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ボストンで輝け!7つの綺羅星たち(12月30日)
フィギュア全日本選手権は、男子シングルが羽生弦の4連覇、女子が宮原知子の2連覇で幕を閉じた。この結果を受け、来春開催の世界選手権への出場選手が決定。一夜明けて、日本代表男女7人の選手が記者会見を行った。優勝を果たしたものの2度の転倒など「集中力を欠いていた」と反省の言葉を口にした羽生。NHK杯からGPファイナルにかけ、前人未到の“ゾーン”に突入していたそのスケーティングも、流石に連戦の疲れが出ていたのだろうか。...
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フィギュア全日本選手権は、男子シングルが羽生弦の4連覇、女子が宮原知子の2連覇で幕を閉じた。この結果を受け、来春開催の世界選手権への出場選手が決定。一夜明けて、日本代表男女7人の選手が記者会見を行った。優勝を果たしたものの2度の転倒など「集中力を欠いていた」と反省の言葉を口にした羽生。NHK杯からGPファイナルにかけ、前人未到の“ゾーン”に突入していたそのスケーティングも、流石に連戦の疲れが出ていたのだろうか。それでも会見では「4回転の種類はもっと増やすべきだと思っている」と、世界選手権で新たな4回転ジャンプを組み込む可能性を示唆した。大晦日も紅白歌合戦の審査委員など大忙しだが、同じく代表に決まった宇野昌磨ともども、しっかり休養を取り、コンディションを整えてほしい。
一方、女子は宮原とともに激闘を繰り広げた浅田真央、本郷理華の3人で世界に挑む。14歳で2位に躍り出た樋口新葉(わかば)は出場資格を満たしていないため代表入りしなかったが、まさに綺羅星のようなスター候補がひしめく日本女子の新世代。若い可能性に満ち溢れているのを実感させられた今年の大会だった。
一方、迎え撃つ世界のライバルたちの筆頭格は何といってもロシアだ。日本選手権と同時に開催されていたロシア選手権では、今年のGPファイナル新女王エフゲニア・メドベージェワ(16)が非公認ながら世界歴代最高点を記録してみせた。ロシアは日本以上に若い世代の台頭が著しいフィギュア超大国。女子では最大の壁となるに違いない。来年3月30日に開幕する世界選手権の舞台はアメリカ・ボストン。果たしてどんな華麗な世界を見せてくれるのだろうか。
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女子サッカーから届け続けた最高の「パス」(12月29日)
「何かまだ来年もグラウンドで走っている気もします」彼女の優勝インタビューを聞いた多くのファンも同じ思いだったのではないだろうか。皇后杯全日本女子サッカー選手権は、INAC神戸レオネッサが1対0でアルビレックス新潟を破り、2年ぶり5度目の優勝。レオネッサの澤穂希はヘディングで決勝ゴールを決め、見事に現役最後の試合で有終の美を飾った。
電撃引退発表後、皇后杯の会場へは彼女の最後のプレーを見ようと大勢のファンが詰めかけ、等々力競技場で行われた決勝戦は大会史上最多の2万379人の観客で埋め尽くされた。...
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「何かまだ来年もグラウンドで走っている気もします」彼女の優勝インタビューを聞いた多くのファンも同じ思いだったのではないだろうか。皇后杯全日本女子サッカー選手権は、INAC神戸レオネッサが1対0でアルビレックス新潟を破り、2年ぶり5度目の優勝。レオネッサの澤穂希はヘディングで決勝ゴールを決め、見事に現役最後の試合で有終の美を飾った。
電撃引退発表後、皇后杯の会場へは彼女の最後のプレーを見ようと大勢のファンが詰めかけ、等々力競技場で行われた決勝戦は大会史上最多の2万379人の観客で埋め尽くされた。いつも通りMFで先発出場の澤は、トレードマークの腰まで届く長髪をたなびかせピッチを疾走。精度の高い美しいパスを随所で放っていった。サッカー解説者・福田正博は、澤の一番の特徴として、「いま何が必要なのかを見て、いつも考えている」と指摘。そのピッチ上での分析力の高さを挙げた。そして決定機を演出する際や、自陣深く攻め込まれたピンチの場面などで、常に冷静に対処し、パサーとしての役割を果たす。それこそが彼女の真骨頂だ。その輝きは最後の試合まで決して色褪せることはなかった。
引退後の進路は、以前から「人に教えるのは苦手」と話しており、指導者としての道は視野にはないようだ。試合後の記者会見では「日本のスポーツ界や世界で、自分にしかできないことをやっていけたらいいなと思います」と語った。新たな活躍の場をどんなフィールドに求めるのか楽しみだが、その卓越した観察眼で、澤穂希はこれからも私たちに素晴らしいパスを送ってくれるに違いない。澤さん、女子サッカーの魅力を届け続けてくれて本当にありがとう!
