バージニア州で、共和党の新人グレン・ヤンキンが著名な民主党員のテリー・マコーリフを逆転して知事の座を獲得した。AP通信によると、ヤンキン氏は50.7%の得票率で、マコーリフ氏は48.6%の得票率だった。
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『NBCニュース』は、共和党のグレン・ヤンキン氏が民主党のテリー・マコーリフ氏を破り、1年前の大統領選でバイデン大統領が10%ポイント差で圧勝したバージニア州の情勢が逆転したと伝えている。
元プライベート・エクイティの経営者であるヤンキン氏は、政治家としては新人である。共和党内の派閥をまとめることを公約に掲げ、経済と教育に焦点を当てたメッセージで選挙戦に臨んだ。トランプ前大統領とは適度な距離を保ちつつ、支持層の取り込みを図った。...
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『NBCニュース』は、共和党のグレン・ヤンキン氏が民主党のテリー・マコーリフ氏を破り、1年前の大統領選でバイデン大統領が10%ポイント差で圧勝したバージニア州の情勢が逆転したと伝えている。
元プライベート・エクイティの経営者であるヤンキン氏は、政治家としては新人である。共和党内の派閥をまとめることを公約に掲げ、経済と教育に焦点を当てたメッセージで選挙戦に臨んだ。トランプ前大統領とは適度な距離を保ちつつ、支持層の取り込みを図った。
『NBCニュース』は、敗れたマコーリフ氏は、民主党のバイデン大統領の世論調査の数字が下がり、ワシントンでの政策が行き詰まっていることが重荷となっていた上に、ダメージを与えるような失言に苦しめられた選挙戦を展開してしまったと伝えている。
バージニア州は、大統領選の翌年に知事選が行われることから、昔から政治の試金石と言われている。『NBCニュース』は、「バージニア州での共和党の勝利は、保守的な農村部での投票率の高さ、郊外での支持率の向上、そして経済だけでなく、学校のカリキュラムにおける反白人偏重の教育プログラムを問題視した選挙キャンペーンによるもので、来年の下院と上院の奪還を目指す共和党にとっての青写真となる。」と報じている。
ヤンキン氏は、教育を選挙戦の中心に据え、学校閉鎖に対する親の不満や批判的人種理論を学校で展開している民主党の政策に反対の意を表明していた。そうした中、最終討論会でマコーリフ氏が「親が学校に対して何を教えるべきか指示すべきではないと思う」と発言したことが、保護者達の反感を買ってしまった。
なお、ニュージャージー州の選挙では、同州の上院議長である民主党のスティーブ・スウィーニー氏が、質素な選挙活動を行った無名の共和党候補者に対して1ポイント差で逃げ切り、再選した。米『CBSニュース』は、安定した民主党基盤の州として考えられていたニュージャージー州で、民主党知事が約1ポイントという僅差で勝利したことは、全米の民主党員に赤信号をもたらしている、と報じている。登録している民主党員が共和党員よりも約100万人多いニュージャージー州で、バイデン大統領は2020年に16ポイント差で勝利していた。
しかし、同州で最も驚きの結果として注目を集めているのは、無名のトラック運転手であるエドワード・R・ダー氏(共和党)が、上院第3選挙区のスティーブ・スウィーニー上院議長(民主党)に2229票の差をつけており、当選する見通しが立ち始めていることである。
米ニュースサイト『フィラデルフィア・インクアイヤー』は、選挙経験のないトラック運転手のエドワード・R・ダー氏(58歳)がスウィーニー氏に勝利することで、州議会に大きな変化がもたらされそうだと伝えている。現知事だけでなく、クリスティ前知事時代も、ほぼすべての主要な法案の成立にはスウィーニー上院議長の同意が必要だったという。
なお、スウィーニー議長の陣営は、10月下旬の時点で選挙キャンペーンに100万ドル(約1億1千万円)以上を費やしていた。一方、10月27日の選挙資金報告書によると、ダー氏の陣営は、わずか1万460ドル(約120万円)しか調達していなかった。
ダー氏は自身の選挙キャンペーンサイトで、道路の修復や減税などを優先課題として掲げていた。同氏は、スウィーニー議長が新型コロナウイルスに対するマーフィー知事の対応に加担していると指摘し、州や学校の閉鎖、マスク着用命令、ワクチン接種の義務化などを「傍観している」と批判していた。そして、長年の民主党組織に対する地域の不信感や不満が、今回の成功につながったと語っている。
『AP通信』は、バージニア州選出のティム・ケイン上院議員が、「多数派になったとき、民主党員であることは、遅延(Delay)、優柔不断(Dithering)、何もしない(Do Nothing)、分裂(Division)ではなく、実行者(Doer)であることを表すべきだという考えを、同僚たちに学んでほしい」と厳しい意見を述べていることを伝えている。
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