Amazonが全国規模のオンライン薬局を買収、ドラッグストア株価急落(2018/06/29)
【29日付
『タイムズ』『シカコ・サン・タイムズ』など】 待望の薬局業界への参入を目指し、アマゾンがオンライン薬局ピル・パック(PillPack)を買収することが28日、発表された。このニュースを受け、シー・ヴィー・エス(CVS)、ウォルグリーンズ、ライトエイドなど米国ドラッグストアの株式が急落し、業界を動揺させている。
ボストンに本拠を置き創業間もないピル・パックは、主に複数の医薬品を服用する顧客を対象としている。同社は月単位で、投与量ごとに事前に選別・個装された処方薬と市販薬を全国の顧客宅に直接送付することで、配送を合理化している。医師や保険会社と協力し、顧客に代わって再処方と保険適用を管理できることが強みである。これを可能とするため、同社は全米50州すべてで薬局ライセンスを保有し、独自の製薬ソフトを開発し、メディケアのパートD(処方箋をカバーする保険)を含むほとんどの薬剤給付管理が可能であることが、アマゾンの目を引いた。...
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ボストンに本拠を置き創業間もないピル・パックは、主に複数の医薬品を服用する顧客を対象としている。同社は月単位で、投与量ごとに事前に選別・個装された処方薬と市販薬を全国の顧客宅に直接送付することで、配送を合理化している。医師や保険会社と協力し、顧客に代わって再処方と保険適用を管理できることが強みである。これを可能とするため、同社は全米50州すべてで薬局ライセンスを保有し、独自の製薬ソフトを開発し、メディケアのパートD(処方箋をカバーする保険)を含むほとんどの薬剤給付管理が可能であることが、アマゾンの目を引いた。
ピル・パックはベンチャーキャピタルから1億1,800万ドルを調達し、時価3億6000万ドルと評価されている。2017年の収益は1億ドル弱で、約4万人の顧客がいるという。
ピル・パックとアマゾンは、買収条件の詳細は明かさなかったものの、2018年後半に買収を成立させたい考えだ。アマゾンはピル・パックに約10億ドルを支払うとみられている。ウォルマートが同様の金額でピル・パック買収を4月に検討していた。
アマゾンのワールドワイド・コンシューマー担当ジェフ・ウィルケCEOは、声明のなかで次のように述べた。「ピル・パックは、薬局における豊富な経験とテクノロジー重視の双方を有している。顧客の生活を大きく改善し、我々もピル・パックが人々の時間を節約し、生活を簡素化し、より健康に感じられるよう、できることがしたい。顧客のために一緒に何ができるが楽しみだ。」
このニュースは、長い間アマゾンの参入を恐れてきたドラッグストア業界を混乱させた。CNBCによると、シー・ヴィー・エス、ウォルグリーンズ、ライトエイドの株式は、28日に急落し、総額128億ドルの損失となった。
ブルームバーグによると、ウォールグリーンのステファノ・ペッシーナのCEOは電話会議に応じ、「これはアマゾンによる業界参入意向の宣言である」と述べた。
アマゾンによるピル・パック買収は、同社のヘルスケア部門への参入という大きな流れを築く。今年初め、アマゾンはバークシャー・ハサウェイとJPモルガン・チェースとともに、三社合わせて100万人以上いる従業員の保健医療に取り組む無名のベンチャー設立を発表し、ヘルスケア部門に関心があることを示していた。ベンチャーの詳細は不透明なままであるが、三社は先週、著名な外科医および公衆衛生の専門家のアトゥール・ゴワンデをCEOに起用することを発表した。
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スイス、公共放送受信料廃止を問う国民投票で廃止反対派が勝利(2018/03/05)
3月4日、公共放送の受信料廃止を問う国民投票がスイスで行われた。受信料の廃止についてスイスの中で数週間の間議論が活発に行われたが、今回の投票は参加率が54%に上り、受信料廃止反対が71,6%、という結果になった。国民の意思がはっきりと表明された。
約6,000人の従業員を抱えるスイス公共放送は、「ビラグ(Billag)」と呼ばれる年間受信料が全収入の75%を占め、残りの25%を広告収入から得ている。公共サービスを提供している21のラジオ局と13の地方テレビ放送局もそれから恩恵を受けている。受信料廃止となった場合は、公共放送サービスは継続されなくなるとされていた。
しかし、今回の投票の結果により、4カ国語(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)で放送されるラジオやテレビ放送サービスが維持され、直接雇用だけでなく間接雇用を含むと合計約13,500人の従業員の職が守られたことになる。...
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約6,000人の従業員を抱えるスイス公共放送は、「ビラグ(Billag)」と呼ばれる年間受信料が全収入の75%を占め、残りの25%を広告収入から得ている。公共サービスを提供している21のラジオ局と13の地方テレビ放送局もそれから恩恵を受けている。受信料廃止となった場合は、公共放送サービスは継続されなくなるとされていた。
しかし、今回の投票の結果により、4カ国語(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)で放送されるラジオやテレビ放送サービスが維持され、直接雇用だけでなく間接雇用を含むと合計約13,500人の従業員の職が守られたことになる。
スイスの受信料は1世帯につき年間392ユーロ(約5万円)で、ヨーロッパでは最も高い受信料の一つである。ドイツの216ユーロ、フランスの138ユーロに比べてもはるかに高い。しかし、スイス公共放送協会(SRG SSR)は、会長のジャン・ミシェル・シーナが投票前に約束していたとおり、80万スイスフラン(約90億円)のコスト削減をこれから行なっていかなければならない。また2019年には、受信料が365フラン(319ユーロ)に減額されることなる。反面、テレビやラジオを持っていない場合でもインターネットで視聴できるからという理由により、全ての国民が支払うことになる。
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