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神戸と宮城・二つの被災地を結ぶ香川の思い(12月27日)
24日、ドルトムントの香川真司が、神戸市須磨区でXマスイベントを行った。自費を投じて主催した「シンジ・ドリーム・クリスマス」には、4歳から6歳のちびっ子500人が参加。子供たちは一緒にボールを追いかけて、スーパースターと触れ合った。続く25日は場所を宮城県岩沼市に移し、先月開設されたヤンマーの農業施設でのイベントに登場。招待された小学生らの大歓迎を受けた。年内のリーグ戦を終え、21日にドイツから帰国したばかりだが、子供たちのためオフ返上で、神戸から宮城まで2日続けてのクリスマスプレゼントとなった。...
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24日、ドルトムントの香川真司が、神戸市須磨区でXマスイベントを行った。自費を投じて主催した「シンジ・ドリーム・クリスマス」には、4歳から6歳のちびっ子500人が参加。子供たちは一緒にボールを追いかけて、スーパースターと触れ合った。続く25日は場所を宮城県岩沼市に移し、先月開設されたヤンマーの農業施設でのイベントに登場。招待された小学生らの大歓迎を受けた。年内のリーグ戦を終え、21日にドイツから帰国したばかりだが、子供たちのためオフ返上で、神戸から宮城まで2日続けてのクリスマスプレゼントとなった。
神戸市垂水区出身。そして中学高校時代、仙台市にサッカー留学をした香川にとって、この二つの地はかけがえのない“故郷”である。5歳の時に自宅で阪神淡路大震災を経験している香川。東日本大震災の際は、5月に緊急帰国すると宮城県内の被災地を回り、ボランティア活動にあたった。震災から4年目の今年3月11日には自身のツイッターで「あの日のことを忘れず、サッカーを通して夢や希望を与えていけるように頑張ります!」と強い誓いを綴っている。
古巣ドルトムントに復帰して2季目の今年は、前半戦で昨シーズンの5に迫る4ゴール。アシスト数では去年をすでに上回っている。地元ファンからの評価も高く、チームになくてはならない存在だ。一方、日本代表としては、アジアカップやW杯予選で苦しめられた場面も多い1年だった。しかし、来年こそハリルジャパンで本来のパフォーマンスを発揮してくれるに違いない。誰よりも故郷を思い、熱いハートを持つ男からの素晴らしい贈り物に期待しよう。
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プロスポーツと企業スポーツのはざまで(12月26日)
日本プロスポーツ協会は25日、2015年の「日本プロスポーツ大賞」にラグビー日本代表を選出した。国内のプロスポーツ表彰で最も権威が高いこの賞は今年で47回を数える。大賞受賞者には、内閣総理大臣杯と賞状が授与され、過去にはプロ野球やJリーグ、プロボクシング、大相撲、プロゴルフなどの選手や団体がその栄誉に浴してきた(ちなみに昨年の大賞はテニスの錦織圭)今回、ラグビーが大賞に輝いたのは1968年に制定されて以来初の快挙だ。...
