日本産ホタテ、中国の禁輸に遭って米国の他シンガポールにも輸出攻勢【シンガポールメディア】(2024/02/04)
日本産ホタテは、2022年実績で輸出品の93%が中国向けであった。しかし、福島原発の処理水を昨年8月から海洋放出するとの日本政府決定に反発して、中国政府は日本産の全水産物の輸入を禁止した。そこで、国内消費奨励はもとより、同盟国の米国への輸出に注力するだけでなく、2021年5月に日本産食品の輸入規制を撤廃しているシンガポール向けにも輸出攻勢をかけている。
2月3日付
『ザ・ストレーツ・タイムズ』(1845年創刊の英字紙)、
『アジアワン』オンラインニュース(2009年設立)等は、日本産ホタテの80%余りを占める北海道産ホタテが、中国の輸入禁輸措置を受けて、新たな販路として米国等に加えてシンガポールにも輸出攻勢がかけられていると報じた。
『ロイター通信』報道によると、日本の水産物輸出業者約700社が、2022年に中国向けに輸出した水産物の総額は6億ドル(8億300万シンガポールドル、約882億円)であった。...
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2月3日付
『ザ・ストレーツ・タイムズ』(1845年創刊の英字紙)、
『アジアワン』オンラインニュース(2009年設立)等は、日本産ホタテの80%余りを占める北海道産ホタテが、中国の輸入禁輸措置を受けて、新たな販路として米国等に加えてシンガポールにも輸出攻勢がかけられていると報じた。
『ロイター通信』報道によると、日本の水産物輸出業者約700社が、2022年に中国向けに輸出した水産物の総額は6億ドル(8億300万シンガポールドル、約882億円)であった。
北海道庁水産局の小林茂之水産食品課長(59歳)によると、“日本産ホタテの80%余りが北海道産で占められ、これによって北海道が「ホタテ王国」と呼ばれていて、残りは青森県・岩手県・宮城県産だ”という。
そして2022年における日本産ホタテの93%が中国向けで、残り7%は欧州連合(EU)・米国・東南アジア諸国連合(ASEAN)・香港等であったが、中国政府が2023年8月、福島原発の処理水を海洋放出するとの日本政府決定に反発して、ホタテを含む日本産水産物全品の輸入を禁止したため、大きな打撃を被ることになっている。
岸田文雄首相(66歳、2021年就任)は早速、新規輸出先開拓のために800億円(7億2,700万シンガポールドル)の支援金を拠出することを決めた。
また、昨年10月の『ロイター通信』報道によると、米国が日本支援の一環で大量のホタテを輸入することを決めただけでなく、初めて在日米軍基地向けにも供給することにしたという。
一方で、新型コロナウィルス感染症問題勃発以降、ホタテ輸出が滞っていたシンガポール向けの輸出商談も活発化している。
貿易・投資促進等を担う日本貿易振興機構(JETRO、2003年設立)はジャーナリスト・シェフ・ネットインフルエンサー等を招いてホタテの養殖や加工工場を案内しており、また、十の水産協同組合の代表が4月にシンガポールを訪問し、水産物輸入業者らにホタテの搬入についての商談を行う予定である。
ただ、『ザ・ストレーツ・タイムズ』が何人かの水産業者に取材したところ、シンガポール向け輸出に余り積極的でない声が聞こえている。
●北海道の水産問屋の札幌中央水産(1960年設立)の森脇信之執行役員(51歳)は、“政府の支援のお陰で国内向け販路強化が達成されつつあるので、ホタテ販売高に大きな落ち込みはない”として、輸出開拓に余り積極的ではない模様であった。
●北海道東端(知床・根室の中間)の野付漁業協同組合の内藤智明常務(65歳)は、“コロナ禍前は、シンガポール向けに毎年4~5トン輸出していたが、現在は停止していて、2023年実績では70%が国内向けで、残りは台湾や米国向けだ”という。
その上で、“現下のホタテ市場価格が乱高下(1㎏当り3千~4千円)している上に、同組合が輸出主流とする高級ホタテ(殻を向いて洗浄した大型品)の基準価格が、コロナ禍前の6千円レベルまで回復しないと、シンガポール向けの輸出再開は難しい”とする。
しかし、道庁水産局の小林課長は、米国・シンガポール向けの他、豪州・タイ・ベトナム等向け販路開拓にも注力していくとコメントしている。
更に、かつて中国向けに輸出したホタテを、現地で加工した上でアジア他向けに輸出していたが、中国に代わる加工工場をベトナムやメキシコに建設して、ホタテの他にブリやヒラメ等の北海道産の魚介類を新市場向けに供給していく計画も推進しているとする。
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米・英・シンガポール・中国メディア;南シナ海で中国が着々と既成事実作り(2017/02/23)
2月9日付
Globali「南シナ海問題をめぐるトランプ政権に対する中国の苛立ち」の中で、“マティス国防長官に続いてティラーソン国務長官まで、南シナ海問題含めて、(対中国を想定して)日豪韓同盟国との連携強化を強調するに至り、中国側の不満が爆発寸前である”と報じた。しかし、したたかな中国は、トランプ政権の重要閣僚がまだ全員承認されておらず、政権としての国家安全保障、外交政策等がしっかり打ち出せないでいる隙をついて、東南アジア諸国連合(ASEAN)恫喝や人工島へのミサイル配備の準備等、南シナ海における既成事実作りを着々と進めている。
2月21日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「南シナ海:ASEANが中国による軍事拠点化に戦々恐々」
「●フィリピンのペルフェクト・ヤサイ外相は2月21日、中国が南シナ海の領有権争いのある島嶼に武器配備を進めてきていることで、ASEAN諸国が不安を覚えていると表明。
●同外相はまた、米高官が2月18日に米軍空母打撃群による南シナ海パトロールを開始したと発表したこと、また中国は直近で同海域において空母を使った実戦演習を行ったことを引き合いに出して、米中双方は対話を進めることで、これ以上両国間で同海域での緊張を高めないように望むとも発言。...
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2月21日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「南シナ海:ASEANが中国による軍事拠点化に戦々恐々」
「●フィリピンのペルフェクト・ヤサイ外相は2月21日、中国が南シナ海の領有権争いのある島嶼に武器配備を進めてきていることで、ASEAN諸国が不安を覚えていると表明。
●同外相はまた、米高官が2月18日に米軍空母打撃群による南シナ海パトロールを開始したと発表したこと、また中国は直近で同海域において空母を使った実戦演習を行ったことを引き合いに出して、米中双方は対話を進めることで、これ以上両国間で同海域での緊張を高めないように望むとも発言。
●フィリピンは2017年ASEAN会議議長国で、ASEANとして中国側と南シナ海における行動規範(COC)を可及的速やかに策定すべく努力していく旨付言。」
2月22日付シンガポール
『アジアワン』オンラインニュース:「ASEAN、南シナ海の軍事拠点化に憂慮」
「●ASEAN諸国外相が2月21日にフィリピンで合同会議。
●ヤサイ外相が代表して、ASEAN外相会議の確認事項を発表;
・米中両国は軍事的緊張を高めず、両国間に対話を望むこと。
・ASEAN各国も、相互理解・信頼を基本に、対話で領有権問題を協議していくことを再確認。
・ASEANと中国間で、今年6月までにCOC枠組み策定を目指すが、ASEAN側としては、COCは法的拘束力がある内容とすることを希望。」
同日付中国
『新華社通信』:「米国干渉にも拘らず、中国・ASEAN間で南シナ海問題は元の対話ベースに」
「●2月21日に開かれたASEAN外相会議で、ASEANは中国側と、南シナ海におけるCOC枠組みを今年6月か7月までに策定する予定であると発表。
●これが意味するところは、米国の差し金で昨年7月に不当な裁定が出て以降、関係国間がぎくしゃくしたが、ASEAN・中国双方の努力によって、対話による解決という元の形に戻れたということ。
●相変わらず外国メディアは、中国が軍事拠点化していると針小棒大に報じているが、私利私欲かつ策略がある意図的なお決まりの報道。」
一方、同日付米
『CNBCニュース』(
『ロイター通信』配信):「米高官:中国が南シナ海に
ミサイル配備用の基礎工事完了」
「●米高官の情報によると、中国は最近、南シナ海人工島に二十数棟の建造物を建設。
●同建造物は長さが20メーター(66フィート)、高さが10メーター(33フィート)で、地対空長距離ミサイルの土台足り得るものと推定。
●米国防総省報道官は、米国としては“南シナ海非軍事化”方針に変更はなく、従って、関係各国には国際法に則った行動を取るよう要求すると表明。
●なお、米情報局高官によれば、中国が建設した建造物そのものはまだ当該地域派遣の米軍にとって脅威となっていないが、おそらく中国は、トランプ政権の出方をみるための活動だと分析。」
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