(トランプ構想は有力国の連合か)
米国内でロシアゲート疑惑が広がる中、外遊に出るトランプ大統領。
シチリア島でのG7首脳会議参加をはじめ、サウジアラビア・サルマン国王との会談や中東湾岸諸国首脳とのサミット、イスラエル・ネタニエフ首相、ブリュッセルでNATOサミットへの参加などが予定されている。
今回の訪問の中で特にサウジアラビア訪問は注目されている。ホワイトハウス高官によると、トランプ大統領はサルマン国王と共催で、中東版NATO構想を発表し、中東地域の安全保障の枠組み作りに積極的に関わる姿勢をアピールする予定。...
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(トランプ構想は有力国の連合か)
米国内でロシアゲート疑惑が広がる中、外遊に出るトランプ大統領。
シチリア島でのG7首脳会議参加をはじめ、サウジアラビア・サルマン国王との会談や中東湾岸諸国首脳とのサミット、イスラエル・ネタニエフ首相、ブリュッセルでNATOサミットへの参加などが予定されている。
今回の訪問の中で特にサウジアラビア訪問は注目されている。ホワイトハウス高官によると、トランプ大統領はサルマン国王と共催で、中東版NATO構想を発表し、中東地域の安全保障の枠組み作りに積極的に関わる姿勢をアピールする予定。
21日にはサウジの首都リヤドで、イスラム圏50カ国の代表を招いて国際会合を開く。
この一連の動きは「サウジが地域の盟主となりISとの戦いを率い、イランへの対処で各国を束ねること」にある。
これは明らかに中東や極東で有志連合を作り仲間を増やし相手国を締めあげていき米国が優位になるように展開していくトランプ流の戦略の一環と読み取れなくもない。
中東においてはサウジを中心に中東湾岸諸国を巻き込み、極東においては中国を中心にロシア、韓国、日本などを有志連合に巻き込む形だ。
さて、25日にはトランプ大統領はNATOサミットにも出席し、ドイツなどの加盟国に対して安全保障の負担増大を求める可能性が指摘されている。
この中で加盟国であるトルコに対する各国の反応が注目されている。
また治安が急速に悪化するアフガニスタンへの国際部隊の増派の可能性についても協議する。
さらに26日にはG7(シチリア島)に臨むが、米国政府高官は「ロシアや中国抜きのG7が十分に生産的なのか検討する可能性がある」と述べ、トランプ大統領がG7の枠組み変更論に踏み込む可能性もある。
ここで新たな構想を発表し、ロシアゲートでの劣勢を挽回したい狙いもあるだろう。
ただ、手続きのハードルは高い。
弾劾訴追の権限は米議会下院にあり、まずここで決議案を採決し、過半数の賛成で訴追されなくてはならない。
さらに上院がこれに基づいて弾劾裁判を開始するが、罷免には3分の2以上の同意が必要になる。
これまでに罷免された大統領はいない。
こうしたことを踏まえるとトランプ大統領が罷免されるようなことはないとみられる。
今回のトランプ大統領の一連の外遊の動きに注視していく必要がある。
※参考:トランプ大統領の外遊日程
(5/20サウジアラビアのサルマン国王と会談、5/21中東湾岸諸国首脳とのサミット、5/22イスラエル訪問、ネタニヤフ首相との会談、5/23パレスチナ自治政府・アッバス議長との会談。イタリア訪問、5/24バチカンでフランシスコ・ローマ法王と会談、5/25 ベルギー・ブリュッセルでNATOサミット参加、26-27日 シチリア島でG7首脳会議参加)。
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トランプ大統領は、19日から初めての外国訪問として、中東とヨーロッパを訪問する予定である。ロシアとの関係をめぐる疑惑を捜査する特別検察官が任命され、追及が強まるなかで、G7をはじめとした国際的な舞台での外交に臨むことになる。
トランプ大統領の挙動に関心が集まっている。
米国のヘイリー国連大使は「北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)開発へ向けて動くなら米国と中国は行動を起こすだろう」とコメントした。
北朝鮮は新型弾道ミサイル火星12の発射実験に成功した。韓国の文在寅大統領は「我々は北朝鮮との軍事衝突が起きる可能性が高いという現実の中で生きている」とし、米国太平洋軍のハリス司令官は「気まぐれな金正恩が核兵器を手にすれば大惨事になる」とコメントした。
米国にとって脅威となる北朝鮮の大陸間弾道ミサイルと核開発だが、米国は安全保障理事会の緊急会合を前に世界各国による制裁を徹底するよう強く求めた。...
