英国メディア、日本在住英国人ジャーナリスト投稿の少子高齢化社会に即応する日本企業称賛記事を掲載(2024/03/31)
3月28日付GLOBALi「
王子製紙、少子高齢化社会に即応して乳幼児用から高齢者用紙オムツ生産に転換」で紹介したとおり、英国メディアが、王子製紙の少子高齢化社会即応のビジネス転換振りについて速報した。そしてこの程、別の英国メディアが、日本在住英国人ジャーナリストによる王子製紙以外の日本のメーカーによる少子高齢化社会即応のビジネス戦略について称賛する記事を掲載している。
3月30日付
『ザ・スペクテイター』(1828年創刊の週刊誌)は、日本在住英国人ジャーナリストが、王子製紙を始めとする日本メーカーによる少子高齢化社会即応のビジネス戦略について称賛する投稿記事を掲載している。
同誌に投稿したのは、フィリップ・パトリック氏で、東京大学の講師も務めるフリージャーナリストである。
同氏は、王子製紙の少子高齢化社会即応のビジネス転換振りに触れた上で、他の日本メーカーによる類似戦略転換を紹介し、英国にはない日本独自の風土・文化の特徴に根付くものと称賛している。...
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3月30日付
『ザ・スペクテイター』(1828年創刊の週刊誌)は、日本在住英国人ジャーナリストが、王子製紙を始めとする日本メーカーによる少子高齢化社会即応のビジネス戦略について称賛する投稿記事を掲載している。
同誌に投稿したのは、フィリップ・パトリック氏で、東京大学の講師も務めるフリージャーナリストである。
同氏は、王子製紙の少子高齢化社会即応のビジネス転換振りに触れた上で、他の日本メーカーによる類似戦略転換を紹介し、英国にはない日本独自の風土・文化の特徴に根付くものと称賛している。
同氏が紹介したのは以下どおり;
● 少子高齢化の実態
・出生数大幅減少に対し、高齢者の総人口に占める割合が増加。具体的には、15歳以下が12%弱に対して、65歳以上が約30%。100歳以上も9万人余り。
・『日経アジア』英文ニュース報道によれば、高齢者による個人消費額は若者世代を上回り、消費全体の40%近くを占めていて、2002年時からほぼ倍増。
・かかる背景より、日本のビジネスでは、ヘルスケア・衛生及びライフスタイルが優先され、TVコマーシャルで、ビタミン剤・サプリメント・エナジードリンク・歯のホワイトニング・足温器具・女性用ヘアピース等の広告が増加。
● 王子製紙
・直近10年で、高齢者用オムツ等の売り上げが乳幼児用を上回っている事態に即応して、乳幼児用紙オムツ生産を止め、高齢者用に特化すると決定。
● 富士通
・ボタンが大きく機能がシンプルなスマートフォン「らくらく」・「あんしん」を2千万台販売。
・AI装備の車椅子や、徘徊する認知症患者に装着して位置情報が確認できる電子追跡装置アプリも開発。
● TOTO
・温水便座、便座自動昇降、セルフクリーニング等を標準装備化。
● 失敗例
・介護用ロボット開発。ジェームズ・ライト氏が、「ロボットは日本を救わない;高齢者介護オートメーションの民族誌」(2023年発刊)で触れているとおり、過去20年間で2億3,800万ポンド(約455億円)も投じたのに、現状は高齢者に金銭的負担増を強いる結果。
・そこで日本政府は止む無く、介護従事用の移民を受け入れるべく移民規制を緩和。
● 日本の特性
・数々の偶発的災害に見舞われてきている日本にとって、厳しい現実を受け入れた上で、新しい現実に対応するために「改善」し、開発していくことが重要。
・従って、日本のメーカーは、マーケティング戦略や生産戦略の大きな転換にもチャレンジしていくことに長けていると評価されるが、英国企業では中々難しいと判断。
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英研究:楽器演奏が高齢者の脳に好影響(2024/01/29)
楽器演奏が高齢の脳に、「記憶や問題解決能力等の側面で良い効果がある」とする研究が28日発表された。
1月28日付
『Yahooニュース』(英BBC):「高齢者の楽器演奏は脳の健康に吉」:
イギリスの研究によると、楽器演奏や歌唱が高齢者の脳の健康維持に効果があるという。
「高齢者精神医学の国際ジャーナル」で発表された報告書では、「音楽を脳の機能を維持するための生活環境アプローチとして活用すべき」だと述べてられている。
エクセター大学の研究では、脳のエイジングや認知症に関する研究の一貫として、40歳以上、平均年齢68歳となる1100人超を対象とし参加者の脳機能データを観測。...
