6月12日付英
『ガーディアン』:「主要国の核兵器保有数増加、シンクタンク」:
大手シンクタンクのストックホルム国際平和研究所は、主要軍事国が保有する核弾頭の数は増加傾向にあるとし、世界は「人類史上最も危険な局面の一つに入りつつある」と警告している。
国際関係が悪化し、核による軍事威嚇が高まる中、現在世界には12,512個の核弾頭があり、そのうち9,576個は使用可能な状態にあると推定されている。...
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6月12日付英
『ガーディアン』:「主要国の核兵器保有数増加、シンクタンク」:
大手シンクタンクのストックホルム国際平和研究所は、主要軍事国が保有する核弾頭の数は増加傾向にあるとし、世界は「人類史上最も危険な局面の一つに入りつつある」と警告している。
国際関係が悪化し、核による軍事威嚇が高まる中、現在世界には12,512個の核弾頭があり、そのうち9,576個は使用可能な状態にあると推定されている。その数は昨年より86個多くなっているという。
東西冷戦により徐々に減少傾向になっていた核弾頭は一転し増加傾向を示している。同研究所は、新核弾頭のうち60個は中国が保有するものだとしている。その他は、ロシアが12個、パキスタンが5個、北朝鮮が5個、インドが4個を保有、全体ではロシアと米国がほぼ9割を所有する。
世界の核弾頭の中には解体されるものも含まれるため、3,844個がミサイルや軍用機へ配備されているとみられる。そのうち約2000個は、その殆どはロシアと米国が保有しており、すぐに使用可能な状態であるとみられる。
一方で、ロシアによるウクライナ侵攻以来、ロシア、英国、英国を含む多くの国が透明性を欠いていることから、その全容を把握するのは困難だとしている。
第3の保有国である中国は、2022年の350個から410個に増加。増加が続くとみられているが、米国やロシアを上回ることはないとみられる。中国は核兵器の数を公表したことはなく、評価の多くは米国防総省のデータに基づくものである。
次いで、フランスと英国が保有数の多い国だが、英国は2年前、保有数を225から260個へ引き上げると発表していることから、今後増加すると予測されている。
同日付『タイムズ・オブ・イスラエル』(AFP通信):「核兵器増加、中国で顕著」
12日のシンクタンクの発表によると、昨年、中国などの数カ国の核弾頭保有が増加傾向にあり、核保有国は地政学的緊張が高まる中、装備の最新鋭化を継続しているという。
世界の核保有9カ国に関する年次報告書によると、保有を認めていないイスラエルも保有数を拡大していない4カ国(米国、英国、フランス)に含まれているという。
核保有9カ国である英国、中国、フランス、インド、イスラエル、北朝鮮、パキスタン、ロシア、米国の合計核弾頭数は、2023年はじめ12,512個で、昨年はじめの12,710から減少している。
使用可能な核弾頭の数は、1980年代の7万個以上には遥かに及ばないが、上昇傾向にあるという。増加幅が大きいのは中国で、350個から410個へ増加。インド、パキスタン、北朝鮮でも増加傾向にあり、ロシアでは、4,477個から4,489個へと、やや増加している。
イスラエルの保有数については、これまで同様90個だとするが、核開発計画が不明瞭なため、非常に不透明だとしている。
報告書では核兵器増加に関して、ウクライナ侵攻は近年の出来事であり、保有国の多くは中国のようなに直接的な影響を受けた国ではないため、時間を要する核兵器増加を語るには少しずれがあるとする。
中国は経済力と影響力が増したことで、軍事強化を図ってきた。世界の大国として巨大化した中国は、今日の世界のリアリティなのである。
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イスラエルのオンラインニュース
『タイムズ・オブ・イスラエル』は、先週イスラエルで発表された研究によると、新型コロナウイルスのデルタ株がそれ以前の変異ウイルスを一掃したのに対し、オミクロン株はデルタ株を除去できていないことが確認されたと伝えている。ネゲヴ・ベン=グリオン大学の研究チームが廃水のモニタリング調査を行ったところ、イスラエル国内でデルタ株がまだ流通していることが確認された。
オミクロン株とデルタ株のパターンを分析した結果、研究者たちは、オミクロン株とそのいくつかの亜種は消滅していくことが推測できる一方で、デルタ株は強い回復力を示しており、再び主流となる可能性が十分にあると結論づけた。...
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イスラエルのオンラインニュース
『タイムズ・オブ・イスラエル』は、先週イスラエルで発表された研究によると、新型コロナウイルスのデルタ株がそれ以前の変異ウイルスを一掃したのに対し、オミクロン株はデルタ株を除去できていないことが確認されたと伝えている。ネゲヴ・ベン=グリオン大学の研究チームが廃水のモニタリング調査を行ったところ、イスラエル国内でデルタ株がまだ流通していることが確認された。
オミクロン株とデルタ株のパターンを分析した結果、研究者たちは、オミクロン株とそのいくつかの亜種は消滅していくことが推測できる一方で、デルタ株は強い回復力を示しており、再び主流となる可能性が十分にあると結論づけた。
この研究を行ったネゲヴ・ベン=グリオン大学排水研究所のアリエル・クシュマロ教授は、『タイムズ・オブ・イスラエル』の取材に対して、「今回の発見は、パンデミックが終わっていないことを強調し、遅かれ早かれ、夏か夏の終わりに再流行する可能性を示唆している」と述べている。
クシュマロ教授は、今回の発見はイスラエルだけでなく世界にも当てはまるものであり、世界的にはデルタ株は考えられているよりも大きな脅威を与える可能性があるという見解を示した。デルタ株は既存の形で再流行する可能性もあれば、新しい亜種の形で広がる可能性もある、と同教授は予測している。一方で研究チームは、デルタ株は、新たな流行を引き起こすまでの間は、ほとんど検出されずに循環し続けると予想している。
イスラエルの『エルサレム・ポスト』紙によると、ネゲヴ・ベン=グリオン大学の研究チームは、2021年12月から2022年1月まで、イスラエル南部の都市ベエルシェバの下水をモニターした際、オミクロンとデルタの変種ウイルスの関係に気づいたという。
なお、2019年末に最初に登場した新型コロナウイルスはアルファ株であった。その後ベータ株(南アフリカで初検出)、ガンマ株(ブラジルで初検出)、デルタ株(インドで初検出)が現れ、現在は、さらに感染力が強いものの穏やかなオミクロン株が、さまざまな亜種を生み出し世界中に拡散している。
オミクロン株で死亡率が大幅に低下したため、イスラエル政府はほとんどの制限を撤廃した。研究チームは、免疫が低下し、制限の少ない集団の中で循環しているデルタ株が、再出現してくるか、あるいは新しい別の変異ウイルスを生み出し、感染を拡げていく可能性が考えられると指摘している。
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