クリスマスの次の事態はどうなる(12月26日)
北朝鮮時間でのクリスマスは何事もなく過ぎ去った。トランプ大統領は「何かきれいなもの、花瓶などが贈られてくるかもしれない。何が贈られてきても準備はできている」と語っていた。確かに24~25日にかけて米軍の4機の各々性能の異なる偵察機が一斉に飛行し、厳重な警戒を敷いていた。4機が一斉に飛行するのは極めて珍しい。
韓国の「ハンギョレ」紙は、北朝鮮がクリスマスに何の行動も起こさなかったのは、中露が国連安保理に対朝制裁決議の一部緩和案を提出し、韓国の文寅在大統領も制裁の一部解除に賛成したからではないか、との見方を示した。...
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北朝鮮時間でのクリスマスは何事もなく過ぎ去った。トランプ大統領は「何かきれいなもの、花瓶などが贈られてくるかもしれない。何が贈られてきても準備はできている」と語っていた。確かに24~25日にかけて米軍の4機の各々性能の異なる偵察機が一斉に飛行し、厳重な警戒を敷いていた。4機が一斉に飛行するのは極めて珍しい。
韓国の「ハンギョレ」紙は、北朝鮮がクリスマスに何の行動も起こさなかったのは、中露が国連安保理に対朝制裁決議の一部緩和案を提出し、韓国の文寅在大統領も制裁の一部解除に賛成したからではないか、との見方を示した。また韓国のメディアの中には北朝鮮の「労働新聞」が25日「世界の多くの国が、人類の平和と繁栄のための宇宙活動に努力している」との文章を掲載したことに注目し、このことは北朝鮮が衛星を発射することを意味しているのではないかと見ているものもある。
今後北朝鮮はどのような行動にでるだろうか。12月末までに開催される予定の労働党中央委員会総会や2020年の金正恩委員長の「新年の辞」で明らかになるだろうが、2020年が2017年と同様の事態になる可能性は高い。米朝首脳が非難合戦を繰り広げ、互いに攻撃をすると恫喝しあうという状態である。トランプ大統領はすでに金正恩委員長との「親密な関係」について口にすることはなくなっている。「北朝鮮がミサイル発射も核実験もしなかった」というトランプ大統領の外交上の成果は2年で潰えてしまいそうである。
韓国の「ハンギョレ」紙は、もし制裁問題が解決しなかったならば、北朝鮮は武力によって局面を打開する可能性は大きいことから、米朝は交渉のテーブルに戻って交渉で問題を解決しなくてはならない、と報じている。
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米国の警戒態体制高まる(12月25日)
北朝鮮が「クリスマス・プレゼントが何になるかは米国次第だ」としていたクリスマスになり、米国の警戒体制が高まっている。
米軍は24日もE-8C機で朝鮮半島上空を偵察した。米国戦略司令部は22日SNSに陸海空軍の「三大戦闘力」をあげている。三大戦闘能力とは、米国本土から30分で平壌まで届く大陸間弾道ミサイル、広島に投下した原爆の1000倍の威力を持つ潜水艦発射核ミサイル、ならびにB-2ステルス戦闘機とB-52である。...
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北朝鮮が「クリスマス・プレゼントが何になるかは米国次第だ」としていたクリスマスになり、米国の警戒体制が高まっている。
米軍は24日もE-8C機で朝鮮半島上空を偵察した。米国戦略司令部は22日SNSに陸海空軍の「三大戦闘力」をあげている。三大戦闘能力とは、米国本土から30分で平壌まで届く大陸間弾道ミサイル、広島に投下した原爆の1000倍の威力を持つ潜水艦発射核ミサイル、ならびにB-2ステルス戦闘機とB-52である。北朝鮮への圧力をかけているわけである。米国国防省のエスパー長官も「我々は戦いに備える十分な体制をとっている」と語った。ただし既報の「要人の捕獲作戦」は、対テロ訓練であり、北朝鮮とは関係がないということであった。
ワシントンのシンクタンクの専門家は米国東部時間24日午後6時から10時の間(日本時間25日午前6時から10時の間)にICBMを発射するのではないかと予想していた。すでにその時刻は過ぎているが、まだ米国クリスマスの範囲である。
米国のCNNは、北朝鮮のいう「プレゼント」はICBMのような物理的なものではなく、対米強硬路線を歩むことではないか、との報道を行った。非核化交渉を行わず、核保有国との主張をさらに声高にいい、米国に制裁の緩和を要求するというのである。
北朝鮮はどこに行くのか。労働党の中央委員会総会や2020年の「新年の辞」で方針は明らかになろう。北朝鮮は2003年に「核と経済の並進路線」を、2018年には「経済優先路線」を採るとしていた。再び「核と経済の並進路線」になるのか、あるいは「軍事優先路線」になることもあり得よう。
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北朝鮮要人の捕獲訓練実施 ~北朝鮮への監視強化~(12月24日)
韓国の聯合ニュースは23日、米国国防省がHPで、韓国軍と在韓米軍の定期演習の様子を示す12枚の写真を公表した、と報じた。その写真は駐韓米軍の特殊部隊が敵陣営を急襲し、重要人物を捕獲するという演習の様子を撮影したものであった。
この演習は11月に韓国の群山空軍基地内で行われたもので、写真には消音器付きの小銃を手にした特殊部隊の兵士が煙幕のなか建物に突入し、北朝鮮軍の兵士に扮した兵士と銃撃戦を行い、要人に扮した兵士を捕獲する様子を撮影している。...
