ここ25年世界の変化(10月5日)
10月3日で、ドイツ統一から25年が経った。
今ドイツは、止まらない難民の流入に直面している。
又、ドイツの代表企業であるフォルクスワーゲンが会社ぐるみの排ガス規制逃れで、世界を揺るがす大スキャンダルの渦中にいる。
一方ドイツの経済力や財政力は、EUでは群を抜いて強い存在で、EUそのものを牽引している。
この25年の間、米ソの冷戦構造からソ連の崩壊、中国の台頭、日本経済の低迷など、様々な変化を体験してきた。...
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10月3日で、ドイツ統一から25年が経った。
今ドイツは、止まらない難民の流入に直面している。
又、ドイツの代表企業であるフォルクスワーゲンが会社ぐるみの排ガス規制逃れで、世界を揺るがす大スキャンダルの渦中にいる。
一方ドイツの経済力や財政力は、EUでは群を抜いて強い存在で、EUそのものを牽引している。
この25年の間、米ソの冷戦構造からソ連の崩壊、中国の台頭、日本経済の低迷など、様々な変化を体験してきた。
特に中東では、湾岸戦争、イラク戦争、アラブの春、そしてここ5年ほどのシリア内戦、イスラミックステートの動き、イランの核を巡る動き、イスラエルの動きなど激しく動揺してきた。
なぜ中東にこんなに動乱が続くのか、世界有数の原油生産地域であるということが起因しているのか。
確かに、その関係は否定できない。気象が影響しているのか。それもあるかも知れないが、赤道直下の国々の中でも工業生産が盛んで安定している国々も見られる。
いずれにしても中東を巡るきな臭さは、いつになっても消えない。いや増すばかりである。
今、世界規模の危険地域は中東、そしてウクライナなど欧州が影響を受ける地域に集中している。
環太平洋は、中国経済に陰りが見え始めたが、TPPの妥結に向けて急速に動きが出るなど活性化の兆しが再び起こっている。
これから先の四半世紀の間に、世界はどんな変化を見せるのか、その中で日本にはどんな運命が待っているのか、財政赤字はどうなるか。少子高齢化はどうするのか。重く難しい課題も迫っている。
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GDPの怪(10月2日)
こんにち、その国の経済的実力を評価するものとしてGDP(国内総生産)が定着している。
しかし、その数字と実体経済が合わないという議論も盛んになっている。
例えば、中国のGDP成長に関して、実は7%ではなく、実力は4%以下ではないか等と、議論されている。
そもそも中国のGDPの計算の信憑性が怪しいというウオッチャーもいる。
中国の首相である、李克強すらも、電力消費や貨物輸送量などの数字から李克強指数なるものを提唱したりしている。...
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こんにち、その国の経済的実力を評価するものとしてGDP(国内総生産)が定着している。
しかし、その数字と実体経済が合わないという議論も盛んになっている。
例えば、中国のGDP成長に関して、実は7%ではなく、実力は4%以下ではないか等と、議論されている。
そもそも中国のGDPの計算の信憑性が怪しいというウオッチャーもいる。
中国の首相である、李克強すらも、電力消費や貨物輸送量などの数字から李克強指数なるものを提唱したりしている。
驚いたことに、日本のGDPも実態を反映していないのではないかという意見もでてきている。
理由は、GDP統計が、経済構造の変化に対応できていないのではないかということだ。
直感的には、企業業績が良いのに、GDPが沈むというちぐはぐな現象に疑問を持つ専門家もいるようだ。
米国では、産業構造の変化を四半期ごとに反映させているようだ。
このように、GDPの算出方法が各国まちまちで、特に産業構造が激しく変化する中、新産業の算出基準やその実態が把握されていなければ、数字そのものの信憑性そのものが甚だ、脆弱になってしまう。
世界2位、であるとか、3位であるとかいっても、意味がなくなってしまうことがないのか。
GDPの成長があるといっても、本当に経済が成長しているのか。
そういった疑問が出てくる。
GDP或いは、一国の経済の指標を経済構造の実態や変化をしっかり抑えた数字に変えてゆくことが、こうした数字を根拠に生きている我々の求められている知恵なのではないだろうか。
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TPP交渉大詰め(10月1日)
今日から、TPP交渉は大詰めに入る。12月に入ると米国は大統領選挙戦一色になってしまう。
日本にとって今回の交渉は、相当大切なものになる。
なんといっても自由貿易を守り、南シナ海のシーレーンを確保するにはこの協定の成立が重要な鍵を握ることになりそうである。
参加メンバーには、ベトナムとマレーシア、ブルネイが含まれている。
これらの国は、まさしくこのシーレーンを守るように位置している。...
