3月3日付米
『Foxニュース』(
『CNNニュース』配信):「米空母、中国牽制のためベトナムに歴史的寄港」
米海軍の超大型原子力空母“カール・ビンソン”が3月5日、ベトナム戦争終結後四十数年間で米空母として初めて、ベトナムに寄港する。
同空母の4日間の寄港は、単なる訪問だけでなく、南シナ海で人工島建設、軍事拠点化を進める中国を牽制するという、米国の強い意思の表明を意味する。...
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3月3日付米
『Foxニュース』(
『CNNニュース』配信):「米空母、中国牽制のためベトナムに歴史的寄港」
米海軍の超大型原子力空母“カール・ビンソン”が3月5日、ベトナム戦争終結後四十数年間で米空母として初めて、ベトナムに寄港する。
同空母の4日間の寄港は、単なる訪問だけでなく、南シナ海で人工島建設、軍事拠点化を進める中国を牽制するという、米国の強い意思の表明を意味する。
ロドリゴ・ドゥテルテ政権となって、親中政策に転じたフィリピンと違って、ベトナムは依然中国との領有権争いを放棄していない。
ベトナムは2017年6月、実効支配している南シナ海南沙(スプラトリー)諸島内のバンガード堆(同諸島の最西端にある浅堆)の掘削作業を止めるよう中国側から要求されたが、これを拒否し、スペインの石油・ガス探査のレプソル社子会社に許可を与えた。
ただ、同年7月、中国側からの脅しに屈し、ベトナムは一旦同作業を中断している。
また、ベトナムは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国に対して、南シナ海における対中交渉に強く望むよう求めている。ただこれに関しても、目下のところASEANは、中国との協調路線を進もうとしている。
なお、中国外交部(省に相当)報道官は3月2日、米空母のベトナム寄港について、周辺国に懸念を抱かせるのではなく、地域の安定に貢献することを目的としたものであることを望むと釘を刺した。
一方、3月4日付英
『デイリィ・メール・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「ベトナム、米空母ベトナム寄港で中国を苛立たせないよう配慮」
ベトナムの外交筋によれば、3月5日の米空母“カール・ビンソン”のベトナム寄港について、ベトナム外交官が早くから中国側と接触し、広域での安全保障の一環であるとして、中国に懸念を抱かせないよう気配りをしてきたとする。
ベトナムの外交官及び軍高官はこれまでしばしば、南シナ海の領有権問題について強い立場で臨むとしながらも、中国含めて、どの国々とも安定的な関係を続けたいと発言している。
なお、米空母のベトナム寄港は、ドナルド・トランプ大統領が表明した、中国の台頭を抑えるとの方針の一環である。
しかし、中国側は、ベトナム共産党政府としては、米国側に気を遣いながらも、中国との関係継続も強く望んでいる事情をよく理解しているとみられる。
更に、同日付香港
『ジ・アジア・タイムズ』オンラインニュース:「インド太平洋に新たな同盟国が出現」
フランス海軍のヘリ空母“ジャンヌ・ダルク”が、英国海軍兵及び対潜哨戒ヘリコプター隊とともに東アジア・南太平洋海域に向かっている。
英仏両国は、同地域での中国の軍事拡大に対抗して、米国が推し進めるFONOを支援し、海洋連携を強化する目的で5ヵ月派遣することを決定したとする。
空母“ジャンヌ・ダルク”は、ミストラル級強襲揚陸艦“ディクスミュード”とラファイエット級フリゲート艦“スルクフ”を伴っている。
また、英海軍対潜フリゲート“サザーランド”が豪州との共同海上訓練の後、英国への帰港の途上で、南シナ海の監視航行に回されることが発表されている。
以上の動きより、中国によるインド太平洋海域での台頭に対抗していくべく協調している日米豪印4ヵ国に加えて、新たに英仏2ヵ国が協同していくものとみられる。
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既報どおり、中ロ両国は7月下旬、バルト海で合同海上演習を実施した。そして更に両国は、9月にも日本海とオホーツク海で合同演習を予定している。中ロ両国の軍事的連携強化が図られているとみられるが、実際は中国以上にロシアがしたたかさを見せている。すなわち、裏では、南シナ海で中国と領有権争いを続けている東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々に自国の武器をしっかり輸出しているのである。
8月8日付香港
『アジア・タイムズ』オンラインニュース:「ロシアの武器販売が中国のインド洋・太平洋地域での威力を削ぐ」
中ロ両国は、先月のバルト海での合同海上演習展開で、北大西洋条約機構(NATO)を牽制した。しかし、今後も両国の合同演習が予定されているものの、中ロ両国が軍事同盟関係まで発展する兆しはみえない。
ウラジーミル・プーチン大統領は、バルト海での合同演習の最終日の7月27日に合せたかのようにフィンランドを訪問した。...
