ウクライナ戦争:ロシアのテレビ放送でプロパガンダの効果が徐々に弱まる
フランスの
『ルモンド紙』は、ウクライナ侵攻当初と比べて国営の主要チャンネルの視聴者が25%減少したと伝えている。国で統制された公共放送に代わって暗号化されたメッセージサービス、テレグラムの使用者が増加しているという。
ロシア1チャンネルの人気プレゼンターのウラジミール・ソロビエフは8月18日、熱をこもった調子で、「ウクライナのロシア語圏の住民を守るために我々は軍隊を送り込むこととなる。 NATO諸国は不安になることだろう! ベルリン、パリ、ロンドン、ブルッセルの住民たちは、我々のミサイルで破壊される準備はできているか?」とはやし立てた。
この日は、EU諸国の多くの国でロシア人に対する観光ビザの発行を禁止する提案が打ち出された日でもあった。...
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ロシア1チャンネルの人気プレゼンターのウラジミール・ソロビエフは8月18日、熱をこもった調子で、「ウクライナのロシア語圏の住民を守るために我々は軍隊を送り込むこととなる。 NATO諸国は不安になることだろう! ベルリン、パリ、ロンドン、ブルッセルの住民たちは、我々のミサイルで破壊される準備はできているか?」とはやし立てた。
この日は、EU諸国の多くの国でロシア人に対する観光ビザの発行を禁止する提案が打ち出された日でもあった。
しかし、仏のロシア、東欧研究所のフランソワーズ・ドーセ氏によると、このようなプロパガンダ的な愛国的な雰囲気での挑発的な語り口の放送も徐々に少なくなっているという。
『モスクワ・タイムズ誌』8月22日付けによると、いつものロシア政府はプロパガンダ放送に年間1000億ルーブル(約17億ユーロ=2312億円)を使ってきたがが、現在、機能不全に陥っていると非難している。
さらに、同誌はロシアの公共テレビ局が、日常的に朝はナチス(ウクライナ軍)の敗北を報道し、午後は経済活動について解説し、夜はヨーロッパに対する核攻撃の可能性について解説しているが、 聴視者たちは、これらのおきまりの番組から離れていき、インターネットやテレグラムなどのメッセージサービスから公共放送以外の情報を得ようとしていると指摘している。
ロシア人のテレビ離れは、ウクライナでの’特別作戦‘報道に嫌気がさした心理を物語っているという。 そのため、ロシア政府としては、今度はテレグラム上でプロパガンダ情報を流そうと試みている。例えば、メドベージェフ元大統領は。盛んにテレグラムを利用し、過激なプロパガンダ記事を発信している。
なお、反戦的な記事がテレグラムに流れるのはまだ先のようである。
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ロシア:最後の反体制派の大物イリア・イアシン氏がモスクワで逮捕される
『フランス国際ラジオ局(RFI)』は、顧問弁護士バジム・プロコロフからの情報として、ロシアに残留していた反体制派のイリア・イアシン氏が6月28日火曜日モスクワで逮捕されたと報道した。
イアシン氏は38才でモスクワの司法新聞によると、プーチン大統領への批判やウクライナ戦争に対する反対をテレグラム紙に記載したことなどで「警察に対する服従を行わなかった」罪で起訴された。
逮捕された月曜日、イアシン氏とモスクワの公園を散歩していた友人でジャーナリストのイリナ・バブロイアンの証言によると警察がやってきて、警察を侮辱して罵った罪で逮捕されたが、そのような事実はなかったという。
イアシン氏は数年前からロシアの反体制派の人物として注目されており、2011-2012年には反体制運動を主導している。...
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イアシン氏は38才でモスクワの司法新聞によると、プーチン大統領への批判やウクライナ戦争に対する反対をテレグラム紙に記載したことなどで「警察に対する服従を行わなかった」罪で起訴された。
逮捕された月曜日、イアシン氏とモスクワの公園を散歩していた友人でジャーナリストのイリナ・バブロイアンの証言によると警察がやってきて、警察を侮辱して罵った罪で逮捕されたが、そのような事実はなかったという。
イアシン氏は数年前からロシアの反体制派の人物として注目されており、2011-2012年には反体制運動を主導している。反体制派のNO.1で現在、9年間の刑で服役中のナバルニ氏や2015年に暗殺されたボリス・ネムトフ氏と近い関係にあった。
イアシン氏はモスクワ市地域の反体制派の国会議員として選出されており、ウクライナに対するロシアの軍事侵攻を強く非難してきた。
2月24日のロシアのウクライナへの軍事侵攻以来、反体制派運動や独立系メデイアに対する抑圧が増している。ロシアの治安当局としてはウクライナ侵攻に対する反対派に対して法的手段に訴え、最高15年間の投獄に至るまでの刑罰を科している。
なお、治安当局は、法的手段に訴えるまでに反体制派の人物や独立系メデイアに対して行政的ないしは司法的な‘嫌がらせ’を行っているという。
このようにロシアでは言論の自由が益々なくなっていくことになるが、インターネットの時代で外国の情報も入ってくる中、プーチン体制にロシア国民がいつまで我慢できるのかと考えさせられる。
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