フランスのイスラム化を取り上げた特集番組司会者がイスラム過激派からの脅迫で警察保護下に(2022/01/31)
1月23日、フランスで「過激なイスラムの危険に直面する国の対応」というタイトルの特集番組が放送された。特定の都市におけるイスラム教の影響力の高まりと、その結果として、フランスの伝統や原則に反する生活様式が実行されている状況について特集した番組である。しかし、番組放送後、ジャーナリストで番組の司会者でもあるオフェリー・ムニエはイスラム主義者たちからの脅迫の対象となり、警察の保護下に置かれた。
仏紙
『ウエストフランス』によると、ムニエさん以外にも特集番組に出演した青年、アミン・エルバヒさんも脅迫を受けており、警察の保護下に置かれたという。エルバヒさんは、「私の証言が居心地の悪い思いをさせている。脅迫を受けたことを考えれば、痛いところを突かれたのだろう」とコメントしている。
ルーベ市出身のアミーヌ・エルバヒは2020年10月、ルーベ市内にある「成功のための大志とイニシアチブ」という協会について、市町村による公的補助金の恩恵を受けながら、学習塾を装って「コーランの講座」を行っている疑いがあると、県に報告した。...
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仏紙
『ウエストフランス』によると、ムニエさん以外にも特集番組に出演した青年、アミン・エルバヒさんも脅迫を受けており、警察の保護下に置かれたという。エルバヒさんは、「私の証言が居心地の悪い思いをさせている。脅迫を受けたことを考えれば、痛いところを突かれたのだろう」とコメントしている。
ルーベ市出身のアミーヌ・エルバヒは2020年10月、ルーベ市内にある「成功のための大志とイニシアチブ」という協会について、市町村による公的補助金の恩恵を受けながら、学習塾を装って「コーランの講座」を行っている疑いがあると、県に報告した。エルバヒさんの報告をきっかけに県が調査したところ、「宗教的な性格のアラビア語講座」が実際に行われていることが確認され、検察に報告された。
番組放送後、エルバヒさんは、ソーシャルネットワーク、SMSメッセージ、ワッツアップメッセージ、特にツイッター上で多数の脅迫を受けているという。例えば「クファール」(アラビア語で不届き者)と呼ばれ、首をはね、のどを切るなどの殺害予告の脅迫を受けている。
仏紙『ルフィガロ』は、「テロとは、シャルリーエブド襲撃事件、学校やスーパーマーケットでのユダヤ人対象の襲撃事件、警官や教師の殺害、バタクランのテロ事件などの(的を絞った)殺害行為だけでなく、イスラム教徒の支配を非難しようとするすべての人々を対象とした殺害予告などの脅迫もある」と伝えている。
過去にも、反イスラム投稿をした10代の少女が脅迫を受けたことが物議をかもした。今回、一人はジャーナリストとして番組を作り、もう一人はルーベ市のイスラム化に関する証言をしたことで、殺害予告を受けるようになった。『ルフィガロ』は、「イスラム主義とテロの関連性が希薄でないことの証拠である。一方を糾弾することは、他方の脅威にさらされることになる。さらに、この問題についてあえて口を開いたために、警察の保護下にありながらも、あまりの多くの脅しのゆえに、引っ越しを余儀なくされ、自分や家族の身を案じている人たちもいる。イスラム差別主義とレッテルを貼られ、標的にされる。」と書いている。
同紙はまた、「一方で、公共交通機関で活動したり、あるいは教師として活動したり、秘密の学校を開いたり、モスクやインターネットで活動したり、ジハードを扇動するプロパガンダ本を売る書店員として活動しているイスラム主義者を解雇するのは難しいと言われる。また、明らかに違法な学校であっても閉鎖することは複雑であるばかりか、活動禁止の行政命令が守られることもほとんどなく、取り締まりには法だけでは不十分であることが報告されている。閉鎖命令が出されているモスクも、国からの禁止令を無視して機能し続けている。」と指摘している。
シャルリーエブド襲撃事件で弁護士を務めたリシャール・マルカ氏は、仏政治専門誌『ルポワン』の取材に対し、「脅迫と恐れを通して、表現の自由が脅かされ、自由そのものが失われる。そのうち本当に、イスラム教について、狂信的あるいは原理主義について語ることができなくなる。あともう少しで、こうしたテーマは完全にタブーになり、どのメディアもテーマとして扱う勇気がなくなるだろう。」と語った。
自身も2015年から警察の保護下にあるマルカ氏は、すべてのテレビ局に、今回問題となっている番組を放送することを促した。「そうでなければ、恐怖の支配が広がり、現実を見せることができなくなる。サポートがなければ、どの司会者が、どのチャンネルが、明日、これらのテーマを扱おうと思うだろうか。エルバヒさんが番組で行ったように、あえてオープンに話す勇気ある証人が出てくるだろうか。彼は、イスラム教の深いヒューマニズムの概念を勇敢に弁護しており、誰もが支持するはずだ。しかし、彼は今日、孤独な身になってしまった」と警告している。
大統領選が近づいているフランスでは、右派の大統領候補エリック・ゼムール氏がツイッターで、「何百万人もの愛国者が彼女の勇気に感謝している」と投稿した。同じく右派の候補者ヴァレリー・ペクレスも司会者への「支持」した。中道派で与党の「LREM」に所属するイヴリーヌ地区副代表のオロール・ベルジェは、「いかなる脅迫も、見せる自由、言う自由、知らせる自由に疑問を投げかけることはできない」と主張している。一方で、左派議員のジャン=リュック・メランションは、番組は「真実味に欠ける」と発言。この発言に対し、マルカ弁護士は、「そのような発言をすることで、メランション氏はテロの代理人と化している」と非難している。
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フランス、2月1日に45%高騰するはずだった電気代を政府介入で4%に抑える(2022/01/20)
フランスのエネルギー規制委員会(CRE)は19日、2月1日に実施される電気料金の4%の値上げは、政府の施策がなければ10倍の値上げになっていたことを明らかにした。
仏政治ニュース誌
『ルポワン』電子版によると、CREは、電気代が平均4%上昇すると、家庭用では年間約38ユーロ(約4900円)、業務用では年間約60ユーロ(約7800円)の請求額の増加に相当すると発表した。規制当局によると、「対策していなければ、住宅顧客は年間330ユーロ(約4万3000円)、業務用顧客は年間540ユーロ(約7万円)の値上げ」になっていたという。
仏経済紙『レゼコー』電子版によると、これは税抜きで44.5%の値上げに相当していた。...
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仏政治ニュース誌
『ルポワン』電子版によると、CREは、電気代が平均4%上昇すると、家庭用では年間約38ユーロ(約4900円)、業務用では年間約60ユーロ(約7800円)の請求額の増加に相当すると発表した。規制当局によると、「対策していなければ、住宅顧客は年間330ユーロ(約4万3000円)、業務用顧客は年間540ユーロ(約7万円)の値上げ」になっていたという。
仏経済紙『レゼコー』電子版によると、これは税抜きで44.5%の値上げに相当していた。この上昇分は、特にEDF(フランス最大の電力会社)の競合他社に供給される低コストの原子力発電の価格が+7.7%上昇したことが考慮されていた。政府は先週、追加分に関しては1メガワット時あたり42ユーロ(約5500円)から46.20ユーロ(約6000円)の値上げを決定していた。
しかし、特に夏の終わりからヨーロッパを襲っているエネルギー危機で価格が高騰している中、サプライヤーが購入する必要があった追加分によって、料金が+ 41.6 %と急激に上昇した。そこで、今回政府が介入することになった。
政府は当初、国内の最終電力消費量にかかる税金(TICFE)を最大限引き下げる方針を示していた。その費用は約80億ユーロ(約1兆円)と見積もられており、この措置だけでも家庭向けには税込みで最大20.04%の関税引き上げに対応することが可能であった。この措置に加え、国はEDFに対し、競合他社に安価な原子力発電の電力をより多く供給するよう求めることを決定した。しかしこの決定で、EDFは77億(約1兆円)から84億ユーロ(約1兆1千億円)を失うことになると考えられている。EDFはこうした対策に懸念を示しているものの、この2つの施策を合わせると、最大で税込み35%の電気代の引き上げをカバーすることができると推計されている。
仏紙『ウエストフランス』によると、エネルギー業界の主要4組合は、フランス政府が電気料金の上昇を抑えるためにEDFに課す予定の措置に抗議して、1月26日にEDF従業員によるストライキを共同で呼びかけた。
EDFのCEOであるジャン=ベルナール・レビ氏は、EDFの管理職に対する社内メッセージの中で、政府の決定は「本当にショック」だと述べた。この決定は、「私たちが政府に提案していたものとは違う」「私たちの業績に大きな影響を与えるだろう」と述べている。また、「多くの人から支持、さらには憤りの声が届き、私も同感である」とも書いている。
政府の決定は、EDFにとってフラマンヴィル原子力発電所のさらなる工期遅延と、新型原子炉の安全装置の腐食問題に加えて新たな打撃となる措置であり、会社の株価は急落した。すでにいくつかの地域ではストライキ運動が起こり始めており、特にEDFの化石燃料火力発電所、ガスや重油、石炭の残骸で動く発電所、でストライキ運動が広がり始めている。
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