映画『バービー』、ベトナムのみならず米共和党重鎮も中国プロパガンダ支持の作品と猛批判【米・英国メディア】
実写版映画「バービー」が、中国主張の南シナ海領有権を示す「九段線」を描写した地図を使っていることを理由にベトナムで上映が禁止された。そして今度は米共和党重鎮の上院議員が、中国のプロパガンダを容認するものだとして猛批判している。
7月4日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙、英国
『デイリィ・メール』紙等は、米共和党重鎮の上院議員が、中国主張の「九段線」を示す地図を映像に使っていることから、実写映画「バービー」は中国プロパガンダを支持する作品だと猛批判していると報じた。
米共和党重鎮のテッド・クルーズ上院議員(52歳、テキサス州選出、2013年初当選)は7月3日、7月21日から全米で上映される実写版映画「バービー」について、中国共産党のプロパガンダを反映させた映像を流すものだとして猛批判した。...
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7月4日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙、英国
『デイリィ・メール』紙等は、米共和党重鎮の上院議員が、中国主張の「九段線」を示す地図を映像に使っていることから、実写映画「バービー」は中国プロパガンダを支持する作品だと猛批判していると報じた。
米共和党重鎮のテッド・クルーズ上院議員(52歳、テキサス州選出、2013年初当選)は7月3日、7月21日から全米で上映される実写版映画「バービー」について、中国共産党のプロパガンダを反映させた映像を流すものだとして猛批判した。
同映画では、中国が南シナ海において一方的に自国領海と主張する「九段線」が描写された地図が映像として使われている。
上記主張は2016年、同じく自国領海だと主張するフィリピンの提訴を受けた常設仲裁裁判所(PCA、1901年設立、所在地オランダ・ハーグ)によって否定されたが、中国側はこの裁定を一切受け入れていない。
かかる背景もあって、同海域の西沙諸島(パラセル)及び南沙諸島(スプラトリー)の領有権で中国と対立しているベトナムがこの程、同映画の上映を禁止すると発表した。
同上院議員は、“この映画は中国制作としか思えない”と、親中国の映画だとの批判の声を更に強調するツイートをした。
同上院議員事務所は、“中国は米国の見聞や思想をコントロールすべく、規模の大きい米国映画業界において、今回の映画「バービー」を利用して中国のプロパガンダを喧伝しようとしている”との同上院議員コメントを出している。
同上院議員は昨年、ハリウッド映画制作会社が中国の検閲を受け入れた場合、当該会社への連邦政府の援助や協力が打ち切られることになる法案を提出し、立法化されている。
豪州国立大学(1946年設立)国際法専門のドナルド・ロズウェル教授は、豪州NPOウェブサイト『ザ・カンバーセイション』に投稿して、“中国は南シナ海の石油・天然ガス等の資源を確保するため、自国の主権内と一方的に主張してベトナムやその他の国の漁船等を追い出し、また、当該主権を示す”九段線“の地図を事ある毎に示して既成事実化しようとしている”と批判した。
更に同教授は、“利用できるものはハリウッド映画も同様で、今回の映画の中でも「九段線」の正統性を知らしめようとしている”と言及している。
ベトナムは2022年も、米アクションアドベンチャー映画「アンチャーテッド」を同様の理由で上映禁止としている。
なお、フィリピンのウェブサイト『エスクァイア・フィリピン』によると、中国では、バービー人形そのものは十年以上前に廃れてしまっているが、未だに世界で販売されている当該人形の多くの製作を担っているという。
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バイデン大統領、高齢ゆえか公式行事壇上で少し躓いただけで野党・共和党も評論家も大統領選再出馬に暗雲と大騒ぎ【欧米メディア】
ジョー・バイデン大統領(80歳、2021年就任)は6月1日、米空軍士官学校の卒業式に出席した際、檀上にあった砂袋に躓いて転んでしまった。怪我をした訳ではないが、そのニュース映像が流されるや否や、野党・共和党の大統領選予備選立候補者らはもとより、政治評論家まで同大統領の再出馬に暗雲と大騒ぎしている。
6月1日付
『ニューヨーク・ポスト』紙、6月2日付
『AP通信』、
『ロイター通信』等は、ジョー・バイデン大統領がある公式行事に出席した際、壇上で躓いてしまったことを受けて、共和党の大統領選予備選立候補者らが一斉に、同大統領の再出馬に疑義が生じたと騒ぎ立てたと報じている。
ジョー・バイデン大統領は6月1日、コロラド州コロラドスプリングス在の米空軍士官学校(1954年設立)の卒業式に出席した際、壇上に据えられたテレプロンプター(講演者補助用装置)を押さえつけていた砂袋に躓いてしまった。...
