カナダ石油・天然ガス、2022年にはカナダの掘削活動が増加すると石油連盟が発表(2021/11/17)
カナダ石油サービス連盟(PSAC)の予測によると、カナダにおける石油・天然ガスの掘削量は、2022年に16%増加する。
カナダ紙
『グローブ・アンド・メール』によると、業界の最新の予測では、カナダの石油・天然ガスの掘削活動は、2022年にはパンデミック以前のレベルに戻るという。カナダ石油サービス連盟(PSAC)は、来年、カナダでは合計5400本の井戸が掘削され、前年比で16%増加し、2019年以降で最も活発になると予想している。
またPSACは、下半期の活動の増加を考慮して、2021年の予測を4650本に修正した。...
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『グローブ・アンド・メール』によると、業界の最新の予測では、カナダの石油・天然ガスの掘削活動は、2022年にはパンデミック以前のレベルに戻るという。カナダ石油サービス連盟(PSAC)は、来年、カナダでは合計5400本の井戸が掘削され、前年比で16%増加し、2019年以降で最も活発になると予想している。
またPSACは、下半期の活動の増加を考慮して、2021年の予測を4650本に修正した。2021年の年初には、PSACは年間で3350本の井戸が掘削されると予測していた。
PSACの2022年の予測は、WTI原油価格を1バレルあたり平均70ドル、AECO天然ガス価格を1千立方フィートあたり平均4.10ドルと予測している。
PSACの会長兼最高経営責任者であるグルプリート・ライル氏は、見通しは1年前に比べて明るいものの、業界はまだ2014年後半に原油価格が暴落する前の状態にまで回復していないと述べている。商品価格の上昇により掘削が活発化している一方で、業界は成長を妨げる可能性のある深刻な労働力不足にも直面しているという。
『カナダ放送協会(CBC)』は10月13日付の記事で、世界中でコロナ規制が緩和され、世界的なエネルギー需要の増加に対応するため、長年にわたる価格低迷、解雇、統合を経て、カナダ西部の石油・ガス会社は再び生産を活発化させていると伝えている。
カナダエネルギー請負業者連盟(CAOEC)によると、カナダでは先週175の掘削リグが稼働していたが、昨年の同時期にはわずか75、2019年には155であった。
CAOEC事務局長のマーク・ショルツ氏は、「これは20750件の雇用増加であり、業界は活動に対して非常に強気だ。しかし、課題は、あまりにも急速に生産量を増やそうとしているため、生産能力の制限に対処しなければならないことだ。「会員の中には、顧客である石油・ガス生産者に対して、利用可能なリグがないという声がすでに聞こえ始めている。これは、主に人材不足によるものだ。生産量を増やす能力に影響を与えることになるだろう」と述べている。
今年の石油・ガスの生産量を増やそうとしている企業は、すでに労働市場の問題に直面している。業界の労働市場情報を提供するEnergySafe Canada社の一部門であるPetroLMI社のデータによると、カナダの石油・ガスサービス部門の失業率は、2020年9月の17.7%から2021年9月には3.7%に低下している。サスカチュワン州では、現在、石油・ガスサービス従事者の失業率は基本的にゼロだという。
PetroLMI副社長のキャロル・ホウズ氏は、業界が直面している最大の問題は、雇用が大幅に増加しているにもかかわらず、石油・ガスサービスの労働力の規模が昨年とほとんど変わっていないことだと語っている。そして、歴史的に見て、カナダ西部のリグ労働者の多くは国内の他の地域、特に東海岸から来ており、パンデミックの際には地元に戻ってしまった。そのような労働者の多くは、ウイルスの脅威が続く限り、仕事に戻りたくないと考えている、とホウズ氏は指摘している。
しかし、パンデミックの前から、石油・ガス業界の労働力は減少傾向にあったという。2013年から2019年の間に、原油価格の暴落によって、請負業界の雇用は2万1200人(29%)減少した。2020年にはさらに6300人の雇用が失われた。
ショルツ事務局長は、多くの労働者は、何年にもわたって価格の低迷、解雇、不安定な状況が続いたことで、倦怠感を感じているのではないかと述べている。石油業界の労働者は「他の人たちと同じように仕事をしたいと思っている。他の人々と同じように、仕事に安定性と一貫性を求めている。この業界もいずれは安定した仕事を提供できるようになると思うが、現時点ではまだこのような中間的な段階にある」と説明している。
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カナダ総選挙での中国による選挙妨害も与党政府は無関心(2021/10/12)
9月に行われたカナダの総選挙で中国がカナダの国内政治に干渉していたことに懸念の声が上がっている一方で、再選を果たしたトルドー首相とその政権は一切関心を示していない。
カナダ
『ナショナルポスト』紙によると、数ヶ月前から、情報操作の専門家たちは、中国が展開している内政干渉活動について警鐘を鳴らしてきたという。カナダ安全情報局(CSIS)は2月に、中国が積極的にカナダ人をターゲットにしていると指摘し、国会議員による国家安全保障情報委員会やマクドナルド・ローリエ研究所などの市民社会の関係者も同様の見解を示してきた。
『ナショナルポスト』紙は、「中国の独裁政権は、人権侵害を批判する世界各地の人々や、脅威とみなす人々を罰することに熱心」であり、カナダにおいては、「中国の経済的帝国主義と強圧的な外交政策に対抗するために連邦政府にもっと積極的に対応するよう主張してきた保守党の政治家たちを弱体化させることを意味する」と指摘している。...
