20年前のトランプ大統領、建物のスプリンクラー設置義務化に反対
【8日付
『AP通信』『ニューヨーク・デイリーニュース』など】 現地時間7日17時頃、ニューヨークのトランプタワー50階部分から火災が発生し、男性1名が犠牲になったことは各メディアで報じられているとおりだ。ビルにはスプリンクラーが設置されていなかったが、かつてトランプ氏は業界を代弁する不動産開発会社の社長としてスプリンクラーの設置に反対して争っていたことがわかった。
7日、マンション居住者のトッド・ブラッスナー氏(67歳)が病院で死亡したことが確認された。米国の建築基準法は州ごとに制定されるが、1983年の同ビル開業時には住宅部分へのスプリンクラー設置義務はなかった。
その後商業用高層ビルはスプリンクラーを遡及的に設置するよう法律は改定されたが、古い住宅用高層ビルの所有者は、建物の大規模修繕行われない限り、設置義務はなかった。
ニューヨークでは1998年にマンハッタンとブルックリンで致命的な火災が発生し、1999年に新たに住宅用高層ビルにスプリンクラー設置を必要とする法案が提出された。...
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7日、マンション居住者のトッド・ブラッスナー氏(67歳)が病院で死亡したことが確認された。米国の建築基準法は州ごとに制定されるが、1983年の同ビル開業時には住宅部分へのスプリンクラー設置義務はなかった。
その後商業用高層ビルはスプリンクラーを遡及的に設置するよう法律は改定されたが、古い住宅用高層ビルの所有者は、建物の大規模修繕行われない限り、設置義務はなかった。
ニューヨークでは1998年にマンハッタンとブルックリンで致命的な火災が発生し、1999年に新たに住宅用高層ビルにスプリンクラー設置を必要とする法案が提出された。火災安全を支持する者は、古い住宅にもスプリンクラー設置を義務付ける要件を盛り込むよう強く求めたが、当時のジュリアーニ市長下の役人は、高価過ぎるとの見解であった。
トランプ大統領は、当時、スプリンクラー備付けは不必要かつ高価として必要がないと訴えたうちの一人であった。1平方フィート(1フィート=約0.3メートル)あたり4ドルのコストがかかり、ビル全体に設置するには高価過ぎると主張した。
法案は結局、トランプタワーのような、既存のビルへのスプリンクラー設置適用を除外して施行された。72階建てのトランプワールドタワーのように、すでに建築許可を申請したビルも適用対象外とされた。しかしトランプ氏はスプリンクラー不要との見解を一転、結局300万ドルを費やし、国連本部近くのトランプワールドタワーについては、350戸すべてにスプリンクラーを設置することを決めた、とニューヨークタイムズ紙が報じている。
タイムズ誌によると、「人々はスプリンクラーがあればより安全だと感じる」と、トランプ氏は1999年に述べている。「しかし、法案の問題点は、スプリンクラーが最も必要な建物に対処していないという点だ。ニューヨークの火災による死亡を見ると、ほぼすべてが1世帯または2世帯用の家屋で発生している。」
ニューヨークの建物局(Department of Building)は、火災発生時トランプタワーに配線で接続された煙探知器が作動中であり、消防署は建物の暖房換気システムの検出器により火災を最初に知ったという。火災の原因はまだ明らかになっていない。
記録によれば、ブラスナー氏は1996年にマンションを購入、アンディ・ウォーホル氏と親交のあった美術品コレクターだった。彼はウォーホル氏の死後出版された日記で何度か言及されている。ウォーホル氏は少なくても1点の作品にサインをし、ブラスナー氏に捧げている。しかし、近年、ブラスナー氏は経済的な問題を抱え、破産手続を経験した。手続き文書によると、彼の家族は2014年末に美術品売買を手伝うのを辞め、数年後には「病気衰弱に悩まされていた」ため、「生きていくことが難しかった。」
ニューヨーク市消防局のダニエル・ニグロ長官は、消防隊員が到着したときにはマンションは「事実上全体が燃えていた」と話している。
死亡者の報道以前に、ワシントンDCにいたトランプ大統領はツイッターに次のように投稿した。「トランプタワーは消火した。被害は限定的だった(よく建てられた建物)。 消防士達が素晴らしい仕事をした。ありがとう。」しかし、ブラスナー氏の死についてはその後ツイートしていない。
火災発生時、大統領の家族は不在だった。家族は58階建の建物の最上階数階を住まいとしているが、大統領就任以来ここではほとんど時間を過ごしていない。大統領の不動産資産を管理するトランプ・オーガニゼーションの本部は26階にある。
トランプタワーでは、今年1月にも暖房システムのトラブルにより屋上付近で煙が立ち上り、3人が負傷する火災があった。
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フェイクニュース賞
米ドナルド・トランプ大統領は自身が企画した「フェイクニュース賞」を水曜夜ツイッターで発表、ニューヨークタイムズ紙が1位となった。また、6位には昨年11月に同大統領が訪日した際、安倍首相と共に池のコイに餌をやったのだが、升で餌をやり過ぎたとの報道(CNN)がランクインした。
1月17日付米国
『FOXニュース』は「トランプ大統領、フェイクニュース賞受賞者を発表」との見出しで以下のように報道している。
「トランプ大統領は自身が企画した「フェイクニュース賞」を水曜夜ツイッターで発表。1位となったのは、ニューヨークタイムズ紙で、“トランプの大統領選出で株式市場は絶対回復しない”と予測したポール・クルーグマンが受賞。皮肉なことにこの日、ダウ平均株価は2万6千ドルの新記録で取引を終えた。...
