イスラエル、戦禍のウクライナに野戦病院を設立へ(2022/03/10)
イスラエル保健省は5日、ウクライナへの人道的支援の一環として、数日中にウクライナに野戦病院を設置すると発表した。野戦病院は、健康維持機構(HMO)と民間病院スタッフによって運営される。
イスラエルのオンラインニュースメディア
『タイムズ・オブ・イスラエル』によると、野戦病院には、イスラエルの民間医療法人シェバ医療センター、クラリット・ヘルスサービス、およびその他の民間病院の医療スタッフが派遣される。病院には救急病棟以外にも、小児病棟、分娩室、診療所などが含まれるという。
イスラエル保健省は、国内のどこに病院を設置するかは明らかにしなかったが、チャンネル12ニュースは、西部の都市リヴィウに設置されると報じた。...
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『タイムズ・オブ・イスラエル』によると、野戦病院には、イスラエルの民間医療法人シェバ医療センター、クラリット・ヘルスサービス、およびその他の民間病院の医療スタッフが派遣される。病院には救急病棟以外にも、小児病棟、分娩室、診療所などが含まれるという。
イスラエル保健省は、国内のどこに病院を設置するかは明らかにしなかったが、チャンネル12ニュースは、西部の都市リヴィウに設置されると報じた。
ニツァン・ホロウィッツ保健相は声明で、「われわれは道徳的な義務を果たし、人道支援を増やし、ウクライナの人々に援助を広げている。保健省とイスラエルはウクライナの人々の味方である。我々は、日常世界が一瞬にして破壊された市民の命を救うために、必要な限りの支援を続けていくつもりだ。」と述べた。
シェバ医療センター所長イツハク・クライス教授は「これは、一人一人の人間に対する私たちの個人的、職業的、国家的な義務です。私たちには手段も能力もあるのだから、立ち止まっていてはいけません。」と述べた。
イスラエルはすでに先週、100トンの人道支援物資を送っている。17トンの医療機器と医薬品、20万人分の供給を想定した浄水システム、10万人分の緊急給水キット、3000人分の冬用テント、1万5000枚の毛布、3000個の寝袋、2700枚の冬用コートが含まれている。
米フロリダ州の週刊紙『フロリダ・スター』によると、シェバ医療センターはすでに、自主的な緊急対応組織ユナイテッド・ハツァラの協力をもとに、遠隔医療技術を用いた仮想病院を立ち上げ、モルドバに逃れたウクライナ人難民の治療に当たっているという。また、IsraAidやSmartAidなどの援助団体も、ウクライナ難民を支援するために救援物資を送っている。
イスラエルが災害時に野戦病院を展開するのは、今回が初めてではない。2010年、イスラエルは壊滅的な地震に見舞われたハイチで野戦病院を開設した。また、2011年には東日本大震災後の日本に、2013年にはフィリピンに、2015年にはネパールに過去最大となる60床の野戦病院を設置した。
なお、米『フォックスニュース』は、「助けを必要としている人々を助け、アメリカ人を避難させ、負傷した人々を避難させる。そして、前線に医療支援を提供する。」ためにウクライナに向かった米軍退役軍人たちがいることを報じている。
元海兵隊の狙撃手で名誉勲章を受章したダコタ・メイヤーと海兵隊の退役軍人チャド・ロビショーは、アメリカ市民と民間人の避難を助けるために、手配した医療援助と物資だけを携えてウクライナに乗り込んだ。
ロビショー氏は、紛争地域に取り残された人々を救い出す働きを行っている団体「セーブ・アワー・エアライズ」の代表を務めており、去年8月に米軍がアフガニスタンから撤退した際、アフガニスタンから1万7千人のアメリカ人と米国を支援したアフガニスタン人を救出した経験を持つ。
メイヤー氏は、「イラクやアフガニスタンとは違う。今回は2つの主権国家が互いに戦っている一触即発の状態だ」として、人々が安全に国外退避できるために、情報収集に力を入れていると述べている。
米『IBタイムズ』によると、ロビショー氏とそのレスキューチームは現在、ウクライナの一般市民を戦闘から遠ざけるための救出作戦を進めているという。ロビショー氏は、「私たちのチームのひとつは、戦車の爆発に巻き込まれそうになった。死体がまだくすぶっていた。安全保障上のリスクは大きい」と述べており、緊張感が高まっていると報告している。「徴兵されたばかりの18歳の子供たちだ。今、彼らはライフル銃を持たされ、検問所で怖がっている。わたしたちは夜、通行しようとしているが、事故も起こりうる。こうした状況は危険でリスキーである。なるべく戦闘員であるかのような印象を与えないようにしている」と語っている。
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イスラエル保健相、ワクチン・パスポートはワクチン接種を強制する為に導入していると認める(2021/09/14)
イスラエルでは、12日の閣議に先立ち、2人の大臣が、国内の多くの場所で導入されているワクチン・パスポートの提示義務は、医学的な理由よりも、ワクチン接種を促すためにあると話している会話が、オンになっていたマイクでキャッチされ、全国に生中継された。
イスラエルは、世界で初めてワクチン・パスポートを発行した国である。グリーンパスと呼ばれたワクチン接種証明書は、6月に廃止されたが、国内で新型コロナウィルスの感染が再び拡大したことを受けて再導入され、8月20日から、レストラン、プール、屋内のすべての娯楽施設、公園を除くすべての公共の場所への入場の際に提示が義務付けられた。ワクチンを接種していない12歳以下の子供がこれらの場所に入場するには、検査結果で陰性であることを証明する必要がある。...
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イスラエルは、世界で初めてワクチン・パスポートを発行した国である。グリーンパスと呼ばれたワクチン接種証明書は、6月に廃止されたが、国内で新型コロナウィルスの感染が再び拡大したことを受けて再導入され、8月20日から、レストラン、プール、屋内のすべての娯楽施設、公園を除くすべての公共の場所への入場の際に提示が義務付けられた。ワクチンを接種していない12歳以下の子供がこれらの場所に入場するには、検査結果で陰性であることを証明する必要がある。
こうした中、米『ナショナル・ファイル』とイスラエル『タイムズ・オブ・イスラエル』によると、12日、イスラエルのニツァン・ホロヴィッツ保健相は週1回の閣議が始まる前に、同僚のアイェレット・シャクド内務相とワクチン・パスポート制度について話し合っていた。その会話を、ワイヤレスマイクがキャッチし、全国放送された。ホロヴィッツ氏とシャクド氏は、イスラエルのチャンネル12ニュースのマイクに会話が拾われていたことに気づいていなかったという。
先月末に、3回目のブースター注射を受けない市民は、いずれワクチン・パスポートの認定を受けられなくなると発言していた保健相は、レストランやプールなどの屋外席にワクチン・パスポートを適用することは、実は疫学的に正当な理由がないという点で、内務相と意見が一致した。そして、「問題は、予防接種を受けない人たちにある。彼らに少しでも影響を与えなければ、この状況を打開することはできない」と指摘し、イスラエルの多くの場所でワクチン・パスポートが必要とされているのは、単に国全体にワクチン摂取を強制するためだと認めた。さらに同氏は、「ある種の普遍性」を持つグリーンパスに例外を設けることは、そもそもパスポートの科学的妥当性を疑われることにつながると主張した。
また、保健相は「例えば、60歳から65歳未満の、危機的な状態にある人が病院に運ばれてきた場合、間違いなくワクチンを接種していない人だ。60から65歳以上では、だいたい3分の2がワクチン未接種、3分の1がワクチン接種済みだ。新型コロナは、もはやワクチンを受けていない人にとっての一大事である」と内務相に説明した。
エラザール・スターン情報相が2人の会話に加わり、「(ワクチンを受けていない人が)コロナウィルス病棟のベッドを占有しているのは苛立たしいことだ」と述べ、「集中治療室では、そうですね」と保健相が答えている。
保健省が10日に発表した数字によると、60歳以下の場合、3回目のワクチンを接種していない人は、重症化する確率が約3倍、何も接種していない人の場合は確率が約10倍に上がるという。また、60歳以上の人では、3回目のワクチンを接種すると、2回接種の人に比べて、重症化する可能性が10分の一になり、未接種の人に比べると40分の一になるという。
『ナショナル・ファイル』は、イスラエルの閣僚は、ワクチン・パスポートが予防接種率を高めるためのさおになると主張しているが、インペリアル・カレッジ・ロンドンの新しい研究では、このような制度の下では、予防接種を受けることに消極的な人は、さらに消極的になることが確認されたと伝えている。研究を行ったメンバーの一人であるポラット博士は、「ワクチン・パスポートのような公衆衛生上のインセンティブが心理的欲求を苛立たせるものであれば、例えば、人々に自分の決定に対する自由意志の欠如を感じさせることで、逆説的に人々の接種意欲を低下させる」と述べている。
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