欧州医薬品庁は、オミクロン株の普及によって新型コロナウイルス感染症が風土病となり、人類はそれと共存していくことを学ぶことができる考えを示唆した。世界保健機関(WHO)もこの意見に同意しているが、ウイルスはまだパンデミック段階にあるとして、注意を呼びかけている。
仏誌
『レゼコー』の電子版によると、欧州医薬品庁(EMA)は12日、「新型コロナウイルスはまだパンデミックの段階にあるが、オミクロン株の拡大により、コロナウイルスは風土病となり、人類はそれと共存することを学ぶことができるだろう」と発表した。
またEMAは、繰り返しワクチンを投与することは「持続可能な」戦略ではないとして、4回目のワクチンを国民に投与することに疑問を呈した。アムステルダムに本拠を置くEMAのワクチン戦略責任者マルコ・カヴァレリ氏は、「いつトンネルの終わりに到達するかは誰にもわからないが、必ず到達する」と述べている。...
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仏誌
『レゼコー』の電子版によると、欧州医薬品庁(EMA)は12日、「新型コロナウイルスはまだパンデミックの段階にあるが、オミクロン株の拡大により、コロナウイルスは風土病となり、人類はそれと共存することを学ぶことができるだろう」と発表した。
またEMAは、繰り返しワクチンを投与することは「持続可能な」戦略ではないとして、4回目のワクチンを国民に投与することに疑問を呈した。アムステルダムに本拠を置くEMAのワクチン戦略責任者マルコ・カヴァレリ氏は、「いつトンネルの終わりに到達するかは誰にもわからないが、必ず到達する」と述べている。そして、「オミクロン株では、ワクチン接種に加えて自然免疫も多く得られるので、より地域的な流行に近いシナリオへと急速に進むだろう」と付け加えた。しかし、「まだパンデミックの中にいることを忘れてはならない」と強調した。
仏誌『レクスプレス』電子版によると、世界保健機関(WHO)のハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は記者会見で、アメリカの「保険指標評価研究所(IHME)は、このままでは、今後6週間から8週間のうちに、ヨーロッパ地域の人口の50%以上がオミクロンに感染すると予測している。」と述べ、このオミクロン株は、「ヒトの細胞に付着しやすくなっており、過去に感染した人やワクチンを接種した人でも感染する可能性がある」と説明した。ただし、オミクロン株の爆発的な感染拡大により、入院患者数は増加しているものの、死亡率は安定していると述べた。WHOは、インフルエンザのようにウイルスを風土病と分類することは現状では不可能であると指摘している。
WHOはまたEMAと同じく、現行のワクチンのブースター投与でパンデミックと戦うことは実行可能な戦略ではないと警告しており、特に「国民の疲労を招く恐れがある」と指摘している。その代わり、各国はブースターの接種間隔を長くし、インフルエンザワクチンのように冬の初めに接種することを考え始めるべきだと指摘している。
仏紙『ラ・デペッシュ』電子版によると、スペインのペドロ・サンチェス首相も、日刊紙「El País」のインタビューで、「もはや新型コロナウイルスをパンデミックと見なすのではなく、風土病、もう一つの呼吸器疾患と見なす」ことが正しい道筋であると述べている。サンチェス首相は、「新型コロナウイルスと人々の関係は、常に変化している。より多くの人がウイルスと接触しており、ワクチンで国民の大多数が保護されているため、対策や規制は緩くなりつつある。次の段階は、インフルエンザに近い方法でコロナを治療することだ。」と述べている。
さらに首相は、スペイン政府は、もはや「すべての症例を数え」、「わずかな症状でも検査する」ことを続けることはないだろうと述べ、第6波の後、新型コロナはスペインで、一つの呼吸器疾患として扱われると説明した。そのためには、「新しい手段が必要であり、欧州レベルでの議論も必要である」と語った。スペイン当局は、インフルエンザと同様の監視体制に移行することを検討しているという。医療システムを圧迫しかねない検査・追跡システムですべての症例を数えようとするのではなく、選ばれた医師からのサンプルデータを使って病気の波を予測し、対応する監視体制を模索している。
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