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6月1日付
『ニューヨーク・ポスト』紙、6月2日付
『AP通信』、
『ロイター通信』等は、ジョー・バイデン大統領がある公式行事に出席した際、壇上で躓いてしまったことを受けて、共和党の大統領選予備選立候補者らが一斉に、同大統領の再出馬に疑義が生じたと騒ぎ立てたと報じている。
ジョー・バイデン大統領は6月1日、コロラド州コロラドスプリングス在の米空軍士官学校(1954年設立)の卒業式に出席した際、壇上に据えられたテレプロンプター(講演者補助用装置)を押さえつけていた砂袋に躓いてしまった。
この事態について、ホワイトハウスのベン・ラボルト広報部長(41歳、2023年就任)は早速、“壇上の砂袋にちょっと躓いただけで、大統領は何ともない”とツイートして何ら問題はなかったと強調している。
高齢大統領ではあるものの、下を見ないで歩いて躓いたことからの事態で誰にでも起こることだが、このニュース映像を見て、共和党の大統領選予備選立候補者らが大げさに取り上げている。
まず、ドナルド・トランプ前大統領(間もなく77歳、2017~2021年在任)は遊説先のアイオワ州で、“転ぶとはお気の毒に”とした上で、“空軍士官学校で転ぶ(Fall=落下という表現使用して)とは全く場所が悪い”と揶揄している。
ただ、トランプ自身も2020年6月、ニューヨーク州ウェストポイント在の米陸軍士官学校(1802年設立)の卒業式に出席した際、緩やかな坂をこわごわと歩き下りたことから、高齢による健康状態に疑念を持たれることがあった。
また、フロリダ州のロン・デサンティス知事(44歳、2019年就任)はニューハンプシャー州において、“怪我をしたなら一日も早く快復することを祈る”としながらも、“同時に、バイデン政権によって傷ついた米国を早期に快復させることを願う”と皮肉を込めてコメントしている。
更に、政治評論家らも、同大統領が昨年6月、大統領専用機搭乗の際にタラップで転びかけたり、また自宅近くで自転車走行中に転んでしまったことが立て続けに起こっていることや、僅か2週間ほど前にも、主要7ヵ国首脳会議(G-7サミット)で訪日した際、厳島神社の階段を降りるときに転びそうになっていたこと等を例に挙げて、健康への懸念を表明している。
すなわち、いずれも幸い怪我はなかったが、来年の大統領選投票後には82歳となり、もし再選されると第2期終了時には86歳にもなるとし、いつ何時健康被害等が起こらないとも限らないとして、民主党としても来年の大統領選予備選候補者選びに慎重になる必要があろうと説いている。
なお、最近の世論調査でも、(バイデンにしろトランプにしろ)75歳以上の大統領が就任することを訝かしむ声が増えている。
また、米疾病予防管理センター(1992年設立)が集計したデータによると、65歳以上の
高齢者が転んだことで死に繋がった例が死因の上位になっている。
一方、同大統領付きのケビン・オコーナー医師(50代、2021年就任)は今年2月、同大統領の健康診断を行った後、“大統領は80歳と思えない程若々しく、引き続き職務を全うするのに何ら問題となることはない”との診断結果を公表している。
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