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1月17日付米国
『FOXニュース』は「トランプ大統領、フェイクニュース賞受賞者を発表」との見出しで以下のように報道している。
「トランプ大統領は自身が企画した「フェイクニュース賞」を水曜夜ツイッターで発表。1位となったのは、ニューヨークタイムズ紙で、“トランプの大統領選出で株式市場は絶対回復しない”と予測したポール・クルーグマンが受賞。皮肉なことにこの日、ダウ平均株価は2万6千ドルの新記録で取引を終えた。
2位はABCニュースのブライアン・ロス。トランプが選挙期間中にフリン元国家安全顧問にロシア当局に接触を図るよう指示したと失言報道をした。
3位のCNNはトランプ陣営がウィキピディアの「ハッキング文書」にアクセスしていたと報道。
最後の受賞者は、トランプが“最後だが等しく重要な」ロシア共謀だ。これがおそらく国民に対する最大の虚偽内容である。共謀などない!”と綴った“ロシア共謀疑惑“であった。
共和党全国委員会のウェブサイト上には、「統計では、トランプ大統領に関する報道の90%以上が否定的なもの」だとし、「2017年は容赦ない偏向的で不公平な報道や明らかな偽ニュースの年だった」と記載されている。この共和党のサイトはトランプのつぶやき後アクセスが殺到し停止した。
特に名指しはないがトランプ氏はツイッターで「多くの素晴らしい記者」を賞賛。「腐敗した虚偽報道もある一方、私が尊敬する素晴らしい記者や国民が誇るべき“良いニュース”も沢山ある“」と呟いた。
(以下4位~11位)
4位、タイムズ紙: トランプがホワイトハウス内のキング牧師の記念碑を撤去したと報道。
5位 ワシントンポスト紙:デイヴィッド・ウェイゲルが12月のフロリダ州ペンサコーラで開かれたトランプの集会で、観客はガラガラだったと報道。
6位 CNNの動画:訪日中、安倍首相と魚のえさをやり過ぎたと報道。
7位 CNN:アンソニー・スカラムッチ元広報部長のロシア結託疑惑報道を撤回した。
8位 Newsweekがポーランドのファーストレディがトランプとの握手を拒否したと報道。
9位 CNN:自分は捜査対象でないと主張するトランプ氏にコミー元FBI長官が反論と報道。
10位 タイムズ紙:トランプ政権が温暖化報告書を隠ぺいしたと報道。
11位 ロシア共謀疑惑
同日付英国『インディペンデント』は「トランプが“フェイクニュース”賞受賞者を発表」との見出しで以下のように報道している。
「大賞に輝いたのは、トランプ政権は米国経済に深刻なダメージを与えると主張したタイムズ紙のコラムニストポール・クルーグマンとなった。実際はトランプのリーダーシップで経済は急回復している。
最初トランプ氏は今月8日に“一年で最も不正直で腐敗したメディアに賞を与える”と約束し、その後17日に延期した。この賞は“誰も予測できないほど面白く、重要な賞”だとしていた。ところが、ホワイトハウスのスケジュールには授賞式などの予定はなく、サンダース報道官は「逐次報告します」などと述べていた。
ツイッターで受賞者を発表した直後、共和党全国委員会のウェブサイトはエラーとなった。
トランプ氏は執拗にタイムズ紙に批判の目を向けてきた一方、“FOX and Friends”などトランプを賞賛するメディアは褒めちぎっていた。この日、共和党議員2名(ジェフ・フレイク議員(アリゾナ州)他)はトランプの報道局への姿勢を批判している。
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