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「神の左」10度目の炸裂・輝き続ける王者(3月5日)
4日に行われたプロボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチは、チャンピオン・山中慎介がベネズエラのリボリオ・ソリスに3―0の判定勝利を収めた。10回連続の防衛を達成したが、勝利者インタビューでは開口一番「2回もダウンして、いいところを見せられなくてすみませんでした」と反省の弁が口をついた。山中にとって高校時代を過ごした京都での防衛戦。大勢の関係者の前で、初めて先に2度のダウンを奪われ判定での防衛という試合内容には若干納得がいかない様子だ。...
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4日に行われたプロボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチは、チャンピオン・山中慎介がベネズエラのリボリオ・ソリスに3―0の判定勝利を収めた。10回連続の防衛を達成したが、勝利者インタビューでは開口一番「2回もダウンして、いいところを見せられなくてすみませんでした」と反省の弁が口をついた。山中にとって高校時代を過ごした京都での防衛戦。大勢の関係者の前で、初めて先に2度のダウンを奪われ判定での防衛という試合内容には若干納得がいかない様子だ。しかし、終始試合を支配していたのはいつもの「神の左」だった。
ソリスはSフライ級の元世界王者。河野公平、亀田大毅の2人の日本人世界王者を倒している高い実力の持ち主だ。過去に一度もKO負けがないその固いディフェンスを、山中のワンツーは確実に捉えて打ち砕いていく。最終ラウンド、ソリスの顔面は大量の血で染まっていた。2度のダウンを喫した3R以外は山中のペースで、ジャッジ3人が117―107をつけたように、チャンピオンの完勝だったといえるだろう。
この日は、WBC世界Lフライ級タイトルマッチとのW世界戦。もう一人のチャンピオンの木村悠は残念ながら初防衛を果たせなかったが、同じジムの先輩でもある山中は、TV番組で木村に「試合に向けて万全に仕上げる自信があるから、不安とか恐怖はない」と語っていた。その自信こそがダウンを奪われても崩れない、円熟味を増した王者のボクシングにつながっている。10回以上の防衛記録は具志堅用高(13回)、内山高志(11回・続行中)、長谷川穂積(10回)に続き日本人4人目。3位タイの防衛記録だ。「記録より記憶に残ることにこだわる」という不敗の王者。まだまだ「神の左」の切れ味は多くの人の脳裏に刻まれるに違いない。
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「昨日の負けは今日の勝ち」卓球女子の笑顔(3月4日)
マレーシアで行われている卓球の世界選手権団体戦は四日間のリーグ戦を終え、3日から上位12チームによる決勝トーナメントに突入した。B組1位通過の日本女子は準々決勝で、前日リーグ戦で唯一の黒星を喫したドイツと再び対戦。先鋒を務めたスーパー中学生・伊藤美誠が3-1で快勝すると、続くエース・石川佳純も昨日敗れた相手・ソルヤに雪辱。最後はチーム