ロシア;NATOによる後方支援で勢いを増すウクライナ軍を恐れてか、初めて首都モスクワで対空防衛訓練【米・ロシアメディア】(2023/01/23)
ロシアがウクライナに軍事侵攻して11ヵ月が過ぎようとしている。ロシアは短期決戦で制圧できると踏んでいたから、大変な思い違いである。そして、北大西洋条約機構(NATO、1949年設立)加盟国から、第3局面とされる戦車等実戦兵器の提供が増えるに連れて、ロシアとしても戦況拡大を懸念せざるを得ず、いよいよ首都モスクワにおける対空攻撃に備えて初めて防衛訓練を実施している。
1月21日付米」
『ニューヨーク・ポスト』紙(1801年創刊の保守系メディア)は、「ロシア、ドイツ製戦車のウクライナへの提供が協議される中、首都モスクワで対空防衛訓練実施」と題して、ドイツを含めたNATO加盟国がウクライナ軍に更なる兵器提供を実施していることから、ロシアとしても首都攻撃の可能性を懸念して、ウクライナ軍事侵攻以来初めてモスクワでの対空防衛訓練を実施したと報じている。
ロシアは1月21日、首都モスクワで初めて対空防衛訓練を実施した。...
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1月21日付米」
『ニューヨーク・ポスト』紙(1801年創刊の保守系メディア)は、「ロシア、ドイツ製戦車のウクライナへの提供が協議される中、首都モスクワで対空防衛訓練実施」と題して、ドイツを含めたNATO加盟国がウクライナ軍に更なる兵器提供を実施していることから、ロシアとしても首都攻撃の可能性を懸念して、ウクライナ軍事侵攻以来初めてモスクワでの対空防衛訓練を実施したと報じている。
ロシアは1月21日、首都モスクワで初めて対空防衛訓練を実施した。
NATO加盟国がこの程、ドイツ製最新鋭戦車のウクライナ軍への提供の可能性について討議しているのに鑑み、ウクライナ軍による首都への攻撃の恐れを懸念した表れとみられる。
ロシア国防省は、“西部軍管区(WMD、注1後記)のミサイル防衛大隊が、首都圏の重要な軍事施設及び司令部への空爆に備え、兵士150人及びS-300長距離地対空ミサイルシステムを投入して対空防衛訓練を実施した”と発表している。
ただ、訓練地については“モスクワ地区”としただけで、具体的な場所は明かしていない。
『モスクワ・タイムズ』紙(1992年創刊の独立系英字紙)によると、ロシア政府は、首都が攻撃を受けると懸念しているのかとの質問への回答を拒否したという。
ロシアが11ヵ月前にウクライナに軍事侵攻して以来、ウクライナ軍のものと思われる無人攻撃機によってロシア領土内の軍事施設が何度か攻撃され、核兵器搭載可能な爆撃機が損傷したりしていたが、これまでロシア領土内で大規模攻撃を受けたことはない。
一方、ドミトリー・メドベージェフ元大統領(57歳、2008~2012年在任、2020年ロシア安全保障会議副議長就任)は1月21日、“ウクロナチス(注2後記)や西欧諸国がロシアと戦闘しようとしている”とし、“しかし、ロシアはかつて1812年にナポレオン軍を、また1945年にはナチス・ヒトラー軍を打ち破ったように、今回も我々が勝利する”とツイートしている。
同氏はこのツイート前の1月19日、“通常戦力による核保有国の敗北は、核戦争の引き金になる可能性がある”と、欧米を牽制する脅しと取られる発言をしている。
同氏は同時に、ダボス(スイス)で開催されていた世界経済フォーラム(WEF、注3後記)に出席した多くの政財界幹部が、ロシアを打ち負かすためにもっと戦車等の武器をウクライナに送るべきだと発言していることに対して、嘲笑うコメントもしている。
なお、同氏が1月21日にツイートした前日に、ウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相(55歳、2021年就任)が、ドイツ西南部のラムシュタイン米空軍基地で開催されたNATO加盟国国防相会議において、西側諸国から更にウクライナに武器を提供するよう直訴していた。
同日付ロシア『タス通信』(1902年前身設立)は、「国防省、S-300地対空ミサイルを投入してモスクワ近郊で対空防衛訓練実施と発表」と詳報している。
ロシア国防省は1月21日の公式ウェブサイト上で、S-300地対空ミサイルシステム含め30以上の武器及び150人以上の将兵を投入して、モスクワ地域における対空攻撃防衛訓練を実施したと発表した。
同省によると、同ミサイルシステムが配置された作戦地帯に将兵が集結し、装甲車編隊搭乗の仮想敵を撃退したという。
なお、今回の訓練は、モスクワ地域の重要な軍事施設・作戦本部等への攻撃を防御するために実施されたものだとする。
(注1)WMD:ロシア連邦軍の西部における軍管区。従来のモスクワ軍管区、レニングラード軍管区、北方艦隊、バルト艦隊(カリーニングラード特別区を含む)を統合して、2010年9月に発足。司令部はサンクトペテルブルクに所在。
(注2)ウクロナチス:ウクライナのナチスを意味する造語。特にロシア軍と敵対するウクライナ人を攻撃的に呼称するロシアの俗語。
(注3)WEF:経済、政治、学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関。1971年に経済学者クラウス・シュワブにより設立された。独立かつ非営利団体であるとされている。
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プーチン批判の著名人がまたしても不審死【米・インドメディア】(2022/12/27)
12月27日付米
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース(2006年設立)は、「プーチン批判の大物政治家がインドのホテルで不審死」と題して、滞在中のインドのホテルで、一緒に旅行していたプーチン批判の2人の政治家が立て続けに不審死を遂げていると報じた。
ウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)のウクライナ軍事侵攻を公然と批判していた大物政治家が12月24日、滞在中のインドのホテルで不審死を遂げた。...
