新型コロナウイルスのワクチン・英国アストラゼネカ・臨床試験を再開(9月13日)
製薬大手のアストラゼネカはオックスフォード大学と共同で開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて英国の規制当局が安全を確認したとして英国国内での臨床試験を再開したことを明らかにした。
アストラゼネカは“安全性に関するデータを検証するため”として臨床試験を一時的に中断していたが12日に“英国国内での臨床試験を再開”との声明を発表した。アストラゼネカの日本法人によると現在中断している日本国内での臨床試験を再開するか検討開始した。...
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製薬大手のアストラゼネカはオックスフォード大学と共同で開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて英国の規制当局が安全を確認したとして英国国内での臨床試験を再開したことを明らかにした。
アストラゼネカは“安全性に関するデータを検証するため”として臨床試験を一時的に中断していたが12日に“英国国内での臨床試験を再開”との声明を発表した。アストラゼネカの日本法人によると現在中断している日本国内での臨床試験を再開するか検討開始した。
日本政府はアストラゼネカと少なくとも6000万人分の供給を受けることで基本合意している。
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PCR検査市場の最前線(9月13日)
医療機器の生産を手がける大手機械メーカー「澁谷工業」と鹿児島のベンチャー企業「スディックスバイオテック」が唾液から新型コロナウイルスとインフルエンザA型B型を同時に検査できる世界初のキットとPCR検査装置を開発した。来年3月までの国内販売を目指すという。
PCR検査がらみではもうひとつ同じような別のニュースもあった。スイスのロシュが新型コロナウイルスとインフルエンザの感染を同時に判定できるPCR検査向き試薬を開発したというのである。...
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医療機器の生産を手がける大手機械メーカー「澁谷工業」と鹿児島のベンチャー企業「スディックスバイオテック」が唾液から新型コロナウイルスとインフルエンザA型B型を同時に検査できる世界初のキットとPCR検査装置を開発した。来年3月までの国内販売を目指すという。
PCR検査がらみではもうひとつ同じような別のニュースもあった。スイスのロシュが新型コロナウイルスとインフルエンザの感染を同時に判定できるPCR検査向き試薬を開発したというのである。近く日本で承認申請するという。
どちらのニュースも新型コロナウイルスとインフルエンザ同時に検査ができるというので、関連性があるのかと考えたが、残念ながら上記「澁谷工業」と「スディックスバイオテック」の作った日本のPCR機器と、ロシュ社の試薬はまったく組み合わせることはできない。
ロシュの試薬には互換性がなく、1台数千万円もするロシュ製の検査装置「コバス6800」「コバス8800」しか使えないのだという。つまりしっかりと囲いこみがされている。
これまで日本のPCR検査数が増えない理由として制度の問題、人員の問題、施設の問題が挙げられてきたが、実は検査機器と試薬の互換性の問題というのがある。
表面には出てこないがPCR市場に勝機を見出した企業の熾烈なシェア争いが水面下で展開されている。正確に言うならば遺伝子解析分野のシェア争いということになろうか。
そうした企業にとっては来年、五輪を開催しアスリートや観客、関係者に多くのPCR検査を行うことになる日本は大きな市場に見えているのかもしれない。
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ワクチン開発最前線(9月12日)
新型コロナウイルスのワクチン開発が、各国で過去に例のないスピードで進められている。米中の間に埋没し、経済もうまくいかず、なかなか存在感を示すことができなかったロシアは、ここで一気に存在感を示したいという思いで、臨床試験の最終段階を待たずにガマレヤ疫学・微生物学研究所が開発したワクチン「スプートニクV」の正式な使用を承認した。
開発を支援するロシア政府系ファンドの直接投資基金(RDIF)は、「今年から来年末にかけて世界で10億人以上が接種を受けることになるだろう」との見通しを発表した。...
