米国大統領選挙に向けて、今週、民主党による全国党大会が開かれており、その3日目バラク・オバマ前大統領がオンラインでの演説で、トランプ大統領は、「注目を集めるため職務を利用している」等と批判している。
8月19日付米国
『シカゴ・トリビューン』は「民主党大会の演説で オバマは “トランプは大統領職をリアリティショーにしている”と批判」との見出しで以下のように報道している。
水曜夜、遠隔で行われた民主党大会で、バラク・オバマ元大統領がトランプ大統領を酷評。大統領職を注目を得るための「リアリティショーにしている」とした。
オバマ氏はフィラデルフィアの米革命博物館からオンラインで演説。トランプは、「仕事を真剣にやらず、パンデミックで多くの死者を出す失敗をしている。雇用、経済は失墜し、世界での米国の地位も下げた」等と述べ、大統領交代後、最も厳しい言葉で批判した。
このような批判に備えトランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で、オバマ氏を「無能で酷い大統領」、「オバマやバイデンがいなかったら私は大統領になっていなかった」等と批判した。
演説でオバマ氏は国民に向かって、「米国の民主主義を壊そうとしている政権から、今危機に瀕する民主主義を立て直さねばならない。」、「ジョーとカマラに投票する事で、国民としての責務を果たして欲しい」等と訴えた。
過去数ヶ月間同氏は公にコロナ対策などで、トランプ大統領を酷評している。
同日付米国『ABC11』(AP通信引用)は「民主党大会2020:バラク・オバマがトランプを酷評、民主主義が危機に瀕していると警告」との見出しで以下のように報道している。
民主党大会の演説で、バラク・オバマ前大統領が、現職のトランプ大統領を「危機下にありながら、国をリードする仕事をせず、注目を得るため、大統領職を利用している」等と鋭く批判した。
それでも現職のトランプ氏よりは控えめな批判だが、トランプ個人を直接的に批判するこの発言は、米国の民主主義にとり脅威であるとの危機感から発せられたものである。
演説は一貫して、不安で疲れた国民、政府に不満を持つ人々、特に若い世代に対し、行動を呼びかけるものとなった。
民主党員はオバマを経済や国内政策を転換するための2020年の選挙への架け橋と見ている。
オバマの政治的躍進は、障壁を取り除き、世代を変え、新たな血を政治に迎えたことにあった。同氏は今年の予備選では、世界の問題の多くは、「高齢の古株が退かないことにある」としている。
また、若者有権者、特に黒人の熱意を懸念。トランプ氏が2016年に当選した背景には、黒人有権者が投票しなかったことが大きな要因だと思っているのだ。
数字上でもオバマ氏は民主党員、そして全国民の間で明らかに人気がある。
5月のFoxニュース世論調査によると、民主党員の93%がオバマに好意的な意見を持つと回答、全有権者の63%が同様の回答をしている。
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中国国営メディアの一社が、中国プロパガンダ喧伝のため、米紙に対してこれまでに1,900万ドル(約20億5千万円)近くも拠出していたことが判明した。これは、米連邦「外国代理人登録法(FARA、注1後記)」に基づいて、同メディアが米司法省宛に直近で提出した報告書より明らかになったものである。
6月9日付
『ザ・デイリィ・コーラー』保守系オンラインニュース:「中国のプロパガンダ放送局、米紙に総額1,900万ドル拠出」
中国国営メディアの一社が、プロパガンダ喧伝のため、複数の米紙宛に直近4年間で、総額1,900万ドル近くの報酬を支払っていたことが判明した。
中国共産党運営の英字紙『チャイナ・デイリィ』で、FARAに基づいて直近の活動内容を報告するために司法省に提出した報告書で明らかになったものである。...
