カナダのケベック州、移民の増加でフランス語や英語が衰退
1977年にケベック州議会で採択されたフランス語憲章は、カナダで2番目に人口の多い州の唯一の公用語をフランス語のみとする法律である。しかし移民による人口動態の変化により、現在母国語が英語でもフランス語でもない人々が増えており、モントリオール市をはじめ、ケベック州全体でフランス語が予想以上に早く衰退していることが判明した。
カナダの日刊紙
『メトロ』 によると、人口統計学者のマルク・テルモット氏は2011年に、ケベック州フランス語局(Office québécois de la langue française)の依頼を受けて、ケベック市とケベック州のその他の地域の言語状況と今後の予測に関する調査を実施した。その報告書では、モントリオール市のフランス語話者の割合は2006年から2031年の間に6.6ポイント低下し、47.4%に下がる可能性が示唆された。...
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『メトロ』 によると、人口統計学者のマルク・テルモット氏は2011年に、ケベック州フランス語局(Office québécois de la langue française)の依頼を受けて、ケベック市とケベック州のその他の地域の言語状況と今後の予測に関する調査を実施した。その報告書では、モントリオール市のフランス語話者の割合は2006年から2031年の間に6.6ポイント低下し、47.4%に下がる可能性が示唆された。このような状況は、特にフランス語圏人口の高齢化と国際的な移民の増加に起因しており、近年モントリオール市は、フランス語と英語以外を母国語とする人口が大幅に増加している。
しかし現実では、予想を上回るペースでフランス語が衰退していることが明らかになった。カナダ統計局の最新の国勢調査によると、2016年にモントリオールの住民の49.6%がフランス語を母国語として申告した。これは、78%近くに達する州平均を大きく下回っている。
テルモット氏は、モントリオールでのフランス語の衰退について「思っていたよりもずっと早く進んでいる」と述べ、2011年の調査では楽観的に考えすぎていたと付け加えている。なお、最も分かりやすいデータは、家庭で主にフランス語を話す人の割合だという。モントリオール大都市圏の住民のうち、自宅でフランス語を話しているのは、2011年には54.4%だったのに対し、2016年には53.7%に下がっていた。テルモット氏はこの割合は「急速に」下がり続けていると指摘している。
『クーリエインターナショナル』 によると、11月28日、モントリオールでは数百人の人々が衰退しているフランス語の状況に反対するデモを行ったという。ケベック州の永住権を取得するための条件としてフランス語の「十分な」知識を必要とすることを提案する声も上がっている。
しかし、モントリオール大学の政治学者フレデリック・ベラール氏は、フランス語の衰退について大局的に見る必要があると述べている。「ケベック州フランス語局は、94%の人がフランス語で会話を進めることができるという数字を公表している。この数字はあまり変化しておらず、良い数字だと思う。」と指摘している。
いずれにしても、来年にはカナダの公用語法の改革が導入される予定となっている。1969年に制定されたこの連邦法は、英語とフランス語をカナダの公用語として制定している。とりわけ、需要に応じて英語またはフランス語でサービスを提供することをすべての連邦機関に要求されている。
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中央・東ヨーロッパの国々、ヨーロッパの新しい生産拠点になることを期待
新型コロナウイルスの世界的流行で、戦略的産業の移転の重要性が認識されるようになった今、ブルガリアやリトアニアなど、中央ヨーロッパや東ヨーロッパの国々が強力な産業基盤や安い労働力を生かして、ヨーロッパの新しい生産拠点になることを期待し始めている。
仏
『ルモンド』 は、ヨーロッパ企業の生産拠点を中国から移転する場合、中央又は東ヨーロッパの国々に大きな可能性が出てくると記事で示唆している。
同紙は、ブルガリアのトミスラフ・ドンチェフ副首相が4月中旬にヨーロッパのニュースウェブサイトである「Euractiv」で述べた見解を紹介している。
ドンチェフ副首相は、コロナウイルスの危機を受けて、東ヨーロッパは「ヨーロッパの小さな中国」になる可能性があることを確信しているという。...
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仏
『ルモンド』 は、ヨーロッパ企業の生産拠点を中国から移転する場合、中央又は東ヨーロッパの国々に大きな可能性が出てくると記事で示唆している。
同紙は、ブルガリアのトミスラフ・ドンチェフ副首相が4月中旬にヨーロッパのニュースウェブサイトである「Euractiv」で述べた見解を紹介している。
ドンチェフ副首相は、コロナウイルスの危機を受けて、東ヨーロッパは「ヨーロッパの小さな中国」になる可能性があることを確信しているという。新型コロナウイルスの世界的流行から回復するとき、EUへの新加盟国はヨーロッパの産業にとって更に重要になると主張している。
ブルガリア企業は、生産チェーンを短時間で再編成できる能力があると示唆し、ブルガリアにとって好ましい「機会」であると述べている。
ポーランドの公共政策シンクタンクでアナリストをしているドミニク・オウザレック氏は、「各国は今のところ、主にコロナ危機による深刻な経済的および社会的被害を最小限に食い止めるよう、取り組みを行っているため、これについて話すのは時期尚早だ」と述べた。 中央または東ヨーロッパ地域は、主な経済パートナーであるドイツの自動車メーカーに依存しており、ドイツの不況の影響を強く受けているという。
ポーランドの経済専門家グゼゴルツ・シエレヴィッチ氏は、「中期的には、これらの国々がこうした動きを機会として生かす資源を備えていることは事実である」と語っている。
『Euractiv』 は、中国での新型コロナウイルスの感染拡大によって、ヨーロッパでは、他地域で生産された医薬品、衛生用品、医療機器などが不足する事態となり、多くの業界で海の向こうからのサプライチェーンが中断されたことを指摘している。ヨーロッパがアジアの重要な製造施設の移転に過度に依存していることが判明し、経済専門家達は今回の危機を東ヨーロッパにとっての機会だと見ていると報じている。
ブルガリアのドンチェク副首相は「中央および東ヨーロッパは、過去10年以上もの間、再工業化のプロセスを経てきた。より洗練された製品の輸出と業界のシェアは着実に増加している」と述べ、また今回の危機で、結集し、責任を負い、他の人の苦しみに無関心ではないという、ブルガリアの人々の良さを浮かび上がらせたと述べた。
また『クーリエインターナショナル』 は、リトアニアの動きについて報じている。5月下旬、リトアニアの財務大臣が長期投資の計画を発表した。その目的は、「外国人投資家に対して生産拠点をアジアから移転するように奨励すること」だという。 このために2100万ユーロ(約14億7千万円)が投資される予定だ。リトアニア産業界代表は、リトアニア企業は「流動性と適応性」が高いと述べている。
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