アフターコロナとSDGs・持続可能な復興へ(9月28日)
日本は、デジタル化への集中投資を中核として新たな日常を構築するといった方針は示されているが、グリーンリカバリーの視点は乏しいと言わざるをえない。
これに対し国の有識者会議のメンバーはこの夏、当時の安倍総理大臣に「新型コロナからの復興は気候変動を含む新たな災害リスク軽減などのためにも、SDGsを軸に経済再生計画を」と求める緊急提言を出しており、新たな政権がどう対応するか問われている。
有識者会議のメンバーでもある慶應大学の蟹江憲史教授は、「持続可能な社会が実現すれば、仮に感染症が広がっても影響を最小限にしたり、元に戻る力が備わるはずだ」と持続可能な復興の重要性を訴えている。...
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日本は、デジタル化への集中投資を中核として新たな日常を構築するといった方針は示されているが、グリーンリカバリーの視点は乏しいと言わざるをえない。
これに対し国の有識者会議のメンバーはこの夏、当時の安倍総理大臣に「新型コロナからの復興は気候変動を含む新たな災害リスク軽減などのためにも、SDGsを軸に経済再生計画を」と求める緊急提言を出しており、新たな政権がどう対応するか問われている。
有識者会議のメンバーでもある慶應大学の蟹江憲史教授は、「持続可能な社会が実現すれば、仮に感染症が広がっても影響を最小限にしたり、元に戻る力が備わるはずだ」と持続可能な復興の重要性を訴えている。
そして、SDGsへの取り組みは国だけでなく地域、企業、市民のさまざまな可能性がある。過疎化が進む地域でSDGsを重視した取り組みもある。林業の衰退で未利用になった木材をバイオマス燃料として活用し、雇用の創出とCO2削減などを両立しようとしているケースがある。
こうして生み出される再生エネルギーは、災害時には地域分散型の電源として利用可能で、未利用の木材が資源として循環するようになれば、山の手入れが進み水害や土砂災害に強い地域作りにもつながる。
どのようにすれば新型コロナからのよりよい持続可能な復興につながるのか。ちょうど5年前のきょう生まれたSDGsはそのヒントを与えてくれる。
政権が変わり、新たなビジョンが求められる今、幅広く英知を集め取り組みを進めるときではないか。
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“コロナ後の経済と温暖化対策”閣僚級会議(9月4日)
会議は日本政府の呼びかけで実現したが、70余りの国と地域から閣僚らが出席する。
小泉環境相はテレワークの拡大によって社会のIT化が加速するなか、日本では国が新たに建設を計画しているコンピューターのサーバーなどで集まる施設を再生可能エネルギーの電力だけで稼働させる予定だと説明した。
会議では感染拡大後の社会を持続可能なものにするため「脱炭素社会」「循環経済」「分散型社会」をキーワードにそれぞれの国と地域が取り組むことを確認した。...
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会議は日本政府の呼びかけで実現したが、70余りの国と地域から閣僚らが出席する。
小泉環境相はテレワークの拡大によって社会のIT化が加速するなか、日本では国が新たに建設を計画しているコンピューターのサーバーなどで集まる施設を再生可能エネルギーの電力だけで稼働させる予定だと説明した。
会議では感染拡大後の社会を持続可能なものにするため「脱炭素社会」「循環経済」「分散型社会」をキーワードにそれぞれの国と地域が取り組むことを確認した。
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コロナテックの世界(7月18日)
ポストコロナを予感させるコロナテックと呼ばれる企業群が注目を集めている。コロナテックとは、新型コロナに端を発した諸問題を解決する新しい技術やサービスを提供する技術全般を指し、オンラインクラウドサービスやイーコマース、治療薬やワクチンを提供する会社などもひっくるめてコロナテック企業と呼んでいる。
例えば代表的なコロナテック企業としては、リアルタイムで共同編集ができる新しいデザインツールを提供する米国・フィグマや、トレーニング動画の再生や運動記録、食事指導など感染予防と健康推進を目的としたフィットネスアプリを提供する中国・キープなどがある。...
