トランプ大統領の非難の矛先は日本と韓国に(8月10日)
(北朝鮮が再び飛翔体2発を発射)
8月10日未明、北朝鮮が日本海に向けて飛翔体2発を発射した。日本政府関係者は発射されたのは短距離弾道ミサイルとの見方を示している。韓国軍によると飛翔体は約400キロ飛行し、高度は約48キロだったという。この発射は、7月25日以降で計算するとすでに5回目となる。短距離弾道ミサイルだとすれば国連決議違反に相当するが、日本政府は、日本の安全保障に影響を与えるものではないとして問題視しない意向である。...
全部読む
(北朝鮮が再び飛翔体2発を発射)
8月10日未明、北朝鮮が日本海に向けて飛翔体2発を発射した。日本政府関係者は発射されたのは短距離弾道ミサイルとの見方を示している。韓国軍によると飛翔体は約400キロ飛行し、高度は約48キロだったという。この発射は、7月25日以降で計算するとすでに5回目となる。短距離弾道ミサイルだとすれば国連決議違反に相当するが、日本政府は、日本の安全保障に影響を与えるものではないとして問題視しない意向である。米国・トランプ大統領も北朝鮮のミサイル実験について「核実験は実施されていないし、ミサイル実験はいずれも短距離だった」などと述べ、重大視しない姿勢を示している。北朝鮮にしてみれば一連の発射には米国を刺激しない程度での軍事能力の維持拡大という狙いがある他、米朝合同軍事演習へのけん制や8月6日に対北朝鮮強硬派のボルトン大統領補佐官がFOXニュースで「北朝鮮には時間はあまり残されていない」という発言への反発があると推測される。
(トランプ大統領の非難の矛先は現在同盟国である日本と韓国に)
実はこの飛翔体発射の前日、トランプ大統領が会見で「金正恩委員長から美しい親書を受け取った」と発表したことは記憶に新しい。この親書の内容の詳細は不明だが、トランプ大統領は「我々はまた会談を開くと思う」と4回目の米朝首脳会談に前のめりとなっている。今のトランプ大統領の頭の中は大統領選挙のことが最優先となっていて、そのためには外交であろうが、経済であろうが、国内政治であろうが使えるものはどんなものでも使いたいと考えているフシがある。トランプ大統領の置かれている足元を熟知している金正恩はこうしたトランプ大統領の琴線に触れる言葉をちりばめた可能性がある。トランプ大統領にとっては金正恩との個人的関係は可能性を秘めた隠し玉のようなものであり、トランプ大統領は北朝鮮問題を大統領選に向けた成果のひとつにしたい思惑がある。最悪、中距離以上のミサイルを撃たれなければ現状維持のままでも成果と称することは可能ではあるが、それ以上の成果を演出したいと考えているようだ。最終的にトランプ大統領が北朝鮮がらみの成果として理想としているのは北朝鮮にトランプタワーを作り、カジノ場を建設し、北朝鮮の地下資源開発利権に食い込み、朝鮮戦争終結の立役者としてノーベル賞を受賞することなどが考えられる。それを阻害しかねないのが今の日韓関係であり、大統領の非難の矛先は現在同盟国である日本と韓国に向かっている。トランプ大統領は「日韓関係の悪化は米国を難しい立場に追い込んでいる。日韓は席についてうまく付き合う必要がある」と注文をつけた。これは言い換えれば自分の大統領選を戦いにくくしているのは日本と韓国と言っているに等しい。北朝鮮では8月29日に今年2回目となる最高人民会議が開催予定であるが、それまでの間に米朝間で何らかの動きが出てくる可能性もあり注視していく必要がある。
閉じる
トランプ、金正恩からの親書受け取る(8月10日)
~北朝鮮はまたも飛翔体の発射~
9日、ホワイトハウスでトランプ大統領は、記者団の質問に答えて、8日に金正恩委員長からの親書を受け取ったことを明らかにし、米朝首脳会談が行われるかもしれない、と発言した。
6月30日に板門店で米朝首脳は電撃的に再会し、その後の記者会見で、ポンペオ国務長官は7月半ばまでには実務者交渉が行われるだろうとしていたが、未だ実現していない。...