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1月28日付
『Yahooニュース』(英BBC):「高齢者の楽器演奏は脳の健康に吉」:
イギリスの研究によると、楽器演奏や歌唱が高齢者の脳の健康維持に効果があるという。
「高齢者精神医学の国際ジャーナル」で発表された報告書では、「音楽を脳の機能を維持するための生活環境アプローチとして活用すべき」だと述べてられている。
エクセター大学の研究では、脳のエイジングや認知症に関する研究の一貫として、40歳以上、平均年齢68歳となる1100人超を対象とし参加者の脳機能データを観測。楽器演奏や歌唱、読書、音楽鑑賞、音楽的能力の影響を調査した。音楽に何らかの関わりのある生活を送ってきた被験者グループと全く関わりのないグループの認知データを比較した。
その結果、活動に複数の認知要素が求められる楽器演奏経験者で最も高い効果がみられたという。楽器の種類では、ピアノやキーボードが特に効果的であり、金管楽器や木管楽器も一定の効果があるとの結果となった。ただ音楽を聞き流すだけでは認知機能への効果は薄いとみられるが、歌唱ではコーラス・グループへの所属等、社会的側面による効果はみられた。
認知症研究者で筆頭著者のアン・コーベット教授は、「我々の研究は脳機能検査を使い、短期記憶や長期記憶、問題解決能力や楽器演奏経験の影響等、多方面の研究が可能となった。その結果、「楽器演奏が特に効果的で、高齢になっても継続して演奏している人により効果が見られた」としている。
また、「脳は他の筋肉と同じで、運動が欠かせない」ことから、新たな言語を学ぶように脳にとりチャレンジングな「楽譜を定期的に読む人は数学的記憶がより優れている」という。
この研究では、高齢になり音楽の趣味を始めた人は対象としていないが、現在のエビデンスに基づくと非常に効果があると予測される。
認知症支援団体「認知症UK」は、「認知症で他の能力やコミュニケーション力が途絶えた人でも、歌唱や演奏の継続を促すのは効果的だろう」としている。
同日付米『UPI』:「英研究、楽器演奏が高齢者の脳に与える効用」:
楽器演奏が高齢の脳に、「記憶や問題解決能力等の側面で良い効果がある」とする英国の研究が28日発表された。
10年単位で2.5万人を対象とした「PROTECT認知症研究」の一環として、40歳以上千人のデータを分析したところ、楽器演奏経験と、記憶や問題解決能力などの高次脳機能との関連性が認められたという。
PROTECT研究は、エクスター大学とキングズカレッジロンドン、国民保健サービス(NHS)との共同研究として行われている。
研究チームは参加者の「音楽との関わりレベル」と「認知検査結果」を比較。音楽への関わりが認知の衰えを緩やかにする効果があることを突き止めた。
歌を歌う行為も脳の健康との関係もみられたが、社会的に活動的である点以外の特定の効果は確認できなかったという。
ニュースリリースで認知研究者アン・コーベット氏は、脳の健康と音楽の影響を扱った研究は今回が初めてではないが、PROTECTのデータは、認知機能と音楽の大規模研究としては前例のないものだとし、多くのエビデンスから、高齢者への積極的な脳健康促進として、「音楽トレーニング」を取り入れることも提案している。
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