先週、中国の北京で開催された国連の「第2回グローバル持続可能な交通会議」で、インドの外交官が、中国が主導する一帯一路構想を批判し始めた直後にマイクが故障した事件がインドで話題を集めている。
インドの
『ヒンドゥスタンタイムズ』紙によると、インドは先週、北京で開催された国連輸送会議において、会議に参加したインド外交官が、一帯一路構想に強い反対を表明した際、マイクが一時的に消音されるという「技術的問題」が発生した。
在北京インド大使館政治部のプリヤンカ・ソホーニは、北京で開催された国連輸送会議において、中国が主導する大陸間連結プロジェクト「一帯一路構想」に対するインド政府の反対姿勢を説明した。...
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インドの
『ヒンドゥスタンタイムズ』紙によると、インドは先週、北京で開催された国連輸送会議において、会議に参加したインド外交官が、一帯一路構想に強い反対を表明した際、マイクが一時的に消音されるという「技術的問題」が発生した。
在北京インド大使館政治部のプリヤンカ・ソホーニは、北京で開催された国連輸送会議において、中国が主導する大陸間連結プロジェクト「一帯一路構想」に対するインド政府の反対姿勢を説明した。反対を主張し始めた直後、彼女のマイクに不具合が生じ、話せなくなってしまった。
中国とパキスタンをつなぐ一帯一路構想は、地域にとっての「ゲームチェンジャー」であると賞賛していたパキスタン外交官の次にスピーチを行ったソホーニ氏は、「物理的な接続性の拡大と強化は、インドの経済的・外交的イニシアチブの不可欠な要素である」と話した後、一帯一路構想の背後にある原理に疑問を投げかけた。
同氏は、「今回の会議で、一帯一路構想について何度か言及されてきました。ここで、中国の一帯一路構想に、我々は特に影響を受けていると言いたいと思います。いわゆるCPECを旗艦プロジェクトとして組み込むことで、インドの主権が侵害されているのです」と述べた。そして、「どの国も、主権と領土保全という自国の中核的懸念事項を無視した構想を支持することはできない」と、中国とパキスタンの名前を挙げずに語った。
さらに続けて、「この点はさておき、接続性というものをどのように追求すべきか、という大きな問題もあります。私たちは、接続性に関する取り組みは、普遍的に認められた国際的な規範に基づいて行われるべきだと確信しています。開放性、透明性、財政的責任の原則に従わなければならない」と指摘した。この時、彼女のマイクに不具合が生じ、中国や海外からの参加者にはソホーニ氏の声が聞こえなくなってしまった。
マイクの不具合が解決される間、同席していた中国の運輸相がソホーニ氏の主張に反論した。運輸相の反論が終わった後、ソホーニ氏のマイクがまた使用できるようになった。
国連で働いた経験のある外交官は、インドの外交官の批判的なスピーチに対して、中国側が反論することを許されたのは、国連のプロトコルに違反している可能性が高いと述べている。
この事件に対して、米『ナショナルレビュー』は、「中国の、批判者を黙らせるための努力が新たな段階に達した。先週、北京で開催された国連の交通問題に関する会議では、これまでの政策批判を封じ込めるための水面下での政治的な駆け引きに加えて、中国の外交官はより積極的な取り組みを見せた。」と伝えている。
また、「中国の国連での影響力の増大に関する議論の多くは、選挙や決議、さらには国連の場での中国の反体制派や少数派への大胆な嫌がらせに焦点を当てている。しかし、今回のエピソードは、中国共産党が国連システムを徹底的に利用して、他国の反対意見を封じ込めることができるようになったことへの注意喚起である。」と指摘している。
10月14日-16日に開催されたこの会議は、国連経済社会局(DESA)の後援のもと、中国が北京で開催されたものである。
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3月11日人口2億人を数えるインド最大のウッタルプラデシュ州の議会選挙の結果、モディ首相の与党インド人民党が議席の80%近くを獲得したことが明らかとなった。モディ首相の掲げる「高額紙幣廃止、腐敗撲滅」政策が貧困層の大きな支持を得たものであり、2019年に行われる予定の国政選挙でモディ首相が再選される可能性が高まったと言える。
3月12日付インドの
『ヒンドゥスタンタイムズ』は、「紙幣廃止、モディ首相を支持:モディ首相勝利に対する外国メディアの反応」という見出しで、州議会での地滑り的勝利をモディ首相と紙幣廃止への支持表明とする外国メディアの反応を紹介している。
『ニューヨークタイムズ』は、今回の大勝は2019年のモディ首相の再選の可能性を増加させた他、政治的にはリスクのあった高額紙幣廃止について黙認を得たと書いている。また、紙幣廃止を経済政策というより政治的に解説した。モディ首相は自分を腐敗撲滅の闘士と呼び、一般大衆に経済的現実を克服するために支持を呼びかけ、人々は支持したと報じた。
『ワシントンポスト』は、インド人民党はウッタルプラデッシュ州で上流、中流、下層をうまく連合させて勝利を収め、インド人民党がカースト制度、階級間の障壁を壊すことが出来ることを示したと報じた。
3月14日付
『ヤフーニューズ』(
『クリスチャンサイエンスモニター』引用)は、「インドの有権者の声を拾う」という見出しで、モディ首相与党の勝利を報じた。昨年22ヶ国の先進国で行われた調査によると、ポピュリズム政党の人気上昇に反映されている有権者の怒りの原因は、実際は所得格差、グローバリゼーション、国家主権の喪失などではなく、政治を支配しているエリート層が一般市民の考えを代弁していない、即ち公民権をはく奪されているという意識によるものであるという結果が出た。この調査に世界最大の民主主義国であるインドは含まれていないが、2014年に選ばれたモディ首相は、政治から置き去りにされたと感じている低所得有権者に直接訴えるという政治形態をとっている。それは有権者に選挙で様々な約束をするやり方ではなく、人々の考えを替えるよう呼びかけるやり方である。
モディ首相はインド最大の州で大勝の後の演説で、「政府は過半数を取ったもので作られるが、政策は人々の総意に基づかなければならない。新しいインドは貧困に苦しめられている35歳以下の若年者と女性に焦点を当てなければならない。貧困者は物を与えてくれる人を選ぶのではなく、自ら勤勉に働くことを望み、職を与えられたら懸命に働くことが大事である」と語った。雇用の創出は重要なことであるが、モディ首相の第一の目標は貧困層が公民権をはく奪されたと感じないようにすることであり、首相は貧困層がその考えを変えることでそれを実現しようとしていると報じている。
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