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韓国の聯合ニュースは23日、米国国防省がHPで、韓国軍と在韓米軍の定期演習の様子を示す12枚の写真を公表した、と報じた。その写真は駐韓米軍の特殊部隊が敵陣営を急襲し、重要人物を捕獲するという演習の様子を撮影したものであった。
この演習は11月に韓国の群山空軍基地内で行われたもので、写真には消音器付きの小銃を手にした特殊部隊の兵士が煙幕のなか建物に突入し、北朝鮮軍の兵士に扮した兵士と銃撃戦を行い、要人に扮した兵士を捕獲する様子を撮影している。ただし現在はこれらの写真はHPから削除されている。北朝鮮が「クリスマスプレゼント」を米国に贈るとしている期限を前に、米国も北朝鮮に対する警告のメッセージを送り、北朝鮮に最大限の圧力をかけたわけである。
この報道の前日の22日に、北朝鮮は「自衛的な国防力」を強化するとして中央軍事委員会拡大会議を開催していたが、「朝鮮日報」の報道によると、通常北朝鮮が「自衛的国防力」という場合は核兵器をさしているということで、核実験を再開する可能性が高くなっている。
米国のフォックスニュースは22日、北朝鮮が大陸間弾道弾ミサイルの発射や核実験を再開するようなことがあれば、米国は北朝鮮への制裁を一段と強化し、偵察機を朝鮮半島上空で低空飛行させ、艦隊を朝鮮半島付近まで北上させる軍事活動を強化させる可能性もあると報じた。また米国の消息筋は、北朝鮮の挑発に備えて、1月中旬には米日韓の外相の会談を行うことを米国政府は計画していると語った。
一方23日に韓国軍は米国から無人偵察機RQ-4グローバルホークスを1機導入した。同機は年明けから正式に飛行を行うことになる。2020年上半期にはあと3機のRQ-4が導入される予定である。
RQ-4偵察機を導入したことによって、これまで米軍に頼っていた北朝鮮の動向監視を、韓国軍は自前で行えるようになる。RQ-4は連続して38~42時間飛行することが可能で、巡航半径は3000㌔におよび、監視範囲は朝鮮半島全域に及ぶ。また2万メートルの上空からレーダーと赤外線探査機で、地上の直径30センチの物体も識別できる。またレーダーは高性能であることから、劣悪な気象条件でも地上を監視でき、ミサイルの移動発射機(TEL)も探査できるという。
クリスマスを前に、米韓の北朝鮮への圧力が一段と強化されたことになる。
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米偵察機、北朝鮮に圧力(12月23日)
クリスマスを前に、朝鮮半島では不穏な空気が増してきた。北朝鮮がクリスマスプレゼントを進呈するという一方、米軍の偵察機は再三にわたって朝鮮半島上空を偵察飛行し、北朝鮮への監視を強め、北朝鮮への圧力を強めている。さらに北朝鮮では、中央軍事委員会の拡大会議が開催され、防衛力強化に力をいれるとしている。また12月下旬には労働党の中央委員会総会を開催すると予告しており、何らかの新しい方針が示されるものと思われる。...
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クリスマスを前に、朝鮮半島では不穏な空気が増してきた。北朝鮮がクリスマスプレゼントを進呈するという一方、米軍の偵察機は再三にわたって朝鮮半島上空を偵察飛行し、北朝鮮への監視を強め、北朝鮮への圧力を強めている。さらに北朝鮮では、中央軍事委員会の拡大会議が開催され、防衛力強化に力をいれるとしている。また12月下旬には労働党の中央委員会総会を開催すると予告しており、何らかの新しい方針が示されるものと思われる。
米国CNNは21日、米国のリモートセンシング衛星が北朝鮮の平安南道平城市にある「3月16日工場」付近を撮影した写真によると、北朝鮮はICBMの発射施設の拡張工事が行っているようだ、と報道した。
韓国YTNテレビは、クリスマスを間近にひかえ、米軍偵察機が北朝鮮を監視しているという。22日にも米軍偵察機RC-135Wが朝鮮半島の3.1万フィート上空を飛行していた。RC-135Wは米国空軍の電子偵察隊の主力機で、ミサイルが発射された際の地面の振動をキャッチしてミサイルの軌道を分析するものである。また同機は通常週末には飛行しないことからすると、22日は異例の飛行を行ったことになる。
偵察機を飛ばすだけではく、米軍参謀長は21日の記者会見で、「米軍は高度な警戒体制をとっており、万全の準備を整えている」と語った。韓国の聯合ニュースは、米軍の偵察機は、通常航跡を辿られないように飛行しているのだが、最近はわざと飛行状況を「暴露」し、北朝鮮に対して圧力をかけているのではないかとみている。
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調整・日米外相・来月会談へ・北朝鮮への対応検討か(12月23日)
ワシントンの複数の外交筋によると、米国のポンペイオ国務長官は来月中旬、茂木外務大臣と会談する方向で調整している。
会談では、北朝鮮が米国との非核化協議の期限を一方的に年末として、長距離弾道ミサイルの発射など新たな挑発に踏み切る構えを見せていることから、北朝鮮の出方を見極めたうえで、非核化に向けた連携など今後の対応を検討するものとみられる。
また同じ時期に韓国の康京和外相も訪米を調整しており、日米韓3か国の外相会談も検討されている。
日米韓3か国の外相会談が開催されれば、ことし8月にタイのバンコクで開かれて以来5か月ぶりとなる。
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