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カナダ
『ナショナルポスト』紙によると、数ヶ月前から、情報操作の専門家たちは、中国が展開している内政干渉活動について警鐘を鳴らしてきたという。カナダ安全情報局(CSIS)は2月に、中国が積極的にカナダ人をターゲットにしていると指摘し、国会議員による国家安全保障情報委員会やマクドナルド・ローリエ研究所などの市民社会の関係者も同様の見解を示してきた。
『ナショナルポスト』紙は、「中国の独裁政権は、人権侵害を批判する世界各地の人々や、脅威とみなす人々を罰することに熱心」であり、カナダにおいては、「中国の経済的帝国主義と強圧的な外交政策に対抗するために連邦政府にもっと積極的に対応するよう主張してきた保守党の政治家たちを弱体化させることを意味する」と指摘している。9月の選挙中にも、中国の国営メディアは、カナダが保守党政権を選択した場合、報復を受けることをほのめかしていた。
他にも、保守党のケニー・チウ元議員が、外国政府のエージェントを登録するための私設法案を提出したところ、カナダの中国系コミュニティにはチウ議員を誹謗中傷する情報が氾濫した。その多くは中国政府から発信されたものと見られている。
チウ氏の法案は、外国政府のために正式に活動するロビイストを登録対象としていたにもかかわらず、デマ情報により中国系カナダ人の国家登録簿を作るものだと誤解されてしまった。チウ氏は、9月の選挙活動中に、自分に対するこれまで経験したことのなかった不可解な憎悪を目の当たりにし、再選を逃したと述べている。今回の選挙では、保守党はほとんどの地域で得票率を維持したが、大規模な中国人コミュニティがある地域では支持率が最大で10%も低下し、いくつかの地域ではトルドー首相の自由党に逆転されている。
同紙は、中国のプロパガンダが部分的に効果的なのは、カナダ人が、中国という国が行ったことに対して中国系カナダ人を罰する傾向があるためだと指摘している。例えば、コロナの流行が始まった2020年、バンクーバーで報告された反アジアのヘイトクライムは、前年の8倍に増えた。中国系カナダ人コミュニティの一部が、中国政府への批判と中国系カナダ人への迫害を同一視するプロパガンダを受け入れてしまったことは、当然のことと言えるだろう。
一方で、中国はスパイ活動や影響力を行使するために、世界各地の中国系ディアスポラを武器にしようとしている。例えば、カナダの国家安全保障情報委員会によると、中国統一戦線工作部は、中国系カナダ人コミュニティを取り込むために、ビジネス、政治、メディアの工作員を利用しているという。『ナショナルポスト』紙は、「中国が世界のディアスポラを利用することは、中国系カナダ人を危険にさらす一方で、中国政府に利益をもたらしている」と述べている。「中国系カナダ人が母国との正当なつながりによって誤って罰せられれば、中国のプロパガンダを正当化することになる」ため、カナダ当局は中国の影響力のネットワークを簡単に排除することはできないとも伝えている。中国は、中国系カナダ人コミュニティに疑念を抱かせるような行動をとった上で、中国系カナダ人の人権を擁護する立場に立つことで、コミュニティ内での影響力を高めている。カナダは、この悪循環を断ち切ることが重要だという。
しかし同紙は、オーストラリアの中国に対する毅然とした態度とは反対に、トルドー政権は中国によるカナダ政治への干渉に無頓着であるだけでなく、中国に対し非常に弱い態度を取ってきたと批判している。現政権が中国に妥協していることで、偽りの平和しか得られていないと指摘している。
マクドナルド・ローリエ研究所のシニア研究員であり、北京のカナダ大使館で参事官を務めた経験もあるチャールズ・バートン氏は、カナダ『グローブ・アンド・メール』紙のオピニオン欄で、カナダ政府は中国と西側諸国の両方にいい顔をすることは出来ないと指摘している。
先週、カナダ外相は、中国に対して「共存」「競争」「協力」「挑戦」の4つのアプローチをとることを表明した。バートン氏は、「この発言は、オタワの中国大使館を大いに喜ばせたことだろう。カナダは中国共産党の統一戦線工作部が提唱する、違いを脇に置いて共通点を探そうという戦略に陥ろうとしていることを示唆している。」と述べている。そして、「トルドー首相は、ファーウェイをカナダの5Gインフラから排除するかどうかに関する決定を 数週間後 に伝えると言っている。この決定を何年も先延ばしにした挙句、ファイブアイズの同盟国がいずれもファーウェイの5Gネットワークへの参入を事実上禁止しているのに、カナダ政府はまだゆっくりと進めようとしているのは困ったことだ。」と指摘している。同氏は、「専門家たちは、ファーウェイの5Gが、中国国家のスパイ活動や、紛争時にカナダの重要インフラを無力化するために利用される可能性があることを認めている。たとえネットワークの周辺部であっても、ファーウェイの5Gへの参入を認めることは、安全性を犠牲にした宥和に他ならない。カナダが中国との協力関係を続ける限り、中国共産党が常に優位に立つという非対称な力関係の中での協力となる。」と説明している。
また、「すでにカナダは、米国、英国、オーストラリアによる新しいAUKUS条約から除外されており、米国、インド、日本、オーストラリアで構成される四カ国による安全保障の協力体制への参加にも呼ばれていない。バイデン大統領の次期駐カナダ米国大使候補者は、カナダによる中国共産党に対する明確で一貫した戦略の策定を待っていることを明らかにしている。」とくぎを刺している。
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