米メディア;『NBC』幹部が北京冬季大会視聴率低迷もストリーミング視聴率増でカバーと表明
先週、GLOBALiでも触れられたとおり、米
『ワシントン・ポスト』等が開催中の北京冬季大会の視聴率低迷について報じている。しかし、2032年までのオリンピック独占放映権を保有する米
『NBC』(1938年開局の米三大ネットワークのひとつ)は、新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題等に伴う視聴率低迷を認めるも、最新のサービスであるストリーミング(注1後記)での視聴率増でカバーされているとコメントしている。
米
『Foxニュース』は2月13日、「
『NBC』、中国と他の国際社会との“複雑な”関係で北京冬季大会視聴率“混迷”に対応と表明」と題する記事の中で、オリンピック独占放映権を保有する米
『NBC』が、北京大会視聴率等についてのコメント記事を掲載している。
同メディアは、『ハリウッド・リポーター』誌(1930年発刊の週刊誌)による『NBCスポーツ』のピート・ビバクア会長のインタビュー記事を引用して、以下のように報じた。...
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米
『Foxニュース』は2月13日、「
『NBC』、中国と他の国際社会との“複雑な”関係で北京冬季大会視聴率“混迷”に対応と表明」と題する記事の中で、オリンピック独占放映権を保有する米
『NBC』が、北京大会視聴率等についてのコメント記事を掲載している。
同メディアは、『ハリウッド・リポーター』誌(1930年発刊の週刊誌)による『NBCスポーツ』のピート・ビバクア会長のインタビュー記事を引用して、以下のように報じた。
すなわち、同会長は、今回の北京大会が前回2018年の平昌大会と比べて視聴率が低迷していることに対して、元々冬季大会の視聴率を稼ぐのは“難しい”もので、今回も予想どおりだとコメントした。
同会長は、“今回の北京大会はCOVID-19感染問題最中のものであり、かつ、半年前に東京夏季大会があったばかりという異例なスケジュールの影響もあって、苦戦を強いられることは予想していた”と言及している。
更に、“試技前後の代表選手は皆マスク着用であり、一般の観戦者も入れない状況下、視聴者の方も、本来なら選手が応援に駆け付けた家族・友人・ファン等と喜びを分かち合うシーンが見られないこともあって、興味が半減するだろうことは想像できる”とした。
ただ、同会長は、テレビ視聴率は低迷していても、同社のストリーミング・サービス『ピーコック』(注2後記)による視聴率増加に期待していると付言している。
同会長は、“東京大会と北京大会との視聴率の差について報じられているが、『ピーコック』契約者増及び当該視聴率の増加を目の当たりにして、『NBC』がオリンピック競技を様々な媒体を通して視聴者に提供できているはずだ”とも言及した。
また、同会長は、“次のパリ夏季大会(2024年)、イタリア冬季大会(2026年)、更にはロスアンゼルス夏季大会(2028年)を迎えるに当たって、その頃までにはCOVID-19禍も完全に治まっていると思われことから、視聴率増が見込まれる当社のみならず、世界の人々にとっても非常に望まれることであろう”とも表明している。
一方、『NBCスポーツ』のオリンピック放送全般のTVプロデューサー幹部のモーリー・ソロモン氏は、サバンナ・ガスリー報道記者とマイク・ティリコ司会者が北京大会開会式の放送時、“中国が他の国際社会との複雑な関係”にあることに焦点を当てて報じたことについて、“非常に誇り高く”思っていると評価した。
すなわち、ガスリー記者が、“習近平国家主席(シー・チンピン、68歳)が同開会式において、聖火点灯の最終ランナーにウィグル人選手を起用したことで、中国共産党政府はウィグル族の民族虐殺を行っていると非難している米国他西側諸国に対して、意図的に挑発したものと考えられる”とコメントした上で、“この問題は今後更に物議を醸すことになろう”と言及していたからである。
(注1)ストリーミング:主に音声や動画などのマルチメディアファイルを転送・再生するダウンロード方式の一種。通常、ファイルはダウンロード完了後に開く動作が行われるが、動画のようなサイズの大きいファイルを再生する際にはダウンロードに非常に時間がかかってしまい、特にライブ配信では大きな支障が出る。そこで、ファイルをダウンロードしながら、同時に再生をすることにより、ユーザーの待ち時間が大幅に短縮される。この方式を大まかに「ストリーミング」と称する。
(注2)『ピーコック』:定額制動画配信サービス。2020年立ち上げ。
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中国;“くまのプーさん”は習近平国家主席を愚弄するものとしてディズニー最新映画を公開禁止措置【米・英国メディア】
昨年から報じているとおり、中国当局は、絶対的リーダーである習近平(シー・チンピン)国家主席の尊厳を蔑ろにしかねないとして、ディズニー映画のキャラクターの“くまのプーさん”のソーシャルメディア上での画像投稿を制限してきている。そして今度は、実写版のディズニー最新映画“プーと大人になった僕(原題;クリストファー・ロビン)”の公開を禁止する措置を講じた。
8月7日付米
『Foxニュース』:「ディズニー映画“くまのプーさん”、中国で公開禁止」
米エンターテインメント誌『ハリウッド・リポーター』によると、中国当局が、ディズニー映画最新版“プーと大人になった僕(原題;クリストファー・ロビン)”の公開を禁止したという。
理由は明かされていないが、中国当局は昨年、ディズニー漫画映画のキャラクターの“くまのプーさん”をインターネット上に画像投稿することを制限している。...
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8月7日付米
『Foxニュース』:「ディズニー映画“くまのプーさん”、中国で公開禁止」
米エンターテインメント誌『ハリウッド・リポーター』によると、中国当局が、ディズニー映画最新版“プーと大人になった僕(原題;クリストファー・ロビン)”の公開を禁止したという。
理由は明かされていないが、中国当局は昨年、ディズニー漫画映画のキャラクターの“くまのプーさん”をインターネット上に画像投稿することを制限している。
英『BBCニュース』によると、習近平国家主席と似た“くまのプーさん”を引き合いに出し、権威ある国家主席の尊厳を蔑ろにしたり、また、反政府運動の象徴として使ったりされているとして、中国当局が厳しく検閲しているものと解説した。
同キャラクターは、2013年に習国家主席がバラク・オバマ大統領(当時)と歩く画像が、ティガー(同漫画映画に登場するトラ)と並び歩く画像と一緒に投稿されて以降、盛んに登場し始めていた。
ただ、『ハリウッド・リポーター』は別の専門家の話として、中国が年間の海外映画本数を34本に制限していることから、同映画がこれに引っかかった可能性があるという。
ディズニー映画では、SFファンタジー映画“五次元世界の冒険(原題;リンクル・イン・タイム)”も中国で公開されなかった。
同日付英『スカイ・ニュース』:「中国、習国家主席近似で問題だとしてディズニー最新映画“くまのプーさん“の公開禁止」
英児童小説家A.A.ミルン原作の“くまのプーさん”の最新実写版映画の上映が、中国で禁止された。
ディズニー映画配給担当のキャスリーン・タフ主任は、中国での公開が差し止められたことを認めた。ただ、同主任は、中国以外の世界各国で、夏上映の“唯一のファミリー映画”として注目を浴びていることを喜んでいると付言した。
中国では、2013年のオバマ大統領(当時)と歩く場面に続き、2014年に安倍晋三首相と握手する場面も、プーさんがイーヨー(同映画に登場するロバ)と握手する映像と一緒に盛んにインターネット上に投稿されていた。
そこで昨年、中国当局は、習国家主席を揶揄するような映像の投稿を制限し、インターネット上の検閲を厳しくし始めている。
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