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8月8日付香港
『アジア・タイムズ』オンラインニュース:「ロシアの武器販売が中国のインド洋・太平洋地域での威力を削ぐ」
中ロ両国は、先月のバルト海での合同海上演習展開で、北大西洋条約機構(NATO)を牽制した。しかし、今後も両国の合同演習が予定されているものの、中ロ両国が軍事同盟関係まで発展する兆しはみえない。
ウラジーミル・プーチン大統領は、バルト海での合同演習の最終日の7月27日に合せたかのようにフィンランドを訪問した。しかし、同大統領は、合同演習は具体的な第三国を仮想敵としたものではないと発言して、中ロ両国が軍事連携や軍事同盟を確立することはないとした。
ロシア政府の意向を裏付けるように、目下、ロシアによるASEAN諸国への武器輸出が盛んである。
●ベトナム:昨年1月、ロシア製潜水艦6隻の導入を決定。また、領有権争いのある南沙(スプラトリー)諸島において活用すべく、ロシア製沿岸防衛システム採用を検討中。更に、既に手当て済みのフリゲート艦(対空対潜対艦装備の小型駆逐艦)及びコルベット艦(対空対潜装置付きの輸送船護送用小型快速艦)に加えて、年内にフリゲート艦追加2隻導入予定。そして更に、ロシア製戦車64台を先月発注済み。ロシア側は、旧型のミグ21戦闘機を最新鋭ミグ35戦闘機への入れ替えを提案中。
●マレーシア:今年7月、同国空軍が保有しているミグ29戦闘機の装備一新サービス契約締結。
●フィリピン:今年5月にロドリゴ・ドゥテルテ大統領が訪ロした際、ロシア製武器一覧表を手交し、武器商談を進めることで合意。
●インドネシア:スホイSu-35戦闘機11機及びディーゼル・エレクトリック方式潜水艦導入を検討中。
更に、ロシアは、中国と国境問題でもめるインドにも積極的に武器輸出及び軍事提携を図っている。
・昨年、S-400ミサイル5基の商談開始。
・目下、ステルス・フリゲート艦4隻の購入、及びカモフ226T小型ヘリコプターの共同生産について協議中。
・原子力潜水艦1隻のリースと共に、Mi-17大型輸送ヘリコプター48機の商談が進行中。
・更に、BrahMos巡航ミサイルを共同開発して、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール向けに輸出計画。
以上のロシアによる活発な動きから、表向きは中ロ合同軍事演習等、内外への軍事アピールがあるものの、内実は、中国にとって頭痛の種になっている公算が大きい。
一方、8月7日付米『ブルームバーグ』オンラインニュース(『AP通信』配信):「インドネシア、ロシア製戦闘機をコーヒーやパーム油と交換」
インドネシア貿易省のマロロップ・ナインゴラン報道官は8月7日、インドネシアとロシアはモスクワで8月4日、スホイSu-35戦闘機11機と主要産品とを交換する覚書に調印したと発表した。
同省のエンガルティアスト・ルキタ大臣は、2012年にロシアとの関係が一時途絶えたが、その後の欧州連合や米国による対ロ経済制裁の拡大によって、インドネシアとロシア間での関係復活が現実的なものとなったと語った。
なお、インドネシアは2003年、スホイ戦闘機16機を購入している。
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