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12月27日付米
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース(2006年設立)は、「プーチン批判の大物政治家がインドのホテルで不審死」と題して、滞在中のインドのホテルで、一緒に旅行していたプーチン批判の2人の政治家が立て続けに不審死を遂げていると報じた。
ウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)のウクライナ軍事侵攻を公然と批判していた大物政治家が12月24日、滞在中のインドのホテルで不審死を遂げた。
パベル・アントフ議員(65歳、2019年就任の国家院議員)で、ソーセージ販売会社を営む富豪政治家で、休暇で訪れていたインド東端オディシャ州ラヤガダのホテルの3階の窓から“不審な”転落をして死亡した。
英国メディア『ザ・テレグラフ』紙報道によると、同議員はホテル前庭のプール側で血を流して死んでいるのが発見されたという。
同紙は、地元メディアが警察関係者から聴いた話として、同じホテルで数日前に一緒に滞在していた同僚議員の突然死を悔やんで自殺したとの見立ては疑わしいと報じている。
12月22日に死亡したのはウラジーミル・ブダノフ議員(61歳)で、1階の自室で死んでいるのが発見されている。
死因は心臓発作とされているが、自室内には空のワイン瓶が複数本転がっていたという。
西ベンガル州コルカタ駐在のアレクセイ・イダムキン総領事が、ロシア国営メディア『タス通信』に宛てた声明によると、“アントフ議員は窓から転落したと聞いているが、原因等詳細についてオディシャ州警察の捜査報告を待っているところだ”としている。
プーチン批判で知られる同議員は今年6月、ウクライナの戦闘で犠牲になっている住民らについて触れ、“これはテロ行為以外の何物でもない”とSNSに投稿していた。
しかし、その後に猛批判を恐れたアントフ議員は当該投稿を削除し、“不幸な勘違い”であったと言及している。
この事件を受けて、SNS上では、“うかつに窓に近づくべきではない、ということがまたしてもパベル・アントフによって証明された”とツイートされている。
その上で、“似たような事案が余りに多過ぎて、今や数を正確に数えられない”と言及されている。
同日付インド『ザ・ヒンダスタン・タイムズ』紙(1924年創刊の英字紙)は、「ロシア人政治家パベル・アントフ氏、オディシャのホテルで死亡」と詳報している。
パベル・アントフ氏が、オディシャ州ラヤガダのホテルで2日前に急死したウラジーミル・
ブダノフ氏に続いて死亡しているのが発見された。
同氏は、65歳の誕生日を祝うためもあって、同ホテルに他の同行者とともに滞在していた。
捜査に当たっている地元警察のビブカナンダ・シャルマ署長は、同氏の遺体は12月25日に発見されていて、遺族の了承を得て12月26日に荼毘に付したと述べている。
ロシア『タス通信』報道によると、アントフ氏の同僚であるヤチェスラフ・カルトゥキン副議長は同氏の急死を知って、“私の同僚であり、功成り名を遂げた実業家・慈善家であるアントフ氏の死を、ロシア議会の議員らを代表して追悼したい”とSNS上に投稿したという。
また、ウラジーミル・キセリョフ議長も、“大変な逸材を失ってしまった”と投稿しているという。
シャルマ署長によると、“アントフ氏一行の4人は、同ホテルに12月21日にチェックインしているが、ブダノフ氏が心臓発作で12月22日に亡くなった”とし、“アントフ氏は同僚の死亡にショックを受けていたところ、今度は同氏が12月25日に死亡しているのが発見された”と言及した。
一方、随行していたロシア人ツーリストのガイドは、“チェックイン当日、ブダノフ氏は体調が優れなかったが、翌朝に自室で意識不明の状態で発見されたので、即刻警察を呼んだ”と証言している。
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