本来なら、今日から外出自粛等から解放されるはずだったが、残念ながら緊急事態宣言撤回は今月末まで延期されてしまった。ところで、世界中で今日何が起こっていたのか歴史を遡ってみたい。
5月7日付
『AP通信』他:「今日5月7日に何があった?」
●1789年
・米国初代大統領ジョージ・ワシントンの大統領就任(1週間前の4月30日宣誓)を祝う初の舞踏会がニューヨークで開催。各界重鎮らがホワイトタイ、ブラックタイ、イブニングドレスで着飾って列席。
(編注;西洋諸国では、ホワイトタイが男性のフル正装で、ブラックタイは準正装)
●1889年
・全米トップランクのジョンズ・ホプキンズ病院(メリーランド州ボルティモア、注1後記)開業。
●1915年
・ドイツのUボート(潜水艦)の魚雷が、アイルランド南沖航行中の英国船籍旅客船“ルシタニア”に命中して同船は沈没。乗員・乗客約2千人のうち1,198人が犠牲。
●1928年
・英国における女性投票権が、男性と同じ21歳に引き下げ(従前は30歳)。
●1939年
・ドイツ(ヒトラー)とイタリア(ムッソリーニ)間の軍事・政治同盟成立(ローマ・ベルリン枢軸)。
(編注;日独伊三国同盟は1940年9月27日に成立)
●1945年
・ナチスドイツが連合国軍本部のあるランス(フランス北東部)で無条件降伏文書に署名。第二次世界大戦の終焉。
●1946年
・ソニーの前身である東京通信工業㈱が盛田昭夫・井深大によって設立。
●1954年
・インドシナ半島北部(現ベトナム北西端)で3月中旬から55日間続いた“ディエンビエンフーの戦い(注2後記)”が終結。フランスのインドシナ半島からの撤退につながる戦闘。
●1963年
・米航空宇宙局(NASA)が、通信放送衛星“テルスター2号”の打ち上げに成功。
●1975年
・ジェラルド=フォード大統領(1913~2006年、第38代大統領として1974~1977年執務)が正式にベトナム戦争(1964~1975年)終結を宣言。南ベトナム解放民族戦線(通称ベトコン)がホーチミン市(当時サイゴン、4月30日に陥落)で戦勝祝い。
●1992年
・スペースシャトルのエンデバー号(注3後記)が初フライト。
●1998年
・ドイツのダイムラー・ベンツ(メルセデスベンツ親会社)が米クライスラーを370億ドル(約4兆円)で買収し、業務提携。
(編注;両社の経営方針に隔たりが出て、2007年提携解消)
・ロンドン市民が初の大ロンドン庁を司る市長選挙権を取得。2000年5月の初選挙によって、ケン・リビングストン氏(74歳、2008年まで2期執務)が当選。
(編注;1986年に大ロンドン県が廃止されて以降、大ロンドン庁の政治は中央政府直轄)
●2004年
・米陸軍のリンディ・イングランド上等兵が、イラク兵捕虜を裸にして嘲笑する写真が発覚したことに伴い、軍事法廷が同上等兵に36ヵ月の有罪刑。
(編注;1週間前の4月30日、当時のジョージ・W.・ブッシュ大統領も“米国民として恥ずべき行為”と断罪)
●2010年
・石油大手BPが、1週間前の4月30日にメキシコ湾で発生した、強風で倒壊した原油掘削リグからの原油流失を止めるべく100トンのコンクリート塊を投下。しかし、奏功せず。
・アイスホッケー世界選手権大会で、米代表チームがホスト国ドイツチームとの開幕戦に1対2で惜敗。史上最多の7万7,803人が観戦。
(編注;最終成績は優勝チェコ、準優勝ロシア、3位スウェーデン、ドイツは4位、米国は予選敗退)
●2015年
・英国下院議員総選挙で、予想に反して保守党が大勝し、デービッド・キャメロン党首(53歳、2010~2017年の間、第75代首相として執務)が続投決定。
(編注;2017年6月、同首相が公約に掲げた英国の欧州連合(EU)離脱是非を問う国民投票が実施されたが、予想に反してEU離脱が過半数を占め、同首相は責任を取って辞任)
●2019年
・コロラド州デンバー近郊の高校で2人の高校生による銃乱射事件発生、1人死亡、9人負傷。16歳の主犯アレック・マッキンリーは17の罪で起訴され、判決待ち。もう一人の19歳デボン・エリクソンは実行犯と認定される罪に問われず。
・米連邦捜査局(FBI)のクリス・レイ長官が上院公聴会で、2016年米大統領選でFBIがトランプ陣営の選挙運動に関して違法捜査を行ったとの事実はないと証言。