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ポストコロナを予感させるコロナテックと呼ばれる企業群が注目を集めている。コロナテックとは、新型コロナに端を発した諸問題を解決する新しい技術やサービスを提供する技術全般を指し、オンラインクラウドサービスやイーコマース、治療薬やワクチンを提供する会社などもひっくるめてコロナテック企業と呼んでいる。
例えば代表的なコロナテック企業としては、リアルタイムで共同編集ができる新しいデザインツールを提供する米国・フィグマや、トレーニング動画の再生や運動記録、食事指導など感染予防と健康推進を目的としたフィットネスアプリを提供する中国・キープなどがある。
今、新型コロナ危機を逆手にとって成長につなげるコロナテック企業に資金を投下する動きが世界で顕著になってきている。米国では核心的な技術を持つ企業にお金が集まる状況が既に生まれており、中国でも国をあげて有望なコロナテック企業にお金を出す動きが鮮明になっている。
日本国内の企業への日本の投資額は年間4000億円規模なのに対し、中国では10兆円、米国では14兆円とまったくスケールが異なっている。
日本で今、一番有名な大学発コロナテックといえば、大阪大学発のベンチャー企業アンジェスであるが、本来であれば7月に第二フェーズの治験ということで株価が上がってもおかしくない局面である。
しかしながら世界のワクチン市場を相手にやや部の悪い戦いを強いられている。例えばコロナワクチンの供給でジョンソンエンドジョンソンが日本と協議していることが伝わると一気にアンジェスの株価は大幅安となった。市場の8割を欧米メガファーマが独占する中にあって日本初コロナテックベンチャーが活躍できる余地は少ない可能性がある。
ポストコロナテック分野において、日本がもっと有利に戦える隙間が他にあるのかもしれない。そこを見極めながら、今の状況を打開するために規制緩和を推進させ、何よりも産官学でイノベーションを生む体制づくりが必要不可欠となっている。
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マスクなどの生産移転に国が700億円(7月17日)
政府は、マスクなどの生産で中国に集中している工場を国内に移す企業などに計700億円を補助する方針を固めた。
新型コロナが問題になった当初、中国輸入に頼っているマスクなどの調達が滞ったことから、政府は工場を国内に回帰させたりする企業の費用を補助する。
関係者によると、マスクの生産を手掛ける仙台市の「アイリスオーヤマ」や、アルコール消毒液を生産する大阪市の「サラヤ」など、国内に生産を移す57件の事業に対して補助を行う。...
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政府は、マスクなどの生産で中国に集中している工場を国内に移す企業などに計700億円を補助する方針を固めた。
新型コロナが問題になった当初、中国輸入に頼っているマスクなどの調達が滞ったことから、政府は工場を国内に回帰させたりする企業の費用を補助する。
関係者によると、マスクの生産を手掛ける仙台市の「アイリスオーヤマ」や、アルコール消毒液を生産する大阪市の「サラヤ」など、国内に生産を移す57件の事業に対して補助を行う。
また、マスクや自動車部品の生産を中国などから東南アジアに分散させる事業30件にも補助する。
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予想されるポストコロナ時代の現実(7月12日)
1700年代後半から1800年代前半にかけて英国で起こった産業革命は人の手でおこなっていた作業を蒸気機関を動力として機械化し、作業能率を大幅に上昇させることに成功した。その時以来、一極集中大量生産モデルが経済の主流となってきた。今、ポストコロナの時代を迎え、この一極集中大量生産モデルが音を立てて崩れようとしている。
変化の兆しは、例えばプロ野球、Jリーグ、アイドルのコンサート、五輪など、集中して人を集め、入場料を徴収し、会場でお酒やグッズを売る分野に表れ始めている。...
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1700年代後半から1800年代前半にかけて英国で起こった産業革命は人の手でおこなっていた作業を蒸気機関を動力として機械化し、作業能率を大幅に上昇させることに成功した。その時以来、一極集中大量生産モデルが経済の主流となってきた。今、ポストコロナの時代を迎え、この一極集中大量生産モデルが音を立てて崩れようとしている。
変化の兆しは、例えばプロ野球、Jリーグ、アイドルのコンサート、五輪など、集中して人を集め、入場料を徴収し、会場でお酒やグッズを売る分野に表れ始めている。新型コロナウイルスがこの動きを加速させた。
これからのコンサートの一つの方向性はオンラインの双方向配信システムやVRシステムで鑑賞する方向に向かうとみられるし、スポーツも5Gの高速回線を経由し、臨場感あふれるサウンドシステムと迫力ある8Kの大画面で実際に試合会場に足を運んだ以上の興奮を自宅で味わう方向に向かうことも考えられる。
オフィスワークも例外ではない。従来のビジネスは、人が集まるところから生み出されてきたために、人と人が会う。人が集まらないとビジネスは始まらないということが暗黙の了解であり大前提となっていた。
ところが、今回起きた新型コロナウイルスによるパンデミックがこの大前提を大きく揺るがした。人同士の接触が少なくても社会・産業活動が成り立つということを多くのビジネスマンが気付いてしまった。集合しなければ回らないと思っていた仕事がやってみたら、何とか回ることがわかった。
飛行機や船、車や電車で移動し、オフィス空間で会うという時間や場所の隙間を埋めるものが高速ネットワーク回線でありAIやIoTなどのコンピューターテクノロジーである。今、テレビ会議やテレワークなどの分散型ワークスタイルが従業員の働き方やコミュニケーション方法を大きく変えつつあり、従業員同士の飲み会でさえオンライン飲み会という形で現実化している。
こうした動きはビジネスに限ったものではなく、エネルギー分野なども大規模集中型の原発や火力発電のようなものから、小規模の再生可能エネルギーのような地産地消型エネルギーにシフトしていくことになると予想される。
家にいながら読みたい本を借りることもできるし、見たい絵を見ることができるオンライン図書館にオンライン美術館。更にはオンライン大学で授業を受け必要な知識を頭に入れ、卒業することもできる。
コロナが加速させたこれらの動きはAIやIoT、5Gなどの動きと連動し第四次産業革命と言っていい動きなのかもしれない。
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