米オレゴン州知事、国語と数学の習熟度を確認せずに高校卒業させる法案に署名(2021/08/11)
オレゴン州のケイト・ブラウン知事は先月、今後5年間はオレゴン州の高校生が、国語や数学の科目で、高校卒業レベルを満たすことを証明しなくても卒業できる法案に署名した。知事側は、こうした動きを「有色人種の学生」にとっての「公平性」につながると主張している。
米ポートランドの新聞
『ザ・オレゴニアン』 は、今後5年間、オレゴン州の高校の卒業証書は、高校レベルの読み書きや数学ができることを保証するものではなくなると伝えている。オレゴン州のブラウン民主党知事は7月14日、高校の生徒がこうした必須スキルを身につけていることを証明する義務をなくすという法案に署名し、法律を制定した。
ブラウン知事は先月、法案に署名した際、署名式を行わず、プレスリリースも出さなかったため、州の習熟度基準を廃止するという決定は最近まで公表されていなかった。...
全部読む
米ポートランドの新聞
『ザ・オレゴニアン』 は、今後5年間、オレゴン州の高校の卒業証書は、高校レベルの読み書きや数学ができることを保証するものではなくなると伝えている。オレゴン州のブラウン民主党知事は7月14日、高校の生徒がこうした必須スキルを身につけていることを証明する義務をなくすという法案に署名し、法律を制定した。
ブラウン知事は先月、法案に署名した際、署名式を行わず、プレスリリースも出さなかったため、州の習熟度基準を廃止するという決定は最近まで公表されていなかった。
ブラウン知事の副主席報道官であるチャールズ・ボイル氏は、州が新たな卒業基準を策定する間、読み書きと数学の習熟度テストをやめることは、「オレゴン州の黒人、ラテン系、先住民、アジア系、太平洋諸島系、部族系、有色人種の学生 」にとって有益であると述べた。「これらのコミュニティのリーダーたちは、学習機会やサポートの拡大とともに、公平な卒業基準を何度も提唱してきた」とボイル氏は主張した。
しかし『ザ・オレゴニアン』 は、民主党議員と知事は今年の議会で、黒人や先住民、有色人種の学生のための学習機会や支援の大幅な拡大を可決しなかったと伝えている。国語、特に数学において、1年生から2年生レベルの習熟度を確認することが求められていたため、多くの高校では、生徒の学習支援のためのワークショップ形式のコースが設けられていた。しかし、パンデミックになり共通テストが一時停止となり、その後、議員たちによって完全に廃止されたため、これらのワークショップのほとんどが廃止されてしまった。
州議会では、共和党議員らは学力低下につながると反対したが、多数を占める民主党議員らはが習熟度基準の廃止を支持し法案を可決した。
米『ブライトバート』 によると、今年初め、オレゴン州教育省は、数学の授業で生徒にノートや課題提出させることは「白人至上主義 」の一例だと主張した。オレゴン州の教育省は、「公平な数学指導への道:数学指導における人種差別の解体」と題した82ページのトレーニングマニュアルを教育者に配布した。
「Black Guns Matter」の創設者であるMaj Toure氏は、米『フォックスニュース』 のインタビューで、オレゴン州の学校で国語と数学の習熟度基準がなくなることは、若者の低学歴化と将来的な投獄の可能性を助長することだと主張した。同氏は「法案は、学校から刑務所への輸送パイプラインを法制化したようなものだ。この種の法案は、左派によって多大に支持され、推進されてきた。このような法案を提出しようと考えている人は、取り残された子供を出さないことを理由に、基準そのものが存在しないかのようにしてしまう。」と批判した。
Toure氏は、オレゴン州の新しい法案は、基本的なカリキュラムに関して、貧困家庭の生徒やマイノリティの生徒は「どうせできないだろう」と考えているようなもので、「低い期待値という形の偏見」であると指摘した。そして、こうした法案は、「黒人を永久に下層階級にしようとする種の法案であり、愚かで間違っているが、左派民主党にとっては当たり前になっている」と語った。
