オーストラリアは25日、ニュースコンテンツをプラットフォームに表示する場合にニュース使用料を支払うことを義務付ける「ニュースメディア取引法」を可決した。しかし、数カ月に及ぶオーストラリア政府とプラットフォーム大手の争いの結果、内容の修正された法案が可決されることになり、その効果に評価は分かれている。
カナダ最大の日刊紙
『トロントスター』は、フェイスブックがニュース使用料を要求する法案に反発して、1300万人のオーストラリア人ユーザーが、ニュース閲覧ができなくなる措置を予告なく取ったことは傲慢であったと報じている。
フェイスブックはその後、オーストラリア政府が条件を緩和する方向で修正を加えたことで措置を解除し、新法に合意した。『トロントスター』は、フェイスブックはかなり譲歩し、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者がG20の国をいじめて服従させようとした初の試みは失敗に終わったと報じている。...
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カナダ最大の日刊紙
『トロントスター』は、フェイスブックがニュース使用料を要求する法案に反発して、1300万人のオーストラリア人ユーザーが、ニュース閲覧ができなくなる措置を予告なく取ったことは傲慢であったと報じている。
フェイスブックはその後、オーストラリア政府が条件を緩和する方向で修正を加えたことで措置を解除し、新法に合意した。『トロントスター』は、フェイスブックはかなり譲歩し、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者がG20の国をいじめて服従させようとした初の試みは失敗に終わったと報じている。
同紙は、新法の成立は、単にニュース使用料の義務化の法案が通ったというものではなく、今回繰り広げられたテック企業対政府の確執は、世界の指導者たちの注目を集め、プラットフォーム大手を抑制するための独自の対策を計画している指導者たちを勇気づけたと伝えている。そして、オーストラリアで繰り広げられた論争は、ソーシャルメディアの改革に新たな弾みをつけたという。同紙は、オーストラリアは20年以上前の創設以来、無法地帯であり続けたソーシャルメディア業界に、最初の意味ある規制を課すことで画期的な成果を達成したと伝えている。
一方英ニュースサイト『ザ・テレグラフ』は、フェイスブックとグーグルはオーストラリア政府に対し恐喝行為を行ったとする記事を掲載している。
デイリーメールをはじめ複数のメディアを所有する「デイリーメールアンドジェネラルトラスト(DMGT)」の会長であるロザミア卿は、英「フィナンシャルタイムズ」に掲載された投書で、ニュース使用料騒動について「政治家は非常に心配すべきだ」と述べている。
ロザミア卿は、「ニュースを報道するにはお金がかかる。しかし、何年もの間、グーグルとフェイスブックは使用料を払わずにニュースコンテンツを略奪してきた。同時に彼らが支配している広告市場から、これまで以上に大きな利益を得ている。」と2社を批判している。
そして、新法導入に対し「プラットフォームは恐喝で応答した。グーグルはオーストラリアでの検索エンジン提供を停止すると脅し、フェイスブックはニュース閲覧や共有を遮断した。オーストラリアは身代金を要求され、そして降伏した」と述べている。条件の緩和された修正案が可決されたことで、グーグルやフェイスブックは、ニュースパブリッシャーに対し「この金額で満足できないなら、お帰りください。」という姿勢での取引が行えることになった。「これでは公正な独立した仲裁は存在しないだろう。」と指摘している。
ロザミア卿は、「フェイスブック自らが、自社が選んだニュースパブリッシャーをサポートするために、ニュースが表示されるかどうかを決定する権限はフェイスブック側が保持するということをオーストラリア政府は明確にしたと発表した。言い換えれば、フェイスブックがこの戦いに勝ったのである。フェイスブックが、ソーシャルメディアでどのニュースが読まれるか、それに対していくら支払うかを決定することになる。」と述べている。そして、「今、政治家たちは、誰がルールを作っているのか、と自問自答しなければならない。プラットフォームが、自分たちが好む出版社との秘密の取引で、一般の人々が読むことができるニュースを決定するのだろうか?それとも政府や規制当局は、すべての人に公正で透明性のある取り扱いを保証するために、真の決意を持って行動するのだろうか?」と問いかけている。
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