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今日から、TPP交渉は大詰めに入る。12月に入ると米国は大統領選挙戦一色になってしまう。
日本にとって今回の交渉は、相当大切なものになる。
なんといっても自由貿易を守り、南シナ海のシーレーンを確保するにはこの協定の成立が重要な鍵を握ることになりそうである。
参加メンバーには、ベトナムとマレーシア、ブルネイが含まれている。
これらの国は、まさしくこのシーレーンを守るように位置している。
甘利担当大臣も今回の会議が「最後の最後」の会議だと発言している。
新薬のデータの保護期間やニュージーランドが主張する酪農製品、それに自動車関係等当事国のぶつかり合いはあるが、どの国の立場に立っても有益であることは、明白である。
この手の交渉は、各国が主張をどこまで通せるか、そのせめぎ合いになってしまうが、どの国にとっても利益が明確であるこのTPPは、今回妥結する方が、それぞれの国にとって有益であると共に、中国などとの南シナ海の主導権を巡る戦いも有利に展開できることに繋がる。ここを逃すと日本の大切なシーレーンが危険な状態になりかねない。
ここまで交渉が煮詰まった上は、国内の調整は、後回しにするべきである。いよいよ今回は妥結を図る時である。
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乱高下する株価と世界(9月30日)
日本を取り巻く環境は、大量の難民が流入しているEUほど厳しくないにしても、株価は毎日のように激動している。
中国の景気減速の影響で、資源安も続いている。
今日の午前中の株価は、350円近く上昇し17,000円を回復した。
昨日は、714円安で17,000円を切った。
その震源地は中国だといわれている。
また、中国の構造改革が必要だとも議論されている。
しかし、その課題の解決はそう簡単なものではない。...
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日本を取り巻く環境は、大量の難民が流入しているEUほど厳しくないにしても、株価は毎日のように激動している。
中国の景気減速の影響で、資源安も続いている。
今日の午前中の株価は、350円近く上昇し17,000円を回復した。
昨日は、714円安で17,000円を切った。
その震源地は中国だといわれている。
また、中国の構造改革が必要だとも議論されている。
しかし、その課題の解決はそう簡単なものではない。
需給のバランスも崩れておりデフレの状況に陥っている。
新たな産業を育てるにも、アベノミクス3本目の矢の経験を見るまでもなく、相当な時間がかかる。
国連での習近平主席の演説を聞くと、中国の経済は大丈夫だ、まだまだこの調子でいける、新興国よ付いて来いといった内容である。
一方、「新常態」という新たな政策を執るとの方針も明らかにしている。
以上のように考察すると、中国は明確な曲がり角に来ており、新たな構造改革なしでは今後失速してゆく状態であることが分かる。
ここまで巨大になって世界経済に大きな影響を与える中国、そしてフォルクスワーゲン問題や難民問題でゆれるドイツなど世界の経済における巨人が、今大きな試練を迎えている。
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ドイツとフォルクスワーゲン(9月29日)
私たちは、ギリシャ債務問題を通じて、EU内でいかにドイツの立場が強いのかを見聞してきた。
最近のフランス人学者のエマニエル・トッドによる著書「ドイツ帝国が世界を破滅させる」を読むまでもなく、ドイツの強さをまざまざと感じてきた。
そのドイツの看板企業である「フォルクスワーゲン」が排ガス規制逃れの不正を働いたというニュースに触れて、一言でいえば驚愕した。
しかもドイツの検察当局は引責辞任したヴィンターコルン前会長が、排ガス規制を逃れた対象車を販売した詐欺容疑での捜査を始めたと言う情報も流れている。...
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私たちは、ギリシャ債務問題を通じて、EU内でいかにドイツの立場が強いのかを見聞してきた。
最近のフランス人学者のエマニエル・トッドによる著書「ドイツ帝国が世界を破滅させる」を読むまでもなく、ドイツの強さをまざまざと感じてきた。
そのドイツの看板企業である「フォルクスワーゲン」が排ガス規制逃れの不正を働いたというニュースに触れて、一言でいえば驚愕した。
しかもドイツの検察当局は引責辞任したヴィンターコルン前会長が、排ガス規制を逃れた対象車を販売した詐欺容疑での捜査を始めたと言う情報も流れている。
更に、ドイツメディアは排ガス規制試験で、不正に使われたソフトを開発したドイツの大手部品メーカー・ボッシュが、フォルクスワーゲンに対し2007年にソフトウエアの違法性を警告する文書を送っていたと報じた。ボッシュは、ソフトはあくまで内部のテスト用で、規制逃れのために使えば違法になると警告していて、フォルクスワーゲンが早くから不正を認識しながら技術の開発、販売を続けた可能性も出てきたとなると、「ほんとか」と信じられない思いである。
今、ドイツは難民政策でも、積極的にリーダーシップをとり、1兆円近くの予算を計上して、EU諸国に範を示している。
他のEU諸国は、ドイツがそこまで言うのならと、多数決で難民支援の割り当てを決めた。
驚くような新技術を創出し、EUを牽引してきたドイツの代表企業の、この蹉跌は今後大きな波紋と影響を世界にもたらすことになる。
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