1月10日付Globali「安倍首相の中東訪問を米メディアも報道」で触れたとおり、米・イラン間の緊張が一挙に高まる中、当初予定どおり1月11~15日の中東訪問を行っている。そして、安倍首相は米連合国のサウジアラビアのムハンマド皇太子との会談を通じて、訪問目的の重要事項のひとつである、米国主導のホルムズ海峡安全航行監視有志連合に加わらず、個別に海上自衛隊をアラビア海に派遣する件につき、同国の支持を取り付けた。
1月13日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信配信』:「日本の安倍首相、ペルシア湾の脅威が増す中、サウジアラビア国王と会談」
日本の安倍晋三首相は現在、サウジアラビアに滞在している。
同国訪問目的は、1月12日にサルマン国王及びムハンマド皇太子と会談し、米・イラン間の緊張が一挙に高まっている中、関係国の自制を説いて回ることである。
中東原油にほぼ90%依存する日本は、ペルシア湾の安定と原油輸送の確保が国家安全保障上の優先事項である。...
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1月13日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信配信』:「日本の安倍首相、ペルシア湾の脅威が増す中、サウジアラビア国王と会談」
日本の安倍晋三首相は現在、サウジアラビアに滞在している。
同国訪問目的は、1月12日にサルマン国王及びムハンマド皇太子と会談し、米・イラン間の緊張が一挙に高まっている中、関係国の自制を説いて回ることである。
中東原油にほぼ90%依存する日本は、ペルシア湾の安定と原油輸送の確保が国家安全保障上の優先事項である。
日本は、同盟国米国の要求を呑んで、それまで原油輸入量の5%を依存していたイランからの原油輸入を2018年以降止めているが、イランとも長い友好関係にあることから、今回の米・イラン間の対立において、どちらか一方の肩を持つことは控えている。
ただ、日本は、米国が主導して行っている、ホルムズ海峡の船舶の航行の安全を確保するための有志連合による軍艦派遣には加わらなかったが、自国の輸送船の安全確保のための情報収集との目的で、ホルムズ海峡からは離れたオマーン及びイエメン沖の海上に、海上自衛隊の護衛艦1隻と哨戒機2機を派遣することとしている。
そしてこの程、原油輸入量の約39%を依存しているサウジアラビアを訪問し、同国首脳から、自衛隊派遣について理解を求めることも目的の一つであった。
なお、安倍首相はその後、1月14日にアラブ首長国連邦(UAE)、1月15日にオマーンを訪問する。
UAEでは、アブダビ首長国のムハンマド・ビン=ザイード皇太子と、また、オマーンでは、中東最長の首長であったカブース国王の急逝に伴い、1月11日に就任したばかりのハイサム・ビン・ターリク・アル=サイード新国王と会談する予定である。
1月12日付サウジアラビア『アシャーク・アル=オーサット(アラビア語で中東の意)』:「サルマン国王、日本の首相を歓迎」
サウジアラビア国営『サウジ通信』は1月12日、サルマン・ビン=アブドゥルアズィーズ国王が首都リヤドで日本の安倍首相と会談したと報じた。
同国王は、昼食会を開催して同首相を歓待した。
同首相は、5日間の中東訪問予定で、サウジアラビアの他はUAE及びオマーンを訪ねる。
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