国連事務総長;米中新冷戦勃発を懸念【米・ロシアメディア】
国連では今週、第76回総会が2年振りに多くの首脳を迎えて開催されている。そのうち、就任後初出席となったジョー・バイデン大統領(78歳)、そしてビデオ出席となった習近平国家主席(シー・チンピン、68歳)が異口同音に、具体的国名は言及しなかったものの、大国間の争いに勝利すると宣言している。そこで国連事務総長が、このまま新たな米中冷戦に突き進むことの懸念を表明し、米ソ冷戦時代とは違って、鎮静化が非常に難しいとして双方に関係修復を促している。
9月22日付米
『SBGニュース』(1986年設立の全米最大級のローカルテレビ局運営のシンクレア・ブロードキャスト・グループ):「国連事務総長、米中冷戦勃発を懸念」
地球温暖化対策、遅れ気味の世界レベルの新型コロナウィルス(COVID-19)ワクチン配布問題、更には世界経済の再活性化と、世界をリードする大国にとって、一緒に戦っていくべき長期的かつ切実な問題が山積している。
しかし、9月19日に『AP通信』のインタビューに答えたアントニオ・グテーレス国連事務総長(72歳、ポルトガル元首相、2017年就任)は、両大国が向かおうとしている危険極まりない対決姿勢について警鐘を鳴らした。...
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9月22日付米
『SBGニュース』(1986年設立の全米最大級のローカルテレビ局運営のシンクレア・ブロードキャスト・グループ):「国連事務総長、米中冷戦勃発を懸念」
地球温暖化対策、遅れ気味の世界レベルの新型コロナウィルス(COVID-19)ワクチン配布問題、更には世界経済の再活性化と、世界をリードする大国にとって、一緒に戦っていくべき長期的かつ切実な問題が山積している。
しかし、9月19日に『AP通信』のインタビューに答えたアントニオ・グテーレス国連事務総長(72歳、ポルトガル元首相、2017年就任)は、両大国が向かおうとしている危険極まりない対決姿勢について警鐘を鳴らした。
同事務総長は、現下の米中関係は、“全くの機能不全”に陥っていると、具体例を挙げて強調した。
同事務総長は、“現在懸念される米中新冷戦は、かつての米ソ冷戦と違って、より多くの危険をはらみ、かつ、うまく治めるのは非常に困難な代物であるから、何としてでもこれを回
避させる必要がある”と訴えた。
多くの専門家も懸念するとおり、COVID-19対応問題に関わる様々な衝突、米軍撤退後のアフガニスタンにおける中国軍の展開、更には、米中貿易に関わる関税賦課合戦や中国によるサイバー攻撃等、米中間の対立事態は余りにも多い。
ジョー・バイデン大統領は9月21日、国連総会での演説で、“我々は新冷戦に突入することは全く考えていない”と強調している。
しかし、米中両国の対立が激しくなるのは疑いもないことであろう。
何故なら、先週(9月15日)に合意された米・英・オーストラリア3ヵ国の安全保障枠組み(AUKUS)の仮想敵国は中国とされており、同大統領自身もこの安全保障取り組みが最優先される事項だと言及しているからである。
「やがて訪れる中国の崩壊」(2001年発刊)の著者であるゴードン・チャン氏(70歳、作家・弁護士)は、“バイデン政権は、中国が米国政府を打倒するために、総合的かつ悪意のあるやり方で迫ってくるということをよく理解する必要がある”とコメントしている。
同氏の見解は、多くの人に受け入れられてはいないが、無視できないことは、香港・チベット・ウィグル族問題から南シナ海における一方的な制海権固執にみてとれるように、中国が世界の民主主義を押し退けようとしているという点である。
なお、米国防総省のロイド・オースティン長官(68歳)は9月16日、“我々は中国共産党政府と良好な関係を築く努力をしていくが、彼らが既に確立された国際秩序を覆そうとする活動を行わないか、しっかり注視していく意向である”と発言している。
9月21日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「グテーレス国連事務総長、新冷戦を回避するため米中両国に関係修復を要求」
グテーレス国連事務総長は、国連総会開催前に『AP通信』のインタビューに答えて、米中関係は“完全に破壊されて”しまっており、このままでは米中新冷戦に突入し、その結果世界中の多くの国に累が及ぶことになる恐れがあるので、両国に対して関係修復に努めるよう強く要求すると語った。
同事務総長は具体的に、米中両国が、気候変動対策、世界経済再活性化、人権問題、サイバーセキュリティ、南シナ海領有権問題等々、お互いにもっと協力すべく振舞う必要がある、と強調した。