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6月9日付
『ザ・デイリィ・コーラー』保守系オンラインニュース:「中国のプロパガンダ放送局、米紙に総額1,900万ドル拠出」
中国国営メディアの一社が、プロパガンダ喧伝のため、複数の米紙宛に直近4年間で、総額1,900万ドル近くの報酬を支払っていたことが判明した。
中国共産党運営の英字紙『チャイナ・デイリィ』で、FARAに基づいて直近の活動内容を報告するために司法省に提出した報告書で明らかになったものである。
それによると、2016年11月以降2020年4月までの間、『ワシントン・ポスト』紙に460万ドル(約4億9,700万円)余り、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙には600万ドル(約6億4,800万円)近くが支払われている。
両紙は、当該報酬の見返りとして、『チャイナ・デイリィ』紙が投稿した“チャイナ・ウォッチ”なる記事を本紙の中に綴じ込み、中国プロパガンダ喧伝に一役買っていた。
例えば、2018年9月から“一帯一路経済圏構想でアフリカ諸国と連携”とのタイトルの記事を挿入し、習近平(シー・チンピン)国家主席が推す同構想を宣伝した。
また、昨年に挿入した“関税賦課で米住宅が割高に”という記事では、米政府が中国産木材に関税を賦課することによって、結局米市民に関税分の追加負担のしわ寄せがいくとアピールした。
更に、他紙には広告掲載料として、『ニューヨーク・タイムズ』紙(5万ドル、約540万円)、『フォリン・ポリシー(ワシントンDC)』紙(24万ドル、約2,590万円)、『デモイン・レジスター(アイオワ州)』紙(3万4,600ドル、約374万円)、『CQロール・コール(ワシントンDC)』紙(7万6千ドル、約820万円)宛にも支払っている。
また、『ロスアンゼルス・タイムズ』紙(65万7,523ドル、約7,100万円)初め、『シアトル・タイムズ』紙、『アトランタ・ジャーナル=コンスティテューション』紙、『シカゴ・トリビューン』紙、『ヒューストン・クロニクル』紙、『ボストン・グローブ』紙にも、記事の掲載や投稿記事印刷費用として、合計760万ドル(約8億2,100万円)の報酬を支払っている。
以上のとおり、当該報告書から分かることは、米紙に対して総額1,860万ドル(約20億900万円)、ツイッターでの宣伝費用26万5,822ドル(約2,870万円)の報酬を支払っていたことである。
今回の報告書提出は、司法省が『チャイナ・デイリィ』紙に対して何年もの間、FARAに基づいて米国における活動報告を半年に一度提出するよう求めてきた結果、この程漸く同紙が6月1日付で提出してきたものである。
なお、米国の民主活動グループはこれまで長い間、中国政府が米メディア網を駆使してプロパガンダを喧伝していると警鐘を鳴らしてきた。
フリーダム・ハウス(注2後記)及びフーバー研究所(注3後記)は特に、『チャイナ・デイリィ』紙投稿の記事によって、米メディアへの影響力駆使に努めていると警戒を強めている。
また、最近でも、『チャイナ・デイリィ』紙初め中国国営メディアが、挙って中国政府擁護に注力している。
すなわち、新型コロナウィルス感染問題で、中国政府が米国や他西側諸国より厳しく責任追及されていることから、政府高官の意を酌んで、批判の芽を逸らさせようと躍起になっている。
(注1)FARA:1938年に可決された米国の法律で、「政治的または準政治的権能を持つ」外国勢力の利益を代表するエージェント(外国のエージェント)が、その外国政府との関係及び活動内容や財政内容に関する情報を開示することを義務付けたもの。目的は、「米国政府と米国民による、外国勢力の発言と活動の評価」を容易にすること。司法省の国家安全保障局のスパイ対策室のFARA登録ユニットによって管理されている。
(注2)フリーダム・ハウス:ワシントンDCに本部を置く国際NGO団体で、1941年にナチス・ドイツに対抗して、自由と民主主義を監視する機関として設立。毎年193の国と地域に関して、「自由度や人権状況」、「報道の自由度調査」、「インターネットの自由度ランキング」のレポート等を公開している。
(注3)フーバー研究所:1919年に、後の大統領でスタンフォード大学(1885年創立、カリフォルニア州私立大学)卒業生のハーバート・フーバー(1874~1964年、第31代大統領)が大学内部に創設した、公共政策シンクタンク。同研究所はスタンフォード大学の敷地内にあるものの、同大学に付属する研究・教育機関ではない。
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