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日本プロスポーツ協会は25日、2015年の「日本プロスポーツ大賞」にラグビー日本代表を選出した。国内のプロスポーツ表彰で最も権威が高いこの賞は今年で47回を数える。大賞受賞者には、内閣総理大臣杯と賞状が授与され、過去にはプロ野球やJリーグ、プロボクシング、大相撲、プロゴルフなどの選手や団体がその栄誉に浴してきた(ちなみに昨年の大賞はテニスの錦織圭)今回、ラグビーが大賞に輝いたのは1968年に制定されて以来初の快挙だ。現在、日本プロスポーツ協会に加盟しているのは15団体。プロリーグを持ち全国的に興行を行う野球やサッカーのほかに、競馬や競輪、オートレース、ボウリング、ダンスなどの法人も参加している。だが、日本ラグビーフットボール協会はその中にはない。ラグビーは1995年にプロ化されたが、日本人のプロ契約選手は一部で、チームを所有する企業に所属する選手も多い。ヤマハ発動機ジュビロはプロ契約をしていないため、あの五郎丸歩選手もヤマハの社員選手である。これまで日本のスポーツを支えてきたのは企業スポーツであり、大企業の支援なくしては成り立たなかった。特にラガーマンは選手生命が短く、大きな怪我などの危険を考えても、企業に所属して生活が保障されているからこそ、競技に打ち込めるという面もある。他競技に比べ所属選手数が多いラグビーの完全プロ化は、収益面などを考えてもなかなか簡単にはいかない問題だろう。プロ化を巡り2リーグ分立に陥ったバスケットボールリーグの例もあった。企業スポーツとプロスポーツ、それぞれのメリットを生かし、今後も国内スポーツがさらに発展していくことを望みたい。
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学生相撲から角界へ・スロー&スピード出世(12月25日)
大相撲初場所の新番付が発表された。注目は新関脇の嘉風(尾車部屋)。新入幕から所要59場所での関脇は史上2位のスロー昇進だ。嘉風は学生相撲出身。日体大3年の時には日本選手権を制しアマチュア横綱になった。学生・社会人のアマ4タイトルのいずれかを獲得した者は、1年以内に角界入りすると「幕下付出」という幕下15枚目と同等の資格を得ることができる。だが、嘉風は大学を卒業後に入門したため資格を失い、前相撲からスタートした。...
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大相撲初場所の新番付が発表された。注目は新関脇の嘉風(尾車部屋)。新入幕から所要59場所での関脇は史上2位のスロー昇進だ。嘉風は学生相撲出身。日体大3年の時には日本選手権を制しアマチュア横綱になった。学生・社会人のアマ4タイトルのいずれかを獲得した者は、1年以内に角界入りすると「幕下付出」という幕下15枚目と同等の資格を得ることができる。だが、嘉風は大学を卒業後に入門したため資格を失い、前相撲からスタートした。そこから丸12年かけての関脇。正に叩き上げの力士である。幕下付出の制度は、有望な学生相撲の選手を各界にスカウトするためのもので、力士にとっても序ノ口、序二段、三段目を飛ばして、いきなり十両に手が届く地位からデビューというのは大きなメリットといえる。相撲界は十両まで上がり関取にならなければ一人前とはみなされず、生活設計もままならない厳しい世界。二の足を踏む学生選手にとって幕下付出は非常に魅力的な制度だろう。最近では遠藤や逸ノ城(実業団横綱)、そして九州場所で御嶽海がザンバラ髪のまま幕内まで上がってきて注目を浴びている。そんなスピード出世のアマ横綱出身者に対して、苦労して下積みから這い上がってきた力士の対抗心は強いものがある。今回新入幕が決まった正代(しょうだい)も嘉風同様、大学2年で学生横綱になりながら卒業を優先。前相撲から土俵に上がった。学生時代は遠藤と選手権で火花を散らした実力者。所要11場所での昇進は、幕下付出からわずか4場所で入幕した遠藤に劣らない立派なものだ。正代も先を行った好敵手との再戦に、静かに闘志を燃やしているはず。二人の対戦が見ものである。
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