これに対して、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官(42歳)は9月20日、同事務総長が言及した、米中関係は破壊されているという評価について、米国政府は受け入れられないと表明した。
同報道官は、両国は“衝突というより競合関係”にあるとした上で、バイデン大統領も、“世界のどの国とも冷戦に発展させる意向は全くない”と明言している、と付言した。
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イラン;対米強硬派の新大統領を迎え、中・露との連携強化の一環で共同海上演習を実施予定【米・イランメディア】
イランでは、今年6月の大統領選で対米強硬派の新大統領が誕生した。そこで、これまで以上に対米強硬路線を進めていくべく、同じく米国と対立する中国・ロシアとの連携強化を図る一環で、年末から年始の間に三ヵ国共同海上演習をペルシャ湾で実施すべく計画している。
8月23日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「イラン、数ヵ月内に中国・ロシアと共同海上演習を実施」
米国の大敵となる中国・イラン・ロシアの三ヵ国は年内か来年初めに、ペルシャ湾で共同海上演習を実施する。
レバン・ジャガリャン在イランロシア大使(63歳)が8月23日、ロシアのRIAノーボスチ(1941年設立)とのインタビューで語ったもので、三ヵ国の共同海上演習は、“国際航海上の安全と海賊対策を確かなものにするための具体的訓練になる”と言及している。...
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8月23日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「イラン、数ヵ月内に中国・ロシアと共同海上演習を実施」
米国の大敵となる中国・イラン・ロシアの三ヵ国は年内か来年初めに、ペルシャ湾で共同海上演習を実施する。
レバン・ジャガリャン在イランロシア大使(63歳)が8月23日、ロシアのRIAノーボスチ(1941年設立)とのインタビューで語ったもので、三ヵ国の共同海上演習は、“国際航海上の安全と海賊対策を確かなものにするための具体的訓練になる”と言及している。
三ヵ国の共同演習は2019年に初めて実施されていて、また、イランとロシアによる合同海上演習が今年2月、インド洋北部で行われている。
同大使によれば、当該三ヵ国共同海上演習が今後年中行事になると思われるという。
この報道は、米軍がアフガニスタンからの完全撤退を決めた後、イスラム原理主義グループのタリバン(1994年設立、「求道者」の意)が電光石火の勢いで同国を掌握する事態となったばかりのタイミングで明らかになっている。
その関連で先週、イランのエブラーヒーム・ライースィー新大統領(60歳)が習近平国家主席(68歳、シー・チンピン)と電話会談を行い、アフガニスタン問題を協議している。
イラン政府発表によると、同新大統領は、アフガニスタンの安定と平和を確立するため、中国に協力していく用意があると表明したという。
同新大統領は、“外国勢力が去ったということは、アフガニスタンの安全保障と発展を確かなものにしていくため、今こそアフガニスタン人全員の参加と支持が必要だということを改めて認識させたものだ”と言及している。
なお、同新大統領は別途ウラジーミル・プーチン大統領(68歳)とも電話会談し、“アフガニスタンの安定と平和の確立はかねてよりイランが強調してきたものだ”とした上で、“米軍が撤退したことを契機に、今こそアフガニスタンの主要勢力が一致して同国の安寧を一日も早く達成する必要がある”と表明している。
同日付イラン『テヘラン・タイムズ』紙(1979年創刊の英字紙):「ロシア・イラン・中国がペルシャ湾で共同演習を計画」
ジャガリャン在イランロシア大使は、ロシアメディア『スプートニク』(2014年設立の政府系メディア)のインタビューに答えて、航海の安定と海賊退治を目的とした三ヵ国共同海上演習が計画されていると表明した。
同大使は更に、ロシアとイラン両政府が、国連安全保障理事会の対イラン武器禁輸制裁(注後記)が解除されている以上、二国間での軍事関連物資の取引について建設的な対話を進めていく意向であるとも言及した。
(注)国連安全保障理事会の対イラン武器禁輸制裁:2010年6月に理事会で可決された、イランの弾道ミサイルに関する活動を禁止し、武器禁輸措置を強化する等の制裁。2015年に成立した「イラン核合意」に基づき、2020年10月解除。ただ、同合意から離脱を宣言したトランプ政権(当時)は、対イラン武器禁輸制裁継続を宣言し、同合意に関わった英・仏・独・中・露はもとより、他の多くの国からの反発を招き孤立。
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