インド、マザー・テレサのチャリティーの海外資金受取許可証の更新を拒否
インドはマザー・テレサが設立した慈善団体への海外からの資金提供を打ち切ろうとしている。こうした動きは、海外からの寄付金で運営されている団体に対する規制強化の一環であり、宗教的少数派への攻撃が増加している中で行われたものである。
『AFP通信』によると、チャリティー団体は、西ベンガル州の州都コルカタで貧しい人々を助けることに人生の大半を捧げたカトリックの修道女、故マザー・テレサによって1950年に設立された。同団体は、インド全土で保護施設を運営しており、マザー・テレサはこの働きのために1979年にノーベル平和賞を受賞した。
インド内務省は12月25日、海外から資金を受け取るための同団体の受取許可証の更新が「拒否」されたと発表した。...
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『AFP通信』によると、チャリティー団体は、西ベンガル州の州都コルカタで貧しい人々を助けることに人生の大半を捧げたカトリックの修道女、故マザー・テレサによって1950年に設立された。同団体は、インド全土で保護施設を運営しており、マザー・テレサはこの働きのために1979年にノーベル平和賞を受賞した。
インド内務省は12月25日、海外から資金を受け取るための同団体の受取許可証の更新が「拒否」されたと発表した。27日に発表された声明では、外国貢献規制法に基づく「資格条件を満たしていない」ことを理由としてあげているが、それ以上の詳細は明かされていない。
米『ニューヨーク・タイムズ』によると、同団体は上訴することができるが、今のところ、主要な資金源は断たれているという。このニュースは、インドで数百人の右翼ヒンズー教徒によって教会が破壊され、いくつかの地域ではクリスマスの行事が中断された緊迫した時期に発表されたという。
インドの人口の約2パーセントを占めるキリスト教徒に対する攻撃の増加は、宗教的少数派が安全でないと感じるようになってきているより広い社会的変化の一部だといえる。反キリスト教の自警団が村を襲い、教会を襲撃し、キリスト教の文献を燃やし、学校を攻撃し、礼拝者を襲っている。ここ数カ月、北部のハリヤナ州では、右翼のヒンズー教徒が金曜日の礼拝中にイスラム教徒とも衝突している。先週行われた集会では、数百人の右翼ヒンドゥー教僧侶が、憲法上世俗的な共和国であるインドをヒンドゥー教の国にするために、公然とイスラム教徒を殺害するよう呼びかけた。
また、モディ氏の政権下で、インドは非政府組織に対する海外からの資金提供に関する規則も強化している。多くのキリスト教やイスラム教の非営利団体に制限を加え、その他の団体はインドの法律、特に宗教的改宗に関する法律に違反しているとして監視リストに載せている。
非営利団体は、海外からの資金とインド国内での使用方法に関する詳細な財務諸表を提出する必要があり、政府から承認されるまでは、その資金の受け取りが制限される。昨年、人権団体アムネスティ・インターナショナルは、銀行口座の凍結など政府からの一連の報復を受け、インドでの事業を停止した。政府は当時、同団体が外国法人が海外から寄付を受ける際の規制を回避し、現地の法律に何度も違反したと発表した。
マザー・テレサのチャリティー団体の広報担当者、スニタ・クマール氏は27日、許可証の問題が解決されることに自信を示し、収入の大部分を海外からの寄付で得ているものの、「地元でも十分な寄付があるので、それで対応できる」と語り、同チャリティーの活動に直ちに影響を与えることはないと述べている。
チャリティー団体は、パンデミック以前から、14億人の人口を抱えるインドで、重要なケアサービスと医療インフラを提供してきた。しかし今月、西部のグジャラート州の警察は、保護施設の少女たちに聖書を読み、十字架を身につけるよう強制しているとして、団体に対する苦情を調査中であると発表した。この告発に対して、団体の広報担当であるクマール氏は「私は45年間ここで働いていますが、そのようなことは一度も起きていません」と否定している。
カタールの『アルジャジーラ』は、2014年にモディが政権をとって以来、右派ヒンドゥー教団は州を越えてその地位を固めていき、宗教的少数派へのヘイト攻撃を開始し、そうした行動は宗教的改宗を防ぐためだと主張している。これに対し、キリスト教徒やその他の批評家は、改宗を防ぐという正当な理由は誤りであり、キリスト教徒はインドの人口13億7千万人のうちわずか2.3パーセントであり、ヒンズー教徒は同国の人口13億人のうち80パーセント近くを占める圧倒的多数派であると指摘している。
