2月26日付米
『サンフランシスコ・クロニクル』紙:「中朝関係にヒビ」
「●これまで何十年となく中国は、北朝鮮の唯一の友好国として、同国の核開発・ミサイル発射実験にも拘らず、支援を継続。
●しかしついに先週北朝鮮は、中国から突然の石炭輸入禁止通告を受けたことに立腹し、中国を“米国の指揮に合せて踊っている”とか、“大国ぶっている”と露骨に非難。
●これに対して中国側は、国営メディア
『環球時報』の2月24日付社説を通じて、石炭の輸入禁止措置は“公平で”国連安全保障理事会制裁決議に則ったものと反論。
●ただ中国外交部の耿爽(ゲン・シュアン)報道官は、北朝鮮は隣接する友好国であり、相互関係の有益かつ健全な発展のため、北朝鮮と協働する用意がある、と抑制したコメントを発表。」
同日付インド
『ANI(アジア国際ニュース)通信』:「北朝鮮、中国は“米国の指揮で踊っている”と酷評」
「●米
『CNN』の報道では、北朝鮮国営
『朝鮮中央通信』が、大国ぶっている隣国が、北朝鮮の市民生活に悪影響が及ぶにも拘らず、米国の指揮に乗って、石炭の輸入禁止措置という非人道的な行動を取ったと酷評。
●中国商務部は、国連決議に従ったまでだ、と強調。
●一方、中国のマカオに居を構えていた、北朝鮮リーダーの異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで暗殺された事件について、北朝鮮当局が関わっていたと報道されるに至り、中朝関係は更に悪化が懸念。」
同日付中国
『チャイナ・ナショナル・ニュース』:「北朝鮮、唯一の同盟国で大事な支援国である中国を非難」
「●中朝関係はこれまで、“唇と歯と同じ位近い”と言われてきたが、北朝鮮国営メディアは初めて、公に中国の石炭輸入禁止措置について激怒している旨報道。
●これに対して中国政府は、外交部報道官を通じて、中国は今後も友好国の北朝鮮と有益かつ健全な関係を構築していく、と抑制したコメントを発表。
●専門家の見方は、中朝関係にはすでにヒビが入っているが、表明上は平和裏に対応しておくことが賢明と判断したものと分析。」
一方、同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「北朝鮮核施設での動きより再度の核実験の恐れ」
「●北朝鮮動向監視ウェブサイト“38ノース”は、一連の衛星写真から、北朝鮮に2月18日から不穏な動きがあると指摘。
●すなわち、北朝鮮北東部の豊渓里(プンゲリ)核実験場で、物資・機材などの搬送が行われていること等から、地下核実験の準備をしている恐れがあると分析。
●中国から突然石炭輸入禁止通告を受けたこと、また、マレーシアの国際空港で金正男氏が暗殺された事件に北朝鮮当局が関わっていると報道されていること等から、北朝鮮がまた何かやりかねないとの見方が大勢。
●なお
『朝鮮中央通信』は、来月実施予定の日米共同軍事訓練で、北朝鮮ミサイル迎撃の実戦訓練を取り入れているとして、日本がまた愚かなことをしようとしていると非難。」
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7月23日付米
『サンフランシスコ・クロニクル』紙(
『AP通信』記事引用):「AP評価;PCA裁定は緊張を高めただけの結果」
「●7月12日のPCA裁定後、南シナ海問題は沈静化するどころか、益々緊張を高める結果をもたらしていると評価。
●中国は依然PCA裁定を不受諾と宣言し、一方フィリピンは、PCA裁定を後ろ盾にして交渉を進めたいところだが、大国中国に対して不用意に動けない状況。
●7月24~26日の間、ビエンチャン(ラオス)で開催されるASEAN外相会議においても、中国支持派と反対派の間でのつばぜり合いが必至。
●これまで中国は、PCA裁定を無視して、今後も南シナ海における海洋活動は継続するし、邪魔(他国からの脅威)があった場合、同海域に防空識別圏(ADIZ)を設定すると強硬。
●しかしここへきて中国は、一方的な発言・行動によってASEANが反中国派に流れてしまうことを恐れてか、少々トーンダウンする傾向。
●一方フィリピンとしては、スカボロー礁海域における自国の漁師の操業が中国沿岸警備隊によって邪魔されないことの確約と、同海域の石油・天然ガスの共同開発の可能性を探っていくものと推測。」
同日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』記事引用):「米高官、ASEAN会議は不
和とコメント」
「●PCA裁定後初めて開かれるASEAN外相会議において、PCA裁定に関わるコメントが共同声明に反映されるか疑問。
●中国経済支援に頼りきりのカンボジアは、同声明の中で、南シナ海に関わるPCA裁定結果はおろか、同海域の軍事化について言及することも強く抵抗。
●カンボジアのフン・セン首相は先週(7月11日の週)、中国から約6億ドル(約636億円)の支援金を得たと発表。これもあってか、ASEAN事務局は、ASEAN共同声明案作りにあたって、カンボジアの干渉が大とコメント。
●一方、組成後49年の歴史を持つASEANは、2012年に初めて共同声明が出せない結果を生じさせており、地域機構の一体性が重要とするASEANにとって、この事態は避けたい意向。」
7月24日付英
『Yahooニュース英国版』(
『AFP通信』記事引用):「ASEAN、南シナ海問
題の進展に躍起」
「●6月に開催されたASEAN・中国会議において、議長国マレーシアが準備した、南シナ海問題に言及する共同声明原稿が、中国の猛烈な抗議に遭って差し止められたとして、中国と共に、これに加担したカンボジアとラオスにも非難の声。
●そこでASEANとしては、今回の外相会議において、PCA裁定含めた南シナ海問題にも言及した共同声明を出すべく奮闘しているが、依然カンボジアが強硬に抵抗。」
同日付フィリピン
『マニラ・ブルティン』(
『AP通信』記事引用):「南シナ海問題取扱いで
ASEAN分断」
「●今年のASEAN会議議長国のラオスは、中国の忠実な支持者であるためか、PCA裁定等につき露骨に同共同声明に謳うことは避けたい考えで、同じく中国支持派のカンボジアも同様の意見。
●PCA裁定で勝訴したフィリピンはもとより、中国と領土問題を抱えるベトナム、マレーシア等も、大国中国との対話を有利に進めるため、共同声明に明記することを望んでいるが、全会一致を原則とするASEANとしては、身動きが取れない状況。
●なお、今回のASEAN会議にはミャンマーのアウン・サン・スーチー外相が初めて参加するため、彼女の動向にも注目。」
一方、同日付中国
『新華社通信』:「ドゥテルテ氏、PCA裁定に拘らず中国と合意できれば
フィリピンにとって有益とコメント」
「●フィリピンのドゥテルテ大統領は7月22日、PCA裁定後初めて公式見解を発表。
●同大統領は、PCA裁定結果に拘らず、フィリピンが中国と南シナ海領有権問題で合意することができれば、フィリピンにとって得るところは大きいと発言。
●また、フィリピン内の至るところにも工業地帯を設け、米国ではなく、資金が潤沢な中国からの投資受け入れを準備するともコメント。」
中国メディアは相変わらず、良い所取り(自国に有利なように解釈)の記事をてらいもな
く掲載している。
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