8月24日日中韓三ヶ国外相会議が2015年3月以来約1年半ぶりに開催された。8月に中国の公船が尖閣諸島周辺の領海侵入を繰り返したことから予定通り開催されるか心配されたが、何とか開催に漕ぎ着けた。中国の王毅外相は2013年の就任以来初来日である。24日午前北朝鮮が潜水艦ミサイルの発射実験を行ったため、3各国は対北朝鮮問題で連携強化することで一致した。また今年日本で開催予定の三ヶ国首脳会議の開催へ協力することを確認した。海外メディアの報道ぶりを紹介する。
8月24日付
『USニューズ&ワールドレポート』(AP通信引用)は、「日中韓、北朝鮮ミサイル非難で一致」という見出しで、中日韓の外相が水曜日北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を激しく抗議することで、三国間では珍しい合意形成が出来たと報じた。三ヶ国は領土問題や戦争中の歴史問題を含め多くの争いを抱えており、三ヶ国外相会議は日中間の領土問題による2年間の中断後昨年再開されたばかりである。日中間は東シナ海の島と海底ガス開発で引き続き緊張関係にあり、また韓国が米国のミサイル防衛システム配備を承認したため、中国側が安全保障への脅威であると反対しており、中韓間にも綻びが生じている。今回の会議では、明らかに災害予防、環境など対立が少ない問題に焦点があてられた模様であると報じている。
8月24日付
『ブルームバーグポリティクス』は、「来月G20時の習安倍首脳会議へのドアは半開きと中国語る」という見出しで、中国の王毅外相は水曜日日本が要請している日中首脳会議は検討中であり、両国が開催に向け雰囲気作りをしなければならないと日中韓三ヶ国外相会議の後開催された日中外相会議後に記者団に語ったと報じた。王毅外相は、現在日中間には困難な課題とチャンスが並存しており、あたかも潮流に逆らう船のようで前進も後退もあり得るとも語ったと報じている。
8月25日付中国の
『チャイナデイリー』は、「王毅外相:中国は日本がG20首脳会議で建設的な役割を担うことを歓迎する」という見出しで、王毅外相が、三ヶ国外相会議後安倍首相と会談した際に語ったと報じた。王毅外相はまた、三ヶ国がそれぞれ二国間で障害に直面している時期に三ヶ国協調を基調とすることに合意出来たこと、協力は政治、経済、貿易、文化の四分野で行われるべきだとの提案を行ったことを語った。王毅外相は滞日中に二階自民党幹事長、河野元衆院議長、福田元首相とも会談し、二階幹事長に対しては、日中関係は前進も後退もあり得ると語ったと報じている。
8月25日付韓国の英文版
『朝鮮日報』は、「韓中日三ヶ国首脳会議東京で開催へ」という見出しで、韓中日三ヶ国は首脳会議を今年中に東京で開催することに合意したと報じた。朴大統領、習主席にとって共に就任以来初めての訪日になる。三ヶ国はまた北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を非難したこと、韓中間でミサイル防衛システム配備についての応酬があったことも報じている。
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米政府は北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)国務委員長を、人権侵害問題を名目として制裁対象に指定した。経済的制裁により米国領内の資産凍結や米国との経済取引が制限される。米国が人権侵害理由で人物に制裁を措置を出すのは初めて。金委員長以外にも、強制労働施設や諜報機関を管轄する政府機関及び高官らもブラックリスト入りしている。
この米国の制裁に対し、北は強固な声明で反応し、米国に制裁措置の即時撤回を要求、さもなければ残る外交手段もすべて断ち切るとしており両国関係の悪化が懸念される。
7月7日付米
『VOA』は、「北朝鮮:米の制裁は宣戦布告」との見出しで次のように報じている。
・水曜米国は、金正恩氏他10名及び5名の省や省長を人権侵害を理由に初めてブラックリストに指定。米財務省アダム・ズービン テロ・金融犯罪担当次官は「キム政権下で国民は裁判なしの死刑、強制労働、虐待等の残虐行為と苦痛を負わされている」と声明。
・米国による制裁を北朝鮮の金朝鮮労働党委員長は「宣戦布告」同等だとし、この「過去最高の敵意ある行動」に対して報復的措置をとると宣言し、制裁の撤回を要求、撤回しなければあらゆる外交手段を絶つと警告。...
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7月7日付米
『VOA』は、「北朝鮮:米の制裁は宣戦布告」との見出しで次のように報じている。
・水曜米国は、金正恩氏他10名及び5名の省や省長を人権侵害を理由に初めてブラックリストに指定。米財務省アダム・ズービン テロ・金融犯罪担当次官は「キム政権下で国民は裁判なしの死刑、強制労働、虐待等の残虐行為と苦痛を負わされている」と声明。
・米国による制裁を北朝鮮の金朝鮮労働党委員長は「宣戦布告」同等だとし、この「過去最高の敵意ある行動」に対して報復的措置をとると宣言し、制裁の撤回を要求、撤回しなければあらゆる外交手段を絶つと警告。
・韓国は米の制裁を「世界一の圧政下」にある北の人権侵害に光にあてるものとして好意的に受け止めている。
同日付米
『USAトゥディ』は「北朝鮮:人権理由の米制裁は宣戦布告」との見出しで次のように報道している。
・米国務省の報告書によると、北の政治犯やその親族8万~12万人を収容する複数の政治犯収容所では虐待が横行。強制労働制度も慣行されており、表現、宗教、移動の自由が制限されている。制裁によりキム氏らの資産や経済活動に制限が設けられる。
7月8日付韓国
『KBS』は次の様に報道している。
・北朝鮮外務省は木曜夜、米は「一線を超えた」、人権侵害名目の制裁により最高主導者を侮辱した、両国の問題は法で解決される等と声明。制裁は宣戦布告に等しく、北最高責任者の威厳を傷つける最悪の事態に達した。最高級の措置で米の敵意に対抗するとの構えを示した。
・また、米国務省による人権状況に関する報告書は捏造されたもので、制裁決定を下すのにふさわしくないと主張。制裁は米が北の急速な核開発技術にあせっている現れだと述べている。
・ジョン・ケリー米国務長官は、北は今後の出方を見極めるべきとし、北の抑止力としての韓国の役割も強調。
7月7日付中国
『チャイナデイリー』(AP通信)は「米は北の金正恩他を制裁」との見出しで以下の様に報道している。
・北朝鮮に核開発を理由に既に重い制裁が課せられているが、キム氏本人に制裁が課せられたのは初。北高官も人権侵害関連でブラックリスト入り。米当局ズービン氏は制裁を「抑止のための決意」と表現した。
・政治犯収容所を管轄する国家保安省の高官らと、警察署、尋問所、労働収容所を運営する人民保安部をブラックリストに認定。人民保安部のチェプルトニウム氏、外国でのスパイ活動の嫌疑のある調査局局長のチェ・チャンポン氏、韓国への侵入活動を行ったとされている偵察局のチョイル氏。
・1月の北の核実験後、2月にオバマ政権は議会の要請もあり、強硬な経済的制裁案を可決。
同日付中国
『人民日報』は次の様に報道している。
・制裁措置により、当該者の米国管轄下の資産は凍結。当該者と米国市民間の商取引は禁止。米財務省はこれまで既に北朝鮮の4個人、3機関を制裁措置としている。
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