インド下院、刑事責任を問われた当選者の割合が40%超に:市民団体調査
インドで選挙改革を推進する市民団体の民主改革協会(ADR)が25日に公表した調査結果によると、先日行われた同国下院選の当選者のうち、刑事責任を問われたことのある人の割合が43%に達し、殺人などの重大犯罪の場合もあることが判明した。
『AFP通信』や地元メディア
『タイムズ・オブ・インディア』などが、27日までにADRの調査について報じた。インドの政治に説明責任を求める同団体の取り組みの成果もあって、同国の選挙管理委員会は今年、立候補者らに対し、選挙期間中に自らの犯罪歴の詳細を公開することを義務付けた。同団体は、犯罪歴のある議員の数は増加しており、2004年に調査を開始して以来最高となったと指摘している。
ADRが23日に当選が確定した543人中539人の経歴を調査したところ、刑事手続を受けたことのある当選者は少なくとも233人に上った。...
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『AFP通信』や地元メディア
『タイムズ・オブ・インディア』などが、27日までにADRの調査について報じた。インドの政治に説明責任を求める同団体の取り組みの成果もあって、同国の選挙管理委員会は今年、立候補者らに対し、選挙期間中に自らの犯罪歴の詳細を公開することを義務付けた。同団体は、犯罪歴のある議員の数は増加しており、2004年に調査を開始して以来最高となったと指摘している。
ADRが23日に当選が確定した543人中539人の経歴を調査したところ、刑事手続を受けたことのある当選者は少なくとも233人に上った。2014年の調査時の185人から26%増加しており、ADRは「民主主義に害をもたらす不穏な傾向」があると分析した。
今回の選挙では、ナレンドラ・モディ首相率いる政権与党・人民党が大勝を果たしたが、同党の当選者303人のうち116人が刑事手続を受け、1人はテロ事件に関与した責任を問われている。最大野党・国民会議派の当選者では、52人中29人が刑事責任を追及されており、ケララ州イドゥッキ県のある議員は、殺人や強盗など204件もの罪に問われた。
ADRによると、重大な犯罪で刑事手続を受けている議員数は、過去10年で2倍以上に増加しているという。今回の調査では、重大犯罪として、殺人が11件、計画性のない殺人や過失致死が30件、強制性交等が3件あった。
インドの法律では、犯罪行為の内容によって一部例外はあるが、議員が在任中に有罪判決を受け、2年以上の禁錮刑に処せられた場合には、その後の選挙に立候補することができない。しかし、初めての立候補については、それまでの有罪判決が問題になることはない。議会の前会期中に185人の議員が刑事手続を受けていたが、最終的に有罪となった議員はなく、その多くが今回の選挙で再当選を果たしている。
人民党から立候補し、今回初当選したある議員は、2008年に発生し6人が殺害されたテロ事件で刑事手続を受けているが、容疑を否認しており、かつての国民会議派政権によって無実の罪を負わされたと主張している。インドの政党は、自党候補者の犯罪歴について、政争の犠牲者であるとして問題視しない場合も多いという。
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40年間行方不明のインド人男性がユーチューブ映像により家族と再会
インドで40年間行方不明だった男性が19日、家族と再会することとなった。男性が人気映画の歌を歌う動画が、ユーチューブ上で拡散したことがそのきっかけだった。
現在66歳のガンビール・シンさんは、北東部マニプール州の州都インパールの出身で、26歳だった1978年、自宅を出た後に行方がわからなくなった。その後家族との連絡は完全に途絶え、何の音沙汰もなかったという。
そして故郷から3,300キロ離れたムンバイの路上で、ボリウッド映画の劇中歌を歌う白いものが混ざった髭を生やした男性を撮影した動画が、昨年10月にユーチューブに投稿された。ボリウッドとは、ムンバイのインド映画産業の総称で、ムンバイの旧名のボンベイと米国のハリウッドを合わせたものである。...
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現在66歳のガンビール・シンさんは、北東部マニプール州の州都インパールの出身で、26歳だった1978年、自宅を出た後に行方がわからなくなった。その後家族との連絡は完全に途絶え、何の音沙汰もなかったという。
そして故郷から3,300キロ離れたムンバイの路上で、ボリウッド映画の劇中歌を歌う白いものが混ざった髭を生やした男性を撮影した動画が、昨年10月にユーチューブに投稿された。ボリウッドとは、ムンバイのインド映画産業の総称で、ムンバイの旧名のボンベイと米国のハリウッドを合わせたものである。
その動画の中で、男性は自分のことをマニプールのシンと名乗っていた。それを見たある視聴者がインパールの地元団体に連絡し、彼らがシンさんの家族に知らせたところ、この男性が身内であることが確認された。そしてインパールの警察から連絡を受けたムンバイの警察が、男性を同市郊外のバンドラにある駅の外で発見した。
男性の映像を撮影し、ユーチューブに投稿したストリート・フォトグラファーのシャキール氏は、「男性は路上で古いヒンドゥーの歌を歌い、物乞いをして金を恵んでもらっていた。」と説明している。男性は建築現場で働いていたが、2度ほど事故に遭い、酒におぼれる生活になったと語っていたという。シャキール氏は男性を頻繁に見かけたため、ある日彼が歌っているところを撮影することにした。
地元紙のタイムズ・オブ・インディアによれば、シンさんは元陸軍士官で、短い間結婚生活を送った妻と離婚し、その後インパールを離れた。動画は約5万5,000回再生され、身元の確認に役立った。シンさんの兄弟は「甥たちの1人が映像を見せてくれた時、自分の目を疑った。再び生きて会えるという希望はすっかり失っていた。」と語っている。
シャキール氏は、「この話は一筋の希望を与えてくれる。もし撮影した動画がある男性の人生を変えることができれば、これほど大きな奇跡はない。」と話している。家族や近所の人々は、早速シンさんが住む家をインパールに用意しているそうだ。
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