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新型コロナウイルスのワクチン開発が、各国で過去に例のないスピードで進められている。米中の間に埋没し、経済もうまくいかず、なかなか存在感を示すことができなかったロシアは、ここで一気に存在感を示したいという思いで、臨床試験の最終段階を待たずにガマレヤ疫学・微生物学研究所が開発したワクチン「スプートニクV」の正式な使用を承認した。
開発を支援するロシア政府系ファンドの直接投資基金(RDIF)は、「今年から来年末にかけて世界で10億人以上が接種を受けることになるだろう」との見通しを発表した。一方、コロナ発生国という汚名を消し、最初にコロナを克服した国という印象に自国を持っていきたい中国も第三相試験が終わる前に例外的に接種を始め、実用化の一番乗りを目指そうと必死になっている。
米国ではトランプ大統領が11月の大統領選挙を念頭に「ワープスピード作戦」と銘打ち、ワクチンの製造を各製薬会社に急がせている。トランプ大統領は臨床試験の終了を待たずに緊急的接種の検討を始めており、承認の申請を急ぐよう、製薬会社に政治的な圧力をかけている。大統領選挙前にワクチンを実用化させたかったが、間に合いそうもない。
トランプ大統領の前のめりな姿勢をけん制するかのように、欧米のワクチン開発9社(英・アストラゼネカ、英・グラクソ・スミスクライン、仏・サノフィ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン、米・メルク、米・ファイザー、独バイオテクノロジー企業・ビオンテック、米バイオテクノロジー企業・モデルナ社、米バイオテクノロジー企業・ノバックス社)が、「ワクチンは安全性を最優先するべきである」との声明を共同で発表した。
この声明はトランプ大統領に対して向けられたものだけでなく、開発に血眼になっている中国やロシアに対しても向けられたものとみることができる。
ワクチンが早期に完成することは来年に五輪を控える日本にとっても望ましいことには違いないが、必要なプロセスを省き、人体の健康に甚大な影響が出た場合、例えば外国産ワクチンと「副作用が出ても会社は責任を負わず日本政府が負う」という供給契約を結んでいる日本にも大きな影響が及ぶ可能性がある。各国がそれぞれ異なる政治的な思惑で、ワクチン開発を急いでいるが、安全性をないがしろにする姿勢は後で大きなしっぺ返しを受けかねないことを肝に銘じておく必要がある。
さらにここにきてワクチンに関して別の問題も生じている。「空の便が大幅に減便されている現状では各国にワクチンを輸送できない」として、IATA=国際航空運送協会が、「輸送手段についても早期に検討する必要がある」と、警鐘を鳴らしているのだ。こうした想定外の問題が今後も出てくる可能性がある。
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ワクチン臨床試験・再開すれば年末までに効果の有無(9月11日)
新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験を一時中断している英国・アストラゼネカは試験の再開は再開できるかどうかは独立した委員会が判断するとしたうえで、ワクチンに効果があるかどうかは年末までには明らかになるという見方を示した。
アストラゼネカ・ソリオCEOは「第一の問題はワクチンが少なくとも一定期間人々を守られるかどうかだ」とコメントした。
ワクチン・各国で実用化急ぐ・開発に政治的圧力か(9月10日)
新型コロナウイルスのワクチン開発は、各国が実用化を急ぐ中、過去に例のないスピードで進められている。
米国では11月の大統領選挙前に許可を承認の申請を急ぐよう、製薬会社に政治的な圧力が掛かっているのではないかと指摘されている。
ロシアは臨床試験の最終段階を待たずに正式な使用を承認した。中国も臨床試験が終わる前に例外的に接種を始めている。
こうした動きに対し、ワクチンを開発している製薬会社など9社は、共同で宣言を発表した。...
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新型コロナウイルスのワクチン開発は、各国が実用化を急ぐ中、過去に例のないスピードで進められている。
米国では11月の大統領選挙前に許可を承認の申請を急ぐよう、製薬会社に政治的な圧力が掛かっているのではないかと指摘されている。
ロシアは臨床試験の最終段階を待たずに正式な使用を承認した。中国も臨床試験が終わる前に例外的に接種を始めている。
こうした動きに対し、ワクチンを開発している製薬会社など9社は、共同で宣言を発表した。安全を最優先に開発を進めると強調した。
また厚生労働省は、「臨床試験が最終段階で中断されるのは決して珍しいことではない。中止ではなくあくまで中断なので、現時点でワクチンの確保に影響があるとは考えていない」としている。
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