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韓国、新型コロナウイルスの感染者を追跡するために顔認証システム活用
韓国では、新型コロナウイルスに感染した人の直近の行動、濃厚接触者、マスク着用の有無などを確認するために、顔認証システムを活用するパイロットプロジェクトが間もなく開始することが判明した。
『ロイター通信』によると、ソウル近郊の国内有数の人口密集地である富川市は、来年の1月から、AI、顔認証システム、そして大量の街中にある監視カメラを活用して、新型コロナウイルスの感染者を追跡する計画があることが分かった。費用は国が負担する。
この計画では、AIアルゴリズムと顔認識技術を用いて、市内の10820台以上の監視カメラで集められた映像を分析して追跡を行おうとするもので、この計画に批判的な国会議員が科学技術情報通信省に提出された同市の110ページに及ぶ事業計画書をロイター通信に共有した。...
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『ロイター通信』によると、ソウル近郊の国内有数の人口密集地である富川市は、来年の1月から、AI、顔認証システム、そして大量の街中にある監視カメラを活用して、新型コロナウイルスの感染者を追跡する計画があることが分かった。費用は国が負担する。
この計画では、AIアルゴリズムと顔認識技術を用いて、市内の10820台以上の監視カメラで集められた映像を分析して追跡を行おうとするもので、この計画に批判的な国会議員が科学技術情報通信省に提出された同市の110ページに及ぶ事業計画書をロイター通信に共有した。
富川市の担当者は、顔認証システムの活用によって、人口80万人以上の都市で、追跡調査の対応に追われている追跡担当部署の担当者達の負担が軽減され、より効率的かつ正確に活用できるようになると述べている。韓国ではこれまでも、クレジットカードの記録、携帯電話の位置情報、監視カメラの映像などの個人情報を収集して、積極的にハイテクを駆使した接触者追跡システムを導入してきた。それでも、感染の可能性のある人を24時間交代で追跡し、必要な場合連絡も取る、数多くの疫学調査員に頼っているのが現状だという。
この計画はまた、市の追跡チームが、感染者による、必ずしも正確ではない自己申告に大きく依存せざるを得ないという事実を克服するためにされたものだという。
科学技術情報通信省は、このプロジェクトを全国に拡大する計画は今のところなく、このシステムの目的は、追跡作業の一部をデジタル化することが目的だと説明している。
富川市は、科学技術情報通信省から16億ウォン(約1億5千万円)を受け取り、市の予算から5億ウォン(約4800万円)を投入してこのシステムを構築しているという。
米オンラインニュースサイト『ザ・ウィーク』は、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が顔認証システムの活用にはプライバシー侵害の懸念を引き起こすと伝えていることを報じている。このような追跡方法が機能するためには、「一般的に、AI技術が読み込むことのできる大規模な市民の顔写真のデータベースを持っていなければならない」という。また、現在の技術では、マスクで遮られた顔を適切に識別するのは困難でもあるという。
しかし、富川市は、「AIシステムが情報にアクセスする前に、本人の同意を得ることになっており、データは検疫当局にのみ提供される」と説明している。
なお、今、世界各国の政府は、新型コロナウイルスの感染を食い止めるために、新しい技術や法的権限の拡大に取り組んでいる。ニューヨークのコロンビア大学ロースクールが3月に発表した報告書によると、感染者を追跡するための顔認識システムを導入したり、少なくとも実験的に導入したりしている政府は、中国、ロシア、インド、ポーランド、日本のほか、米国のいくつかの州にも及んでいるという。
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