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米国のヘイリー国連大使は「北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)開発へ向けて動くなら米国と中国は行動を起こすだろう」とコメントした。
北朝鮮は新型弾道ミサイル火星12の発射実験に成功した。韓国の文在寅大統領は「我々は北朝鮮との軍事衝突が起きる可能性が高いという現実の中で生きている」とし、米国太平洋軍のハリス司令官は「気まぐれな金正恩が核兵器を手にすれば大惨事になる」とコメントした。
米国にとって脅威となる北朝鮮の大陸間弾道ミサイルと核開発だが、米国は安全保障理事会の緊急会合を前に世界各国による制裁を徹底するよう強く求めた。
安全保障理事会の緊急会合ではこれまでの制裁決議を着実に履行することで一致したが、新たな制裁を含む追加措置については意見がまとまらなかった。
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14日に実験された北朝鮮の新型ミサイル実験で、用いられたロフテッド軌道の場合、落下速度が従来に比べ急速に早くなり、今回のケースではマッハ15程度と見られている。
これは、大陸間弾道弾のマッハ24には及ばないものの、日本に配備されているPAC-3(マッハ7程度)では対応できないと見られる。
さらに、イージス艦からの迎撃システムでは迎撃可能高度が500km程度とされ、迎撃可能落下速度もマッハ14程度とみられ、今回のケースでは撃ち落とすことが難しいと考えられる。...
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14日に実験された北朝鮮の新型ミサイル実験で、用いられたロフテッド軌道の場合、落下速度が従来に比べ急速に早くなり、今回のケースではマッハ15程度と見られている。
これは、大陸間弾道弾のマッハ24には及ばないものの、日本に配備されているPAC-3(マッハ7程度)では対応できないと見られる。
さらに、イージス艦からの迎撃システムでは迎撃可能高度が500km程度とされ、迎撃可能落下速度もマッハ14程度とみられ、今回のケースでは撃ち落とすことが難しいと考えられる。
現在、日・米両国で「SM3ブロック2A」という迎撃弾道ミサイルを開発中で2018年に配備が開始される予定である。SM3ブロック2Aは、現在のブロック1A(日本のイージス艦に搭載されているミサイル)に比べカバー可能な範囲が1200kmから2000kmと広がり、かつ迎撃可能高度も優に1千kmを超えるとされている。
今年に入って、北朝鮮は10発ものミサイル発射を行い、中国から制裁を警告されても核・ミサイル開発に邁進する現状では、日本としてできる唯一の手段は、最新式防衛システムの早期導入であると考えられる。
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(日米及び関係各国不気味な沈黙)
安倍首相は弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮への対応について「外交的・平和的に解決したい。これは日本も米国も同じだと思うが同時に対話のための対話は行わないという考え方のもとに行動対行動の原則にのっとって対応していきたい」と述べ中国やロシアが求める6か国協議の再開には慎重な姿勢を示した。
また、今月イタリアで開かれるG7サミット(主要7か国首脳会議)に合わせて米国のトランプ大統領との日米首脳会談を行いたいという考えを示した。...
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(日米及び関係各国不気味な沈黙)
安倍首相は弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮への対応について「外交的・平和的に解決したい。これは日本も米国も同じだと思うが同時に対話のための対話は行わないという考え方のもとに行動対行動の原則にのっとって対応していきたい」と述べ中国やロシアが求める6か国協議の再開には慎重な姿勢を示した。
また、今月イタリアで開かれるG7サミット(主要7か国首脳会議)に合わせて米国のトランプ大統領との日米首脳会談を行いたいという考えを示した。
14日の北朝鮮による新型ミサイル実験から、日米を中心とする関係各国からの反応が鈍くなっているように感じる。
この静けさの次にやってくる事象は、どんなものなのだろうか。緊張は続く。
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