分断進む世界(6月12日)
今、国際社会は、最大の試練を迎えている。ロシアによるウクライナ侵攻は第1次世界大戦から100年を経て、再び世界を戦争の世紀に塗り替えようという動きのようにさえ見える。少なくとも欧米優位のパワーバランス、欧米由来の世界標準が崩れ、民主国家と専制国家への分断が加速していることは間違いない。
実は様々な対立軸がある。例えば地球温暖化問題においては、一律的な脱炭素基準を世界に当てはめようとする先進欧米諸国に対して、自らはこれまで出してこなかったCO2を出す権利があるとして、発展途上国が抵抗するなどの南北問題が生じている。...
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今、国際社会は、最大の試練を迎えている。ロシアによるウクライナ侵攻は第1次世界大戦から100年を経て、再び世界を戦争の世紀に塗り替えようという動きのようにさえ見える。少なくとも欧米優位のパワーバランス、欧米由来の世界標準が崩れ、民主国家と専制国家への分断が加速していることは間違いない。
実は様々な対立軸がある。例えば地球温暖化問題においては、一律的な脱炭素基準を世界に当てはめようとする先進欧米諸国に対して、自らはこれまで出してこなかったCO2を出す権利があるとして、発展途上国が抵抗するなどの南北問題が生じている。加えて新自由主義など政治体制による格差、貧困の問題、核保有国と核を持たざる国など様々なレイヤーが重ね合わさって世界はまだら模様となっている、その各々によって濃淡が異なっており一筋縄ではいかない状況である。
こうした中では手続きや話し合い、同意形勢に時間がかかる民主主義より、強権国家の方がよく見えることは確かであり、世界では民主国家よりも専制国家の数が増えている。
帝国主義は専制国家の典型的にみられるものであるが、ロシア・プーチン大統領はピョードル大帝を称賛し、力を剥き出しにして他国を征服する帝国主義への回帰思想を持っていることを公の場で表明した。そうした国が国連常任安全保障理事国の一角を占め、世界最多の核兵器を所有していたことは驚きである。ウクライナ戦争でロシアは弱体化し中国に吸収されるのではないかと言われているが、中国とロシアが接近した場合にはさらに状況は悪くなる。
一方、民主国家の代表格である米国は相対的に力を落としている。バイデン政権にもスキはあった。民主主義サミットを開催し民主国家とそうでない国を色分けし過ぎ、メキシコなど一部の中南米諸国からの信頼を失うなど、世界の分断を進めてしまった。
さらにはインドやトルコ、サウジアラビアなど民主国家と専制国家の真ん中に立つグレーゾーンのような国家群も存在し、単純にデカップリングできる状況でもない。今後、こうした状況をいかにうまくまとめていくかということが日本のような国家に課された役割なのかもしれない。
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米国・下院調査委員会報告・選挙結果くつがえすための計画的事件(6月10日)
議会乱入事件に関する下院特別委員会の調査結果が公表される。
米国・トランプ前大統領を含め、誰が何をいつ知っていたのか1年近く調査が行われてきた。前大統領の娘イヴァンカトランプとジャレッドクシュナーと側近たちからの聞き取りと宣誓証言も公表される。
議会乱入事件のあった日、トランプ前大統領の集会が開かれ、群衆が議事堂に押し寄せ、前大統領は行進を呼びかけた。群衆は警察隊と衝突し、議事堂に突入して選挙結果の認定手続きを食い止めようとした。...
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議会乱入事件に関する下院特別委員会の調査結果が公表される。
米国・トランプ前大統領を含め、誰が何をいつ知っていたのか1年近く調査が行われてきた。前大統領の娘イヴァンカトランプとジャレッドクシュナーと側近たちからの聞き取りと宣誓証言も公表される。
議会乱入事件のあった日、トランプ前大統領の集会が開かれ、群衆が議事堂に押し寄せ、前大統領は行進を呼びかけた。群衆は警察隊と衝突し、議事堂に突入して選挙結果の認定手続きを食い止めようとした。
極右組織プラウドボーイズに同行していたドキュメンタリー制作者も公聴会で証言し、当時のビデオも公開される。
超党派の下院特別委員会は事件の背後には2020年の選挙結果を覆す計画があったことが公聴会で明らかになると話している。トランプからバイデンへの大統領権限移行を食い止めようとしていた。
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北朝鮮の核実験“注意深く監視(6月9日)
米国・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は8日、記者団に対し北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返していることについて「日本や韓国との同盟をより強固にしているにすぎない。ミサイルが発射された結果、それぞれの国とは共同訓練を行うことができた」と述べ、米国と日本、韓国が連携して厳しい対応を取ったと強調。
更に北朝鮮が近日中に行う可能性があると指摘されている7回目の核実験について「引き続き注意深く監視している」と述べた上で「核実験が行われた場合はミサイル発射と同様に断固とした対応をとる」として北朝鮮を牽制した。...
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米国・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は8日、記者団に対し北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返していることについて「日本や韓国との同盟をより強固にしているにすぎない。ミサイルが発射された結果、それぞれの国とは共同訓練を行うことができた」と述べ、米国と日本、韓国が連携して厳しい対応を取ったと強調。
更に北朝鮮が近日中に行う可能性があると指摘されている7回目の核実験について「引き続き注意深く監視している」と述べた上で「核実験が行われた場合はミサイル発射と同様に断固とした対応をとる」として北朝鮮を牽制した。
一方、北朝鮮からはこれまで接触がないとした上で北朝鮮に改めて対話を呼びかけた。
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“対ロシア包囲網”なるか・米州首脳会議(6月9日)
ロシアによる軍事侵攻を受け米国のバイデン大統領は「対ロシア包囲網」を築こうとしているが、その指導力がいま問われている。
米州首脳会議で今年はバイデン大統領がホストとなりロサンゼルスで開催する予定だが、バイデン政権は民主主義の欠如を理由に「キューバ」「ニカラグア」「ベネズエラ」の大統領を招待しなかった。
これに対しすべての国が招かれないのはあり得ないとして「メキシコ」「ボリビア」「ホンジュラス」の各大統領が反発して欠席を表明した。...
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ロシアによる軍事侵攻を受け米国のバイデン大統領は「対ロシア包囲網」を築こうとしているが、その指導力がいま問われている。
米州首脳会議で今年はバイデン大統領がホストとなりロサンゼルスで開催する予定だが、バイデン政権は民主主義の欠如を理由に「キューバ」「ニカラグア」「ベネズエラ」の大統領を招待しなかった。
これに対しすべての国が招かれないのはあり得ないとして「メキシコ」「ボリビア」「ホンジュラス」の各大統領が反発して欠席を表明した。他にも欠席する大統領がいるとみられる。
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バイデン大統領、NATO事務総長「支援継続」(6月3日)
米国のバイデン大統領はウクライナ情勢などをめぐってNATO(北大西洋条約機構)のストルテンベルグ事務総長と会談した。
両者はロシアによる軍事侵攻の長期化を見据えウクライナへの支援を続けることで一致した。
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