の3 分の2以上の賛成を以て、全人代の職権によって改正(国民投票は不要)。
●豪州:①3度(1946/12、1967/8、1977/7)、②憲法改正案が議会の各議院において、それぞれの総議員の過半数で可決された後、各州及び特別地域で行われる国民投票において過半数の賛成で改正。
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