中国人民解放軍(PLA)は2015年、様々な戦闘活動に対応するため、国産レーザー兵器を開発中と表明していた。その実施実験と見られるレーザー攻撃が今年4月、中国初のアフリカのジブチ海外基地で行われ、付近を飛行中の米空軍パイロットが目に障害を被ったとして米政府が非難している。そして直近10ヵ月程の間でも、東シナ海を飛行中の米軍機が度々レーザー照射を浴びたと報道された。米軍は、PLAが直接関わったかどうかは不確かとしながらも、同海域の中国漁船から何度も照射されたと発表している。なお、米中両国は、パイロット等の視力に損傷を与える、戦闘機能を持ったレーザーガンの使用を禁止する「国連通常兵器使用禁止制限条約」に加盟している。
6月22日付米
『CNNニュース』:「米軍関係者、太平洋を飛行中の米軍機が中国漁船からレーザー照射攻撃受けたと発言」
米軍関係者が『CNNニュース』に語ったところでは、太平洋の東シナ海上空を飛行中の米軍機が、昨年9月以来20回余りレーザー攻撃を受けているという。
今年初め、東アフリカの中国ジブチ海外基地からのレーザー照射攻撃を受けて、米軍パイロットが損傷を被っているが、東シナ海での攻撃では障害を受けたとの報告はない。...
全部読む
6月22日付米
『CNNニュース』:「米軍関係者、太平洋を飛行中の米軍機が中国漁船からレーザー照射攻撃受けたと発言」
米軍関係者が『CNNニュース』に語ったところでは、太平洋の東シナ海上空を飛行中の米軍機が、昨年9月以来20回余りレーザー攻撃を受けているという。
今年初め、東アフリカの中国ジブチ海外基地からのレーザー照射攻撃を受けて、米軍パイロットが損傷を被っているが、東シナ海での攻撃では障害を受けたとの報告はない。
中国外交部(省に相当)の耿爽(コン・シャン)報道官は6月22日、中国側からレーザー攻撃を受けたとする米メディアの報道は根拠のない言い掛かりだ、と一蹴した。
しかし、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は、中国政府が直接関わっていないからと言って、同政府からの指示や指導でかかる攻撃が行われた可能性は否定できないと報じている。
米海兵隊報道官は、米軍情報誌『アビエーション・ウィーク&スペース・テクノロジー』の取材に答えて、レーザー照射は中国の海岸からと中国漁船からの両方から攻撃されたと表明している。
なお、ジェームズ・マティス国防長官は今年2月、日米安保条約に基づいて、米軍が東シナ海の尖閣諸島を含めて日本の領土防衛に当ることを再確認している。
同日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「東シナ海飛行中の米軍パイロットにレーザー攻撃」
米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は6月21日、東シナ海上空を飛行中の米軍機が、今年に入って20回以上もレーザー照射攻撃を受けたと報じた。
同紙によると、今年4月のアフリカのジブチの中国海軍基地近くで起きたレーザー攻撃と異なり、報告された20回の攻撃のいずれの場合もパイロットが障害を受けたとの報告はないというが、他にも報告されていないレーザー照射もあるはずだとしている。
同紙は更に、米高官の話として、直近のレーザー照射は攻撃と言うよりも嫌がらせに近いものだとしながらも、今年になって中国南部の広州(コワンチョウ)駐在の外交官一家が原因不明の病気を発症したために避難の帰国をした事態も発生しており、看過できないとしていると報じた。
6月23日付英『ザ・サン』紙:「米軍関係者、太平洋飛行中の米軍機が中国からレーザー攻撃を受けていると非難」
米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙報道によると、米軍機にレーザー攻撃を仕掛けたのは中国国旗を掲げた漁船だとするも、米政府高官は背後に中国政府がいるかどうかについては確認していないという。
なお、今年4月に中国のジブチ海外基地で発生した米軍機へのレーザー攻撃について、照射されたパイロットが目に損傷を負ったことから、米軍は公式に中国側に抗議したが、中国国営メディアは、米国がレーザー攻撃されたとの偽の話をでっち上げていると報じている。
閉じる