米・中両大国、外交政策で大きな違い-片や国内優先、こなた積極外交戦略【米・英国メディア】(2018/02/09)
米・中両大国は、経済・軍事面でお互いを相当意識している。ただ、トランプ政権は、“米国第一主義”を掲げるとおり、海外支援含めた外交関連予算を大きく絞ろうとしている。一方、習政権は、かつての米国のお株を奪うように、金融システムや自由貿易における覇者となるべく、特に対外政策に積極的に出てきている。また、個人の好みの差、また、就任期間の差もあるかも知れないが、トランプ大統領はまだ一度も南米やアフリカを訪問していないのに対して、習国家主席は既に複数回訪問して影響力を高めている。
2月9日付米
『ザ・クォーツ』誌:「米・中両国、外交政策見直しするも方向は全く正反対」
米・中両大国は、それぞれ外交や海外支援政策を見直しつつあるが、向かう方向は正反対とみられる。
今週の
『ブルームバーグ』オンラインニュース報道によると、中国政府は、これまで何年も最弱と言われてきた外交部(省に相当)をテコ入れして、海外における中国のプレゼンス最大化のためにもっと重要な役割を演じさせるようにするという。...
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2月9日付米
『ザ・クォーツ』誌:「米・中両国、外交政策見直しするも方向は全く正反対」
米・中両大国は、それぞれ外交や海外支援政策を見直しつつあるが、向かう方向は正反対とみられる。
今週の
『ブルームバーグ』オンラインニュース報道によると、中国政府は、これまで何年も最弱と言われてきた外交部(省に相当)をテコ入れして、海外における中国のプレゼンス最大化のためにもっと重要な役割を演じさせるようにするという。
特に、昨年10月に2期目を迎えた習近平(シー・チンピン)国家主席は、“新しい時代”に入った中国として、今後もっと総合的な外交政策を構築・展開させていくと決断したとする。
具体的には、これまで中国外交のトップであった楊潔篪(ヤン・チエチー、67歳)国務委員が、昨年10月の党大会において、初めて中国中央政治局員(25人からなる中央政府最高決定機関)に昇格している。
そして、昨年中国は、外交部門の予算を540億人民元(78億ドル、約8,500億円)としたが、これは5年前より60%増となっている。
一方、これに対してドナルド・トランプ大統領は、“米国第一主義”の号令の下、昨年3月に発表した2018年予算案では、外交・海外支援政策で約30%の歳費削減をするとしている。
そして、中国政府の動きと対照的に、トランプ政権では、何人もの幹部外交官が辞任したり、また、その他重要部門の幹部が空席のままとなっている。
更に、トランプ大統領とレックス・ティラーソン国務長官との意見の相違、例えば、北朝鮮政策、イラン核合意、パリ協定(気候変動対策)などで対立が取り沙汰されている。
但し、米議会は外交政策の重要性を十分認識している模様で、リンゼー・グラハム上院議員(上院外交委員会委員長)が中心になって昨年9月、トランプ大統領が上げた予算額を大幅に上回る、510億ドル(約5兆6,000億円)の国務省予算を承認している。
一方、同日付英
『ザ・ガーディアン』紙:「トランプ大統領が南米を悪意を持って無視しているのに対して、中国は虎視眈々と進出機会を狙う」
トランプ大統領は、南米の国に対して“野外便所”と蔑視する発言をする前から、南米を好んでいないことが明らかである。何故なら、かつて実業家時代に一度リオデジャネイロを訪問する機会があった際、“本当は行きたくはなかった”として、1泊もしないでとんぼ返りしたことがあるからである。
そして大統領就任以来、南米はおろかカリブ海地域にも一歩も足を運んでいない。
一方、習国家主席は2012年の就任以来、既に3度も南米を訪問して、同地域における影響力を高めてきている。
具体的には、直近に開かれた南米・カリブ海諸国首脳会議に、中国の王毅(ワン・イー)外交部長が出席している。
また、昨年パナマは、親米の台湾と国交を断絶して、中国との関係構築に舵を切った。更に、ドミニカ共和国や他の国々も、中国との関係強化を望んでいるとみられる。
なお、中国の南米進出に危機感を覚えたティラーソン国務長官は、今週南米諸国を歴訪して、米国の影響力を再確認すべく努めようとしている。
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環境汚染問題二題(地球温暖化、海洋汚染)【米・英国メディア】(2017/09/19)
既報どおり、国連総会の一般討論で初めて演説するトランプ大統領が、パリ協定(気候変動対策協定)離脱をあくまで貫き通すのか、世界が注目している。そこで、パリ協定の根拠となった地球温暖化の進捗状況であるが、この程専門家が2000年以降のデータを再評価したところ、地球に壊滅的打撃を与える恐れとなる時期が20年程伸びる見通しとなったという。一方、環境活動家グループによる調査結果によると、プラスチックゴミ等による海洋汚染が増々深刻となっており、北太平洋上に浮遊するゴミの山は、今やフランスの面積に匹敵する程膨れ上がっているという。
9月19日付英
『ジ・インディペンデント』紙:「直近の再評価で、地球温暖化のスピードが以前の想定よりゆっくり進むとの見通し」
今週発行された科学雑誌
『ネイチャー・ジオサイエンス(注後記)』掲載のレポートによると、2015年時に評価したときより、地球に壊滅的打撃を与える恐れのある、産業革命前と比較して1.5℃以上となる地球温暖化が進むスピードは、20年程遅くなる見通しとなったという。
オックスフォード大のマイル・アレン教授(地球科学専門)及びユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのマイケル・グラブ教授(国際エネルギー・気候変動専門)が共同で、2000年以降のデータを再評価した結果という。...
