イタリア、サイバー攻撃によりワクチン予約システムが麻痺(2021/08/04)
イタリアの首都ローマのあるラツィオ州のITシステムが、8月1日からハッカー攻撃を受け、コロナワクチン接種の予約サイトとヘルスパスを発行するサイトへのアクセスが出来なくなった。
仏
『レゼコー』によると、8月1日以降、イタリア当局は「深刻かつ重大なサイバーテロ攻撃」を受けていると発表した。ローマ地域のITサービス、特にヘルスパスの発行や予防接種枠の予約サービスが麻痺している。ただし、サイバー攻撃が始まる前までに予約が済んでいた8月13日までの予約分は予定通り接種が可能だという。
2019年から2020年にかけてのパンデミックの最中、イタリアの行政インフラへのサイバー攻撃は246%と爆発的に増加した。...
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『レゼコー』によると、8月1日以降、イタリア当局は「深刻かつ重大なサイバーテロ攻撃」を受けていると発表した。ローマ地域のITサービス、特にヘルスパスの発行や予防接種枠の予約サービスが麻痺している。ただし、サイバー攻撃が始まる前までに予約が済んでいた8月13日までの予約分は予定通り接種が可能だという。
2019年から2020年にかけてのパンデミックの最中、イタリアの行政インフラへのサイバー攻撃は246%と爆発的に増加した。ラツィオ州当局は、この攻撃の影響を受けた何百万人もの人々の医療データはハッキングされていないことを発表した。仏ニュースサイト『レ・ニュメリック』によると、ラツィオ州のツイッターアカウントは3日、予約サービスは72時間以内に復旧すると明記し、「医療データなど、攻撃されなかったサービスのデータはすべて隔離され、特別なクラウドで保護されている」という。
しかし『レゼコー』は、今回の事故は、サイバー犯罪に対するイタリアの脆弱性を改めて浮き彫りにしたと伝えている。ここ数ヶ月の間に、特に繊維、精密工学、食品加工、保険などの分野で、イタリアの複数の企業がハッカーの被害に遭っている。昨年も、カンパリ、エネル、ルックスオティカ、レオナルドといったイタリア経済の覇者たちが標的となった。IBMの最新レポートによると、イタリア企業がサイバー攻撃を受けた場合の平均コストは319万ドル(約3億5千万円)から361万ドル(約3億9千万円)へと13.5%増えている。企業へのサイバー攻撃による年間コストは70億ユーロ(約9千億円)にのぼるという。
6月中旬、技術革新・デジタル移行担当大臣のヴィットリオ・コラオ氏は、「ハッカー対策シールド」の必要性を認めた。「政権の1万1千台のサーバーのうち95%が老朽化している。450万の中小企業の84%がサイバー攻撃に対応できない」と述べた。その対応策としてサイバーセキュリティに特化した政府機関の設立が発表された。この「国家戦略センター」の設立は、欧州復興計画から9億ユーロ(約1100億円)を得て、2022年半ばまでにオープンできるよう加速されるという。180の公的機関の最も機密性の高いデータが優先的に移行される予定だ。
『フランスアンフォ』によると、ラツィオ州のジンガレッチ首長は、今回の攻撃が「他の国から来たもの」であることを明らかにしたが、どの国から来たのかは特定せず、「その出所はわからない」と述べた。また、地域のコンピュータシステムのブロックを解除するための身代金要求は受けていないと断言した。
今回の「ランサムウェア」の背後にいる人物を特定するため、ローマ検察庁が捜査を開始した。
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英仏メディア:大会史上最も奇妙なオリンピック大会(2021/07/19)
1年の延期を経て今週ようやく開幕する東京オリンピック。海外選手や関係者が毎日日本に到着している。そんな彼らの目には今回のオリンピック大会がどのように映っているのか、フランスやイギリスのメディアがコロナ禍のオリンピック開催直前の様子を紹介している。
仏
『フランスアンフォ』は、第32回目のオリンピックは「特別な大会」だと伝えている。感染拡大を予防するために厳戒体制の中で開催される。スタジアム、テニスコート、さらには水泳競技にも観客を入れずに競技が開催される。日本の人々を安心させるためにバブル方式が採用され、東京では午後8時以降に飲食店を閉鎖することも決定された。
選手達も厳格な管理のもとで競技に参加することになる。選手は東京以外の地域で、トレーニングセンターやホテルに隔離されている。...
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仏
『フランスアンフォ』は、第32回目のオリンピックは「特別な大会」だと伝えている。感染拡大を予防するために厳戒体制の中で開催される。スタジアム、テニスコート、さらには水泳競技にも観客を入れずに競技が開催される。日本の人々を安心させるためにバブル方式が採用され、東京では午後8時以降に飲食店を閉鎖することも決定された。
選手達も厳格な管理のもとで競技に参加することになる。選手は東京以外の地域で、トレーニングセンターやホテルに隔離されている。誰もが自分のテーブルで、一人で食事を取る。特派員のカミーユ・ギュタンさんは「空港での管理も非常に厳しく、選手たちは毎日テストを受けている」とコメントしている。
仏『20ミニュット』は、オリンピック関係者が日本の空港に着いた際、感染防止対策のためとは言え、やりすぎではないかと思われるほど永遠に続く手続きが待っていると報じている。
20ミニュットの記者は、空港では検査を受けるだけでなく、様々な書類の手続きを行わなければならず、空港を出るだけで5時間かかったと述べている。ワクチン接種をしているかどうかは確認されずに、3週間の間に10回以上検査を受けなければならないことには納得がいかないようだ。メディア関係者の場合、3日間の自主隔離期間が義務付けられているが、毎日行う検査の検体を届けるために、外に出なければならないため、自主隔離の意味はあるのかと指摘している。
なお、20ミニュットの記者は、日本行きのフライトでポーランドの選手たちと一緒になった。しかし、ポーランド人は室内ではマスクを着けず、外でマスクを着用する場合でも正しく着用できていないことに気が付き、日本に向かう機内での関係者同士の感染のリスクは十分ありうることだと指摘している。
英『スカイニュース』は、匿名希望のIOC委員が「これまでで最も奇妙な大会」だと述べたことを伝えており、東京に1週間以上滞在しているスカイニュースの記者も、同じ印象を持っていると報告している。
異例尽くしの今大会。東京に向かう前から3回のPCR検査に、12時間マスクを着用しなければならないフライトに搭乗するための膨大な書類作成などを乗り越えなければならない。そして成田空港に到着すると、オリンピックチームの責任者であろうと、何度も金メダルを獲得している選手であろうと、初めて参加する選手であろうと、3時間から4時間に及ぶ入国プロセスが始まる。
スカイニュースの記者も、3日間の自主隔離期間とその後も続く厳しい管理体制に言及している。外出情報を常に報告するだけでなく、毎日の健康に関する質問と体温チェック、そして移動の追跡のために、2種類のアプリをダウンロードしなければならないという。多くの英国人選手が、「これが新しい日常なのだ」とため息をつきながら、本番に向けての準備に取り組んでいるという。
ただし、本番に備えるために確保された設備面に関しては、素晴らしい設備だと記者は絶賛している。選手達をサポートする医療関係者などを含む後方支援チームも来日して着々と準備を進めている。そのため、コロナや蒸し暑い気候にもかかわらず、記者がこれまでに東京で話を聞いた選手たちは皆、東京に来たことを喜んでいるという。家に帰りたいと言ったり、懸念を示したりする選手は一人もおらず、英国チーム内の雰囲気は良く、楽観的で、多くの選手が東京で輝けるチャンスを夢見ているという。
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