全部読む
~北朝鮮はまたも飛翔体の発射~
9日、ホワイトハウスでトランプ大統領は、記者団の質問に答えて、8日に金正恩委員長からの親書を受け取ったことを明らかにし、米朝首脳会談が行われるかもしれない、と発言した。
6月30日に板門店で米朝首脳は電撃的に再会し、その後の記者会見で、ポンペオ国務長官は7月半ばまでには実務者交渉が行われるだろうとしていたが、未だ実現していない。8月5日~20日まで米韓合同軍事演習が行われているため、その間は実務者交渉が行われることはないだろう。あるいは北朝鮮で29日に最高人民会議が開催されるが、そこで対米方針を固め、対米交渉を行う可能性もある。トランプ大統領としても、米国で大統領選挙戦が本格化する直前に首脳会談を行い、その「成果」を引っ提げて、選挙戦を有利にしたいとの思惑があるのだろう。
一方北朝鮮は10日未明、東部の咸興から日本海に向けて飛翔体を発射した。韓国合同参謀本部が発表したもの。7月25日以降、5度目の飛翔体の発射になる。北朝鮮は韓国に対し、米韓合同軍事演習をしていることに対し「高い代償を払うことになる」と再三脅しをかけている。もはや仲介人としての韓国には何も期待せず、「短距離ミサイルを問題視しない」とするトランプ大統領とさえ関係改善ができれば、おのずと道は拓かれると信じているようである。
閉じる
北朝鮮、29日に最高人民会議開催(8月9日)
北朝鮮は今月29日に最高人民会議を開催すると発表した。今年4月にも同会議は開催されており、最高人民会議が年2回開催されるのは5年ぶり。
米国を中心とした国際関係に関するなんらかの方針が示されるのか、経済政策の梃入れがなされるのか、軍事路線に再び力をいれる方針が示されるのか、人事関係も議題に含まれるのか、など内容が注目される。
北朝鮮、米韓合同軍事演習を強く非難(8月7日)
6日、北朝鮮外務省の報道官は、米韓合同軍事演習は、シンガポールでの朝米共同声明や南北朝鮮の一連の宣言に反すものであるとして、米韓は重大な責任を負わざるを得ない、と米韓を非難した。
朝鮮中央通信が伝えたもので、米韓が北朝鮮の再三の警告を無視して、北朝鮮への「侵略的な性質」を持つ軍事演習をしているとして、強く非難した。報道官はさらに、これは6.12朝米共同声明や、板門店宣言、「9月平壌共同宣言」への公然とした違反であり、国家の安全に対する直接的な脅威であり、北朝鮮は反撃の措置を取らざるを得ない。...
全部読む
6日、北朝鮮外務省の報道官は、米韓合同軍事演習は、シンガポールでの朝米共同声明や南北朝鮮の一連の宣言に反すものであるとして、米韓は重大な責任を負わざるを得ない、と米韓を非難した。
朝鮮中央通信が伝えたもので、米韓が北朝鮮の再三の警告を無視して、北朝鮮への「侵略的な性質」を持つ軍事演習をしているとして、強く非難した。報道官はさらに、これは6.12朝米共同声明や、板門店宣言、「9月平壌共同宣言」への公然とした違反であり、国家の安全に対する直接的な脅威であり、北朝鮮は反撃の措置を取らざるを得ない。「朝鮮は国家を防衛するために威力ある強大な物理的手段を開発し、試さざるを得ない」として、核実験やICBMの発射実験の再開を示唆する文言を使って警告を発した。
また米国はシンガポールと板門店での朝米首脳会談で、合同軍事演習の停止を約束したにも関わらず、韓国に大量の最新の攻撃型武器を投入し、「軍事的な緊張状態を作り出した」。さらに最近ではF-35ステルス戦闘機が韓国に搬入され、潜水艦オクラホマシティーも釜山港に入港したが、これも北朝鮮を強く刺激している、と述べている。
このため、北朝鮮は依然として対話による解決を願っているが、軍事的な敵対状況が続くのであれば、北朝鮮の対話を続けようという意思は消滅してしまうかもしれず、対話の前途にマイナスの影響を与えている、とも報道官は述べている。
なお米韓合同演習は5日から始まったが、米国の新任のエスパー国防長官が9日に訪韓するという
閉じる
岩屋防衛相・米国国防長官に一致した対応呼びかけへ (8月7日)
北朝鮮が短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返す中、岩屋防衛相は新たに就任した米国・エスパー国防長官と会談する。北朝鮮の一連の発射について防衛省は、北朝鮮が軍事技術の向上を進め、日本、韓国、米国をけん制する狙いもあるのではと分析している。
岩屋防衛相は会談の中で、トランプ大統領が射程の短いものなら問題視しない姿勢を示していることを踏まえ、射程にかかわらず東アジア全体の脅威だという認識を共有したい考え。...
全部読む
北朝鮮が短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返す中、岩屋防衛相は新たに就任した米国・エスパー国防長官と会談する。北朝鮮の一連の発射について防衛省は、北朝鮮が軍事技術の向上を進め、日本、韓国、米国をけん制する狙いもあるのではと分析している。
岩屋防衛相は会談の中で、トランプ大統領が射程の短いものなら問題視しない姿勢を示していることを踏まえ、射程にかかわらず東アジア全体の脅威だという認識を共有したい考え。米国に一致した対応を呼びかける方針である。
閉じる
「北朝鮮を追う」内の検索