韓国・江原道で建設される予定だった韓中文化タウンの建設が突如と中止なった。地元当局はチャイナタウンではなく文化的テーマパークであると繰り返しアピールしてきたが、65万人以上の韓国人がこのプロジェクトに反対するオンライン請願書に署名したためだ。韓国は昨年、キムチや韓服は中国が起源だと主張し始めた中国と衝突しており、国民の中国に対する反感が高まっていた。
香港英字紙
『サウスチャイナ・モーニングポスト』によると、韓国で10億ドル(約1100億円)の韓中文化タウンの建設を進めていたコーロン・グローバル社が26日、韓国大統領府ウェブサイトのオンライン中止請願ページに寄せられた請願書に端を発した国民の激しい反発に直面し、韓中文化都市プロジェクトを中止すると発表した。同社は、莫大な損失が発生するにもかかわらず、「韓中文化タウンがこれ以上前進できないことを認めた」と江原道に通知した。
コーロン・グローバル社によると、このプロジェクトは、請願者や一部の報道で主張されていたようなチャイナタウンではなく、観光客が中国と韓国の伝統的・現代的な文化を楽しむことができる文化的テーマパークの建設を目的としていた。しかし、同社は「真実がどうであれ、65万人の署名者の声に耳を傾ける以外に方法はなかった。韓国の人々もまた、外国人観光客に劣らず重要なお客様だからだ」と伝えている。
韓中文化タウンは、2022年までに、ソウル西部にある韓国で最も有名なチャイナタウンの10倍の広さの敷地に建設される予定だった。韓国式の建物、中国の伝統的な庭園、K-POP博物館、韓流ビデオの展示など、さまざまな施設やアトラクションが用意され、「両国の相互の文化交流を可能にする」としていた。
韓国ニュースサイト『コリア・ビズワイア』によると、韓中文化タウンは、江原道洪川郡の1,200万平方メートルの土地に建設される予定だった。2018年12月に江原道と主要関係者の間で事業協定が締結されていた。様々なパフォーマンスや体験型のプラットフォームを設置することで、中国人観光客を誘致するのが当初の計画だったが、多くの市民団体がこのプロジェクトを「中国の文化的および歴史的侵害への一歩」だと主張し、強い反対を招いた。
アメリカの中国系メディア『エポックタイムズ』によると、プロジェクトの中止を求める請願書は3月29日に韓国大統領府のウェブサイトに登録された。請願書は、「なぜ韓国に小さな中国を作りたいのか 」と問いかけ、「国民は、なぜ自分の土地で中国の文化体験を提供したいのか理解できません。私たちは断固として反対します。」と訴えた。さらには、「私たちは、世界最大の歴史的遺跡であり、多くの発掘が行われている江原道に、中国人観光客向けのホテルを建設することに反対します。」と述べ、「人々は自分たちの文化を失うことに憤慨している。キムチや韓服のような固有の文化を盗もうとしている中国に立ち向かうべきです。」と主張していた。そして1カ月もたたない4月21日時点で、62万7,000人の署名が寄せられ、大統領府が受理した請願書の中でも最も多くの署名数を集めていた。
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