「Cicero Institute 」のホイットニー・マンロー所長は、今日のアメリカの子どもたちが社会経済的な梯子を登るためには適切な教育を必要としていると指摘した。しかし「議員らは子供たちの下から腰掛を取り除いてしまった。非常に悲しいことであり、非常に悲劇的であり、達成可能なことをも達成できない何世代もの若者を生み出すことになる法案を作り出していることについて、議員らに説明責任を負わせる必要がある。」と述べた。
閉じる
米女子サッカーのファンはトランプ大統領が大嫌い? ハーフタイム・セレモニーで“米大統領に忠誠を”との宣誓に過剰反応【米メディア】(2019/09/15)
7月10日付Globali「
米世論調査;景気好調でトランプ大統領支持率が最高となるも、依然過半数は不支持(2) 」で触れたとおり、米女子サッカーチームのミーガン・ラピノー主将(34歳、注後記)が、サッカー女子ワールドカップで優勝したが、ドナルド・トランプ大統領によるホワイトハウス招待には応じないとコメントしたのに対して、同大統領は早速、同主将は、米国も、ホワイトハウスも、また米国旗も尊敬したことはない、とツイッターで噛み付いた。この伏線があったためか、ポートランド(オレゴン州)で開催された女子プロ・サッカーチームの試合のハーフタイム・セレモニーで企画された、米軍志願兵の宣誓就任式において、志願兵代表が“米大統領に忠誠を”と宣誓した途端、大ブーイングが起きている。
9月13日付
『ウェスターン・ジャーナル』 オンラインニュース:「女子サッカーのファン、ハーフタイム・セレモニーで志願兵の宣誓就任式の最中に大ブーイング」
9月11日に行われた女子プロ・サッカーチームの試合のハーフタイム・セレモニーとして、米軍志願兵の宣誓就任式が実施されたが、そこで思いも寄らない事態が発生した。
ポートランドのプロビデンス・サッカー場で開催された、ポートランド・ソーンズ(PT)対ノースカロライナ・カーリッジの試合において、ホーム・チームであるPTが、9・11同時多発テロ事件に対抗する米国民の精神を示すとして、米軍への志願兵の宣誓就任式を企画したものである。...
全部読む
9月13日付
『ウェスターン・ジャーナル』 オンラインニュース:「女子サッカーのファン、ハーフタイム・セレモニーで志願兵の宣誓就任式の最中に大ブーイング」
9月11日に行われた女子プロ・サッカーチームの試合のハーフタイム・セレモニーとして、米軍志願兵の宣誓就任式が実施されたが、そこで思いも寄らない事態が発生した。
ポートランドのプロビデンス・サッカー場で開催された、ポートランド・ソーンズ(PT)対ノースカロライナ・カーリッジの試合において、ホーム・チームであるPTが、9・11同時多発テロ事件に対抗する米国民の精神を示すとして、米軍への志願兵の宣誓就任式を企画したものである。
米陸軍ウェブサイトによると、志願兵代表が、米国憲法を堅持し、米国に敵対する如何なる対象にも立ち向かう、と述べた後、“米国大統領の命令に忠誠を尽くす”等と続けたという。
しかし、宣誓就任式を温かく見守っていたサッカー場の多くのファンが、志願兵代表が“米大統領に忠誠を”と言及した途端、大ブーイングを浴びせて非難し始め、それは数秒間続いた。
地元紙『オレゴニアン』 は、全米女子サッカー・リーグは「ファン行動規範」を未採用であるが、PT及び男子プロ・サッカーチームのポートランド・ティンバーズは、全米男子サッカー・リーグが備えている、政治的表現・看板・横断幕等を禁じる「ファン行動規範」に準ずるようファンに求めている。
これに基づくと、 “米大統領に忠誠を”という米軍に志願する者として当然求められる宣誓に対して、今回試合を観戦したファンがブーイングを浴びせたということは、“反トランプ”という政治的アピールがなされたと取られかねず、PTとしては問題視せざるを得ないとみられる。
(注)ミーガン・ラピノー主将:ポートランド大学出身で、シアトル・サウンダーズに所属する女子プロ・サッカー選手。2016年の大統領選当時から、トランプ氏による黒人差別・移民排斥・女性差別等の問題発言・行動を非難し続けており、自身を「歩く抗議活動家」と呼ぶ。
閉じる
その他の最新記事