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9月19日付英
『ジ・インディペンデント』紙:「直近の再評価で、地球温暖化のスピードが以前の想定よりゆっくり進むとの見通し」
今週発行された科学雑誌
『ネイチャー・ジオサイエンス(注後記)』掲載のレポートによると、2015年時に評価したときより、地球に壊滅的打撃を与える恐れのある、産業革命前と比較して1.5℃以上となる地球温暖化が進むスピードは、20年程遅くなる見通しとなったという。
オックスフォード大のマイル・アレン教授(地球科学専門)及びユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのマイケル・グラブ教授(国際エネルギー・気候変動専門)が共同で、2000年以降のデータを再評価した結果という。
『ザ・タイムズ』紙によると、グラブ教授は、2015年時の評価の基となったのは、世界の大学や政府機関の集積した10年前のデータであったが、今回は直近までのデータを踏まえて再評価したものだという。
それによると、産業革命前比較1.5℃上昇を抑えるため、2015年以降二酸化炭素発生量を700億トン削減する必要があるとしたが、今回の再評価では、2,400億トン発生しないと1.5℃には到達しない、言わば“二酸化炭素発生余量”が存在することになるとする。
アレン教授によれば、これはほぼ20年に相当し、また、グラブ教授は、海面上昇によって水没する恐れのある太平洋の島国にとっては朗報であるという。
なお、いずれにしても、二酸化炭素発生量を削減して、温暖化対策を講じることは必要不可欠な事実であるとする。
一方、9月18日付米『ザ・クォーツ』オンラインニュース:「大洋上のゴミの山がフランスに匹敵する大きさに肥大-環境活動家が警鐘を鳴らす意味でひとつの国家と認識すべきと主張」
コミュニティサイト『ラッドバイブル』によると、北太平洋に浮遊するゴミの山が、フランスの国土(編注;55万1,500平方キロメーター)に匹敵する程肥大化しているという。
そこで、環境活動家グループが同サイトにおいて、当該ゴミの山を国家に見立てて、通貨はもとよりパスポート(その全てに海洋汚染現状を示す挿図)を発行し、世界に海洋汚染の深刻さを訴えようとしている。これには、環境活動家で知られる、元米大統領選候補者のアル・ゴア氏も加わっている。
なお、同グループによると、プラスチックゴミは魚だけでなく、ミクロ粒子となって魚貝類に取り込まれるため、結果としてそれらを食する人体にも悪影響を及ぼすという。
また、このまま対策を講じないと、プラスチックゴミの総量は、2050年までには地球上の魚類総量を超えてしまう恐れがあるとする。
そして同サイトは、ゴミの山を国家と見立てるなどは愚かなことと思うならば、今やフランスの国土に匹敵する程ゴミの山が肥大化している現実を直視し、出来うる対策について真剣に考えて欲しい、と結んでいる。
(注)ネイチャー・ジオサイエンス:2008年1月創刊の、査読科学月刊誌。1869年に創刊された、世界最古の査読科学週刊誌『ネイチャー』を発行する英ネイチャー・パブリッシング・グループが発行元。
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