2022年フランス大統領選、急進左派候補者が最新技術を活用し没入型の決起集会を行う(2022/01/17)
2022年の4月に行われる予定のフランス大統領選。大統領候補として名乗りを上げた急進左派「不屈のフランス」党の創設者であるジャン=リュック・メランション氏は、15日に決起集会を開催し、視覚、聴覚、嗅覚にうったえる没入型の集会を行ったことが話題を集めている。
仏メディア
『BFMTV』と
『ウエストフランス』によると、メランション大統領候補は15日、約3000人の観客を前に、パリの国立自然史博物館からヒントを得た、360度画像を放送できる装置を使った舞台演出の中、演説を行った。
集会に参加した支持者たちは、真っ暗な室内の中、星空の下で、200mものスクリーンに映し出された宇宙から見た地球の映像を満喫することができた。この映像の後、メランション候補は、宇宙開発に関する提言を行った。...
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仏メディア
『BFMTV』と
『ウエストフランス』によると、メランション大統領候補は15日、約3000人の観客を前に、パリの国立自然史博物館からヒントを得た、360度画像を放送できる装置を使った舞台演出の中、演説を行った。
集会に参加した支持者たちは、真っ暗な室内の中、星空の下で、200mものスクリーンに映し出された宇宙から見た地球の映像を満喫することができた。この映像の後、メランション候補は、宇宙開発に関する提言を行った。フランスは「宇宙分野で最先端」を行っていると判断したメランションは、「フランス語圏の人々」のために「宇宙大学の創設」を提案した。
その後、インターネットケーブルの中に入っていくような錯覚を与える映像が映し出され、メランション氏は「個人情報の匿名性」を擁護する必要性を訴えた。「世界のインターネットのトラフィックの9割はケーブルを経由しているのだから、フランスは自らケーブルを敷設する手段を絶対に持っていなければならない。もし、私が当選したら、ガイアナ共和国からフランス首都圏までケーブルを敷設する。アメリカ人にはやらせない! そして、手を貸すためにキューバを通るかもしれない」と語った。
その後、海を表現した映像がスクリーンいっぱいに映し出され、会場に波の音が響いた。「これが海だ!私たちが必要とするエネルギーの66倍ものエネルギーが含まれている。これが脱原発の地平線だ」と原発からの撤退を訴え、政権を取った場合の環境政策について語った。
またメランション候補は、演説の重要な場面で香りを拡散させ、嗅覚にも訴えた。2種類の香水が使用され、「慎重に調合されもので、健康を害する香水ではない」という。しかし、この仕掛けは説得力に欠けた。会場にいた人達の中で、ある人達はお香だと思い、ある人達はガソリンだと思ったと感想は今一つであった。
BFMTVの取材に応じたキャンペーン・ディレクターのマニュエル・ボンパールによると、この没入型の集会には30万ユーロ(約3900万円)ほどかかったという。この金額は、従来の会議よりも「10万ユーロ(約1300万円)高い」という。
仏誌『レクスプレス』電子版によると、今回の派手な決起集会は、左派は候補者6人が乱立し、マクロン大統領や右派と世論調査で対抗できないため、「どの候補者を支持すれば良いのか」わからない人たちに向けたものであるとメランション氏は説明しているという。
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フランスのレストラン、食事中に携帯電話を一度も見なければ無料ドリンクプレゼント(2022/01/13)
南フランスのオクシタニー地域圏にあるレストラン「サミーズ・ダイナー」では、1月1日より1カ月間、携帯電話を見ることなく食事をすることを客に提案している。客は、席に着いてから食事の終わりまで一度も携帯を使わないことが求められる。
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『BFMTV』と
『ウエストフランス』によると、南フランスのタルン県のアルビという町にあるレストラン「サミーズ・ダイナー」は、1月1日より、客に、テーブルに置かれた小さなかごに携帯を入れ、食事中は携帯に触れないで過ごすことを提案している。食事が終わるまでその挑戦を守れた場合、コーヒーや紅茶などの飲み物が無料で提供される。
この企画を思いついたアドリアン店長は、「店内を案内していたとき、お客さんの80%が携帯電話に目を奪われていることに気づいた。...
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『ウエストフランス』によると、南フランスのタルン県のアルビという町にあるレストラン「サミーズ・ダイナー」は、1月1日より、客に、テーブルに置かれた小さなかごに携帯を入れ、食事中は携帯に触れないで過ごすことを提案している。食事が終わるまでその挑戦を守れた場合、コーヒーや紅茶などの飲み物が無料で提供される。
この企画を思いついたアドリアン店長は、「店内を案内していたとき、お客さんの80%が携帯電話に目を奪われていることに気づいた。楽しい時間を過ごすためにレストランに来た人たちが、結局はスマホにログインしている。それが気になったので、1月から携帯なしの食事を提案してみることにした。」と説明している。
28歳の経営者は、一般的に「このアイデアは素晴らしいと、説明が終わる前からすぐに参加する人、やることをすべて終えてから携帯をかごに入れたいので5分だけくれないかと言う人、そして最後に、参加したくないと断る人、の3種類の反応がある」と語っている。店長は、携帯なしで「どうすればいいのか」と聞かれることもあり、「おしゃべりして、会話を交わし、食べものを楽しむのですよ」と答えているという。
予想に反し、携帯電話を手放すのが最も困難なのは若者ではなく、年配の客だと指摘している。携帯をカゴに入れることを拒否する客が5~10%ほどおり、その多くは高齢者だという。
アドリアン店長は、「今を楽しんでほしい。食事も、周りの環境も、楽しまないとね。」と述べている。店長は、この企画は「少し時代に逆行している」ことを認識している。「現在、多くのレストランでは、客が料理をSNSでシェアすることを推奨したり、スマホで直接注文できたりするようにしている。私は、最初から最後まで客との触れ合いをもつことを好む。」と述べている。
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