・2人の『ロイター通信』記者がミャンマーで解放。同地のイスラム系ロヒンギャ族への国軍の虐待事件を報じたために拘束されていたが、大統領恩赦で釈放。
(注1)ジョンズ・ホプキンズ病院:米時事解説誌『US News & World Report』が1991~2011年の間、21年連続で全米1位と評価。新型コロナウィルス感染状況データ集計で知られるジョンズ・ホプキンズ大学の附属の教育病院・生物医学研究施設。
(注2)ディエンビエンフーの戦い:フランス領インドシナ半島で起こった第一次インドシナ戦争最大の戦い。ベトナム・フランス両軍併せて約1万人が戦死。
(注3)エンデバー号:1986年1月のチャレンジャー号の墜落事故による機数減少を受けて、ストックされていたスペアパーツを用い製造された機体。2011年6月の引退までに25回の飛行を行った。
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11月5日付米国
『CNN』は「マイクロソフトが日本で週4日勤務を試験的運用。生産性が40%上昇」との見出しで以下のように報道している。
週4日制を採用する中小企業が増えている。マイクロソフトの試験運用によると、これは大企業にも効果があるようである。日本マイクロソフトは夏に「ワークライフ・チョイスチャレンジ」を実施、8月の毎週金曜を休みにし全社員に有給休暇を与えた。先週の同社発表によると、その結果は期待できるものだった。就業時間は大幅に短縮されたが、生産性(1人あたりの売上)は前年同時期と比べ40%上昇したという。
就業時間を減らしただけでなく、管理職は部下に対し、会議(30分以内とする)やメール対応時間も減らすよう指導、会議自体もオンライン上のメッセ―ジアプリを使用するよう促した。効果は広範囲に及び、90%以上の社員が、新制度で影響を受けたと回答した。毎週早く仕事を切り上げることで、電気など他のリソースの節約にもつながったという。
日本では、時に「過労死」に繋がる場合もあるほどの過重労働問題が深刻な課題となってきた。2015年電通で過労死による自殺が起きた際には世界的に注目された。その2年後も長時間労働で報道記者が亡くなり、上司は死の直前に月159時間残業していたとしている。
この問題への解決法を企業は模索、企業はフレックス制導入をする、企業政府はプレミアムフライデーという制度を導入するなどの対策をしている。マイクロソフトは、今年もう一度、ワークライフバランス向上を図る別の制度の試験導入を予定している。
11月4日付米国『ビジネス・インサイダー』は「日本マイクロソフトが夏に週4日勤務を試験的に導入し、スタッフの生産性4割上昇」との見出しで以下のように報道している。
日本マイクロソフトによると、勤務時間がより短い人の方がより賢い働き方をしているという。同社は今夏、毎週金曜を休みにする週4日勤務を試験導入。出張費やセミナーなどを含む「サポートプログラム」も実施した。
これは4月に同社が発表した、仕事と生活のバランスをフレキシブルに選択できる環境を創ることを目的とするプログラムの一環。先週の同社発表では、制度導入により、多くの興味深い結果が得られたという。昨年比で、勤務日が25%減少、紙での印刷が58%減少、電気消費が23%減少。また、生産性が40%向上した。社員の92%がプログラムに満足しているという。
2016年の政府調査によると、4社に1社が社員に月平均80時間もの残業を求めている。だが、残業は必ずしも仕事で結果を出している訳でない。OECD生産性指標大要によると、日本は生産性においてG7諸国で最下位にランクしている。労働省調べで、民間の大企業で昨年、4日勤務制を導入した企業が6.9%増加、10年前の倍以上となっている。
ここ数年「週4日勤務制」が注目されている。ニュージーランドのある企業(Perpetual Guardian)が4日勤務制度を試験的に導入、社員の幸福度、創造性、勤怠、生産性で向上がみられたという。エコノミストは4日勤務制を導入すると、社員が効率向上に目を向け、ワークライフバランスにより敏感になれるとしている。
2020年の選挙候補バーニー・サンダース氏は、先月のフォーラムで、米国労働者の健康向上のため、勤務時間短縮をキャンペーンで提唱しているとしている。
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