米国の核実験で南シナ海汚染の可能性
中国による最新の研究によると、南シナ海で、20世紀半ばに米国が行った核実験に起因するとみられるプルトニウムの堆積物が見つかったという。
6月14日付露
『スプートニク』:「米核実験によるプルトニウムが南シナ海を汚染」
中国語の学術雑誌「Environmental Chemistry」へ掲載された最新論文によると、南シナ海の海底で、米国が20世紀半ばに行った核実験による放射性降下物に起因するとみられるプルトニウムの堆積物が見つかったという。
米国は、1946年~62年、南太平洋の東方約3千マイルの環礁や島々にある太平洋試験場で、核兵器十数個を爆発させたが、プルトニウムの製造過程において特有な2個の同位体の割合が、この堆積物と全く同じだったことが根拠となっているという。...
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6月14日付露
『スプートニク』:「米核実験によるプルトニウムが南シナ海を汚染」
中国語の学術雑誌「Environmental Chemistry」へ掲載された最新論文によると、南シナ海の海底で、米国が20世紀半ばに行った核実験による放射性降下物に起因するとみられるプルトニウムの堆積物が見つかったという。
米国は、1946年~62年、南太平洋の東方約3千マイルの環礁や島々にある太平洋試験場で、核兵器十数個を爆発させたが、プルトニウムの製造過程において特有な2個の同位体の割合が、この堆積物と全く同じだったことが根拠となっているという。
専門家は、堆積物が時計回りの北太平洋旋回に乗って、西方へ運ばれたと推定。潮流はマーシャル諸島、ミクロネシア、カロリン諸島を通り、フィリピン、台湾にぶつかり、北へ東ヘ向かい日本の南岸に行き着く。カリフォルニア沿岸からは南へ向かい、メキシコ沿岸を通り、再び西方へ向かって流れる。堆積物は潮流に乗り、ルソン海峡を経由し、南シナ海へ入ったと見られている。
米国は広島と長崎への原爆投下により終戦を迎えることとなった第二次大戦直後、太平洋上での核実験を開始した。マーシャル諸島では67個の核を使用、広島原爆2個分の威力となる実験をニ日置きに行っていた。実験では、水中や水面、そして上空から、対艦、対衛星兵器への対応も想定されたものだった。
同日付香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』:「南シナ海の放射能汚染は米国の核実験のせい、専門家」:
米国は1940年代から50年代にかけて、南シナ海から数千キロの場所で、平均レベル以上の放射性物質を放出した。10数年かけた研究により、冷戦時代に水路を汚染した.マーシャル諸島での核実験の最後の痕跡を発見した。
中国語の査読雑誌が中国の環境評価を裏付ける。汚染物質は該当地域に現在も残留しており、南方の事前に許可されていない地域にもまたがっている。近隣の住民は、高放射能で被爆し、がんを発症する確率が高い。出生異常など健康問題で今日まで苦しんでいる。環境的損害も甚大で、土壌、水、海水の汚染も広範囲にみられる。
この事実は、中国と他国が領有権で対立する南シナ海での緊張を更に高めるものとなるだろう。領土対立は、環境ダメージへの影響が確認された場合、該当諸国での補償問題をも困難にするだろう。環境学の専門家は、中国は核実験の影響への補償を求める国々に参加する妥当な理由があるとしている。
米国は1986年補償制度を確立し、マーシャル諸島の人々への補償に2億ドル以上を拠出したが、環境や健康への影響の範囲を考慮すると不十分だと批判された。現在に続く影響に対応するため、追加補償を求めている人々もいる。
核実験には法的、倫理的問題もあるが、法的側面からの立証は、米政府の免責権限などから困難となる。時間も経過しているため、実験との明確な因果関係を証明するのも困難となる。その理由の一つに、南シナ海を巡る、各国の優先事項と利害が異なる点がある。
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米国と台湾、新たな貿易協定署名
米国と台湾は、昨年より協議を重ねていた新たな貿易枠組みの第一段に合意したと発表した。
6月1日付新
『TOC』:「中国との緊張が高まる中、台湾、米国がワシントンで貿易協定に署名へ」:
米国と台湾が1日、貿易協定に署名するという。台湾海峡を巡って米中の緊張感が高まることとなりそうだ。
台北の貿易交渉局(OTN)は、「21世紀の貿易に関する米台イニシアチブ」の第一段がワシントンで署名されることとなるとしている。
1979年に米国との政治的国交が中国に移ってからも、米国は台湾との同盟関係を維持し、武器供給を行ってきた。...
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6月1日付新
『TOC』:「中国との緊張が高まる中、台湾、米国がワシントンで貿易協定に署名へ」:
米国と台湾が1日、貿易協定に署名するという。台湾海峡を巡って米中の緊張感が高まることとなりそうだ。
台北の貿易交渉局(OTN)は、「21世紀の貿易に関する米台イニシアチブ」の第一段がワシントンで署名されることとなるとしている。
1979年に米国との政治的国交が中国に移ってからも、米国は台湾との同盟関係を維持し、武器供給を行ってきた。台湾にとって米国は第2位の貿易パートナーである。
新たなイニシアチブにより、税関業務が合理化され、規制手続きも改善し、腐敗対策も強化されるとみられ、台湾政府はこの協定を1979年以来「最も重要で包括的」な貿易協定だとしている。
中国は近年、台湾への脅威を高めつつあり、台湾海峡周辺での軍事演習が増え、各国との関係を断絶しつつある。昨年8月、ペロシ元米下院議長が台北を訪問した際、中国が大規模な軍事演習を行ったことで、米国は台湾への支援として、貿易交渉プランを発表していた。
6月2日付香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』:「米台が新たな貿易イニシアチブで最初の合意」
米通商代表部は1日、米国と台湾は、経済貿易関係強化のための新たな協定に署名したと発表した。
当合意は、21世紀の貿易に関する米台イニシアチブとして昨年米台間で協議が開始された枠組みで、
電子文書化や電子決済、貿易の迅速化するための対策として始まっていた。
これに先立ち、中国商務省の王文濤は、ジーナ・レモンド米商務相と会談。先週デトロイトで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力)の際には、キャサリン・チ・タイ米通商代表と会談していた。
米国上空で中国の偵察気球が発見され、台湾の蔡英文は4月訪米し米高官と会談を行う等、対面方式でのハイレベル交渉が再開されたことで、米中関係は悪化。
中国は台湾を本土の一部とみなしており、必要とあれば軍事的手段で本土に組み込まれるべきと考えているため、台湾と他国の公式会合に反対の立場を゙取っている。
外務省の毛寧報道官は、米国の動きは、「中国一国原則」、「米国が台湾との非公式関係を維持するとの立場に大きく反する」とし、「米国は、台湾との交渉も、公的な協定署名も控えるべき」で、「経済や貿易を口実に、台湾の独立を求める分子勢力へ誤ったメッセージを送るのをやめるべき」だと主張している。
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