9月3日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用):「中国を訪問して、オバマ氏はまず気候変動協定批准推進をアピール」
「●中国で開催のG20サミットに参加するため、中国東部の杭州(浙江省)に9月3日に到着したバラク・オバマ大統領は、国際社会が最も関心を払い、懸念を抱えているパリ協定に関し、米中間で協力して前進させる意向であると表明。
●米中両国は、南シナ海問題や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関わり意見・主張が対立。
●しかし、パリ協定発効条件は、署名済みの180ヵ国のうち55ヵ国以上が批准し、その温室効果ガス排出量が世界全体の55%を上回ることが条件であるため、世界の排出量の約40%を占める両国の批准が必須。
●なお、オバマ大統領はG20サミット後、現役大統領として初めてラオスを訪問し、アジアサミットにおいて米国のアジア戦略について講演するが、その機会を捉えて、フィリピンの新大統領とも会談予定。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「中国、G20
サミットに先駆けて、パリ協定批准を発表」
「●
『新華社通信』は9月3日、中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会がパリ協定を批准する決定を下したと報道。
●昨年12月のCOP21で採択されたパリ協定は、早ければ今年12月までに発効することが期待されているが、世界第1位(約27%)の温室効果ガス排出量を誇る中国が批准することで、未批准国へのインパクトは大。
●第2位の米国(約16%)も早晩パリ協定を批准すると見込まれ、米中両国が率先することで、同協定批准に拍車がかかると期待。
●なお、G20サミット参加国合計で世界の排出量の80%を占めるものの、中国が批准を発表する前の段階では、北朝鮮を含めて23ヵ国、合計排出量が僅か1%しか批准しておらず。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「中国、パリ協
定を批准」
「●パリ協定批准を承認した全人代常務委員会は隔月開催で、G20サミット開催直前の最終日に決定。
●同協定は、2017年4月21日までに発効条件を満たす必要。」
一方、同日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『新華社通信』記事引用):「G20は保護
貿易主義否定が必須」
「●2008年の世界金融危機以来8年が経つが、世界の景気回復は脆弱で、保護貿易主義の兆し。
●世界経済の主要部分を占めるG20サミットでは、これを明確に“否”とする必要。
●米国の大統領選を戦う共和党のドナルド・トランプ候補も、対抗馬の民主党のヒラリー・クリントン候補も、表現は違えど自由貿易に反対の立場。
●更に、今年6月の英国の国民投票で欧州連合離脱が決定され、保護主義に増々傾斜。
●世界貿易機関(WTO)データでは、世界貿易の減速で、かつての7%成長に比べて現在は2.8%まで落ち込み。
●直近でも、世界の貿易高は、2014年の19兆ドル(約1,980兆円)から2015年の16兆5,000億ドル(約1,720兆円)まで▼13%も減少。
●そこで、G20サミットを仕切る中国は、世界貿易と投資を引き上げて健全な世界経済成長を取り戻すべく、世界にはびこり始めた保護貿易主義を否定する力強い方針を打ち出すことが必要。」
温室効果ガスのうち、二酸化炭素の世界総排出量(2015年、一部推定)は335億トンで、
主要排出国は以下のとおりである。
①中国;91億5千万トン(27.3%)、②米国;54億9千万トン(16.4%)、③インド;22億
2千万トン(6.6%)、④ロシア;14億8千万トン(4.4%)、⑤日本;12億1千万トン(3.6%)。
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8月1日付米
『CBSニュース』(
『AP通信』記事引用):「北朝鮮のフィッシング攻撃を非難」
「●韓国の最高検察庁は8月1日、北朝鮮が韓国政府当局者にフィッシング攻撃(注1後記)を仕掛け、政府の機密情報を盗み出そうとしていると発表。
●同庁によると、北朝鮮政策に関わる韓国高官、ジャーナリスト、大学教授等にフィッシング・メールを送り、少なくとも56のアカウントのパスワードを盗み出し、機密情報にアクセスしようとしたと説明。
●ただ同庁は、今のところ機密情報が盗み出された事実はないと付言。
●一方、韓国警察は先週、ネット・ショッピングサイトへの同様のフィッシング攻撃によって、1,000万人以上のユーザーの個人情報が盗み出された疑いがあると発表。
●韓国政府は昨年、北朝鮮のサイバー攻撃部隊が強化されていて、2013年の3,000人から6,000人余りに増員され、韓国政府や軍部への情報戦を仕掛けていると公表。」
同日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「韓国検察、北朝鮮からのサイバー攻撃が継続と発表」
「●韓国最高検によると、北朝鮮のフィッシング攻撃によって、韓国政府高官、専門家ら90人のメールが盗み出されたと発表。
●また、韓国警察の発表では、北朝鮮のサイバー攻撃は、160にも上る企業、政府機関、非政府組織にも向けられ、約14万台のコンピューターに侵入。」
同日付韓国
『ザ・コーリア・タイムズ』紙:「北朝鮮のサイバー攻撃で56のパスワードが盗まれる」
「●最高検発表では、北朝鮮と思しきグループが今年1~6月の間だけで27もの偽サイトを作り、政府高官らのメールを読み取ろうと画策。
●56のパスワードが盗み出されたが、安全保障に関わる機密情報が漏れたかどうかはまだ不詳。
●同庁によると、2014年に韓国水力・原子力発電公社に対して行われたサイバー攻撃に近似しており、今回も北朝鮮の仕業だと断定。」
同日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『AFP通信』記事引用):「北朝鮮、韓国のメール・システムに侵入」
「●韓国の
『聯合ニュース』は8月1日、今年1~6月の間に、北朝鮮と思われるグループからサイバー攻撃を受け、韓国外交部、国防部、統一部の高官56名のパスワードが盗まれたと最高検が発表したと報道。
●また、同様のサイバー攻撃で、ネット・ショッピングサイトの1,000万人以上の顧客情報が盗み出され、同サイト経営者は7月11日、個人情報を非公開とする見返りに30億ウォン(260万ドル、約2億7千万円)を要求されたとの情報。」
一方、7月30日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』記事引用):「米空軍長官、米韓軍事演習実施と発表」
「●米空軍のエリック・ファニング長官は7月30日、北朝鮮が“悪質な”挑発だと非難する中、8月に予定どおり米韓軍事演習を実施すると発表。
●北朝鮮の米外交担当の高官は7月28日、米韓が南北朝鮮の非武装地帯南部で何度も共同演習を行っているが、これは明らかに北朝鮮への挑発で、北朝鮮はいつでも応戦できる用意はあると発言。
●同長官はマレーシア訪問時に語ったもので、朝鮮半島の安定に寄与するために何十年も続けている共同演習で、今回もその一環のものと付言。
●昨年の乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(注2後記)は、米兵3万人、韓国兵5万人が集う大規模な共同演習。
●同長官は、今年は規模が少々小さくなるものの、米政府によるアジア太平洋重点政策の下、同地域に常駐する将校・兵士は10万人以上と、4年前の7万人から大幅増と付言。」
(注1)フィッシング攻撃:インターネットのユーザーから経済的価値がある情報(例:ユーザー名、パスワード、クレジットカード情報)を奪うために行われる詐欺行為。典型的には、とにかく信頼されている主体になりすましたEメールによって偽のWebサーバーに誘導することによって行われる。
(注2)乙支フリーダム・ガーディアン:朝鮮半島有事に備えるために行われる米韓両国軍の年次合同軍事演習。
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