世界が見るNSAによる日本へのスパイ行為疑惑(2015/08/04)
ウィキリークスが、米国のNSA(国家安全保障局)が第1次安倍政権以降、内閣官房や日銀、財務省、外務省、三菱商事など35か所に対して電話の盗聴などのスパイ行為をしていたとの衝撃的なニュースが伝えられているが、これについて菅官房長官は「詳細についてはコメントを差し控える」としながらも、「事実ならば極めて遺憾だ」として米国政府に事実関係の確認を求めていることを明らかにした。米国国務省トナー副報道官は「ウィキリークスが公表した機密文書とみられるものについてはノーコメント」とした上で、「日本とは多くの問題を乗り越えられる非常に強い関係を保っている」と強調、日本政府からの公式な抗議は受けていないとしている。各国は、NSAによる日本へのスパイ行為疑惑について以下のように報じた。
8月4日付
『AFP通信』(フランス)は、NSA盗聴事件の詳細を報じた上で「安倍首相が、盗聴の直接の標的であるとはされていないものの、ウィキリークスは日銀の黒田総裁、三菱商事、宮沢経済産業大臣が、米国インテリジェンスの格好のターゲットであったとしている」と伝えた。
8月3日付
『スプートニクニュースインターナショナル』(ロシア)は、「NSAの電話傍受対象リストは、日本の内閣府、日銀だけでなく、財務省や経済産業省、三菱商事の天然ガス部門と三井物産の石油部門が含まれていた」と報じ、「日本へのNSAの盗聴リスト公開は最近公開されたフランス、サウジアラビア、ドイツ政府高官に続くものだ」と伝えた。...
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8月4日付
『AFP通信』(フランス)は、NSA盗聴事件の詳細を報じた上で「安倍首相が、盗聴の直接の標的であるとはされていないものの、ウィキリークスは日銀の黒田総裁、三菱商事、宮沢経済産業大臣が、米国インテリジェンスの格好のターゲットであったとしている」と伝えた。
8月3日付
『スプートニクニュースインターナショナル』(ロシア)は、「NSAの電話傍受対象リストは、日本の内閣府、日銀だけでなく、財務省や経済産業省、三菱商事の天然ガス部門と三井物産の石油部門が含まれていた」と報じ、「日本へのNSAの盗聴リスト公開は最近公開されたフランス、サウジアラビア、ドイツ政府高官に続くものだ」と伝えた。
8月3日付
『中国網』(中国)は、「日本の菅官房長官は日本が政府や日本企業に対するスパイ疑惑について説明するよう、米国のジェームズクラッパー国家情報長官に強く求めた」と報じ「ここ数カ月で、ウィキリークスは今回と同様に外交的緊張を招きかねないNSAによるドイツ、フランス、ブラジルに対するスパイ行為リストの情報を一部公開している」と伝えた。
8月3日付
『フォーカスインフォメ-ションエージェンシー』(ブルガリア)は、「日本がNSAのスパイ疑惑について米国からの詳しい説明を要求した」との見出しで、2006年9月から米国NSAが日本の総理官邸および日本の大企業をスパイしていたとするウィキリークスのレポートについて、日本の菅官房長官が“もしそれが本当ならば同盟国として非常に残念である”と述べ、米国に事実関係を照会していることを明らかにした」と報じた。また「機密文書を扱うときに我々は、できうるすべての予防措置を取っており、情報の漏洩はないと信じている」との菅官房長官の発言を紹介した。
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米国NSAによる日本へのスパイ活動が表面化(2015/08/04)
7月31日付
『フィナンシャルタイムズ』は、ウィキリークスが、日本の安倍首相や政府要人および大企業などが米国家安全保障局(NSA)により諜報活動されていたことを公表したと報じた。それによると、諜報活動は10年以上にわたって行われ、ある文書は、第一次安倍政権による2007年4月のワシントン訪問の準備内容、特に気候変動に対する政府のスタンスについて詳述している。
米国は、日米関係が試される国際サミットやフォーラムへの日本の姿勢を秘密裏に探るため、政府や企業の内部深くにアクセスしたものと思われる。...
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7月31日付
『フィナンシャルタイムズ』は、ウィキリークスが、日本の安倍首相や政府要人および大企業などが米国家安全保障局(NSA)により諜報活動されていたことを公表したと報じた。それによると、諜報活動は10年以上にわたって行われ、ある文書は、第一次安倍政権による2007年4月のワシントン訪問の準備内容、特に気候変動に対する政府のスタンスについて詳述している。
米国は、日米関係が試される国際サミットやフォーラムへの日本の姿勢を秘密裏に探るため、政府や企業の内部深くにアクセスしたものと思われる。貿易や気候変動問題などは、米国の諜報機関が最も重要視する問題である。ウィキリークスがNSAから得たとする情報には、2007年から2009年にかけて内閣交代が相次いだ時期の4つの最重要極秘事項と、2003年に遡る35の盗聴先リストがあり、その中には、三井物産および三菱商事のエネルギー部門も盗聴先に含まれていると同紙は報じている。
7月31日付
『ロイター通信』は、米国が同盟国日本に対しスパイ活動をおこない、情報をオーストラリア、ニュージランド、カナダ、英国に渡していたとするウィキリークスの発表を報じた。ウィキリークスはこれまで米国のスパイ活動を暴露し、ブラジル、ドイツおよびフランスなどの同盟国と米国との信頼関係を失墜させたが、今度はアジアに焦点を当てている。先週金曜日に公開したウェッブサイトでは「ターゲット・東京」と題し、35ヵ所のNSAの最高機密ターゲットが掲載されている。
今回表面化した米国によるスパイ活動について、ウィキリークス編集主任のジュリアン・アサンジは「日本への教訓はこうだ:超大国がグローバル諜報活動を敬意や尊敬を込めてやると思うな。ルールが無いことが唯一のルールなのだ」と語っている。一方、共同通信は「公表されたことが事実であれば、日本政府はNSAのスパイ行為に対し抗議するであろう」と報じているが、日本のある大学教授は「日米関係に重大な亀裂を生じることは考えにくい」と述べている。
中国
『新華社通信』は、8月2日、ウィキリークスが米NSAによる日本政府及び企業へのスパイ活動を報じて以降、日本政府はほとんど沈黙したままであると伝えた。
また、取材に対し、東京の米国大使館はウィキリークスの報告は承知しているが話すことは無いと述べており、三井はコメントを控え、三菱は回答しなかったと伝えた。同通信によれば、日本のメディアが余り報道していないにも拘らず、国民は失望を口にしており、スパイ行為を非難している。一部の日本人は「米国のような国がこんなことをするのは不思議ではない」というが、ほとんどの日本人は「友好的な同盟国が我が国をスパイする」ことを受け入れられずにいる。友好国間でのスパイ活動は昔からあることであるが、NSAのスパイ活動の規模と範囲は標的とされた仏、独、墨、伯などの同盟国を驚かせ、憤慨させた。彼らが日本と違うところは、スパイ活動に対し強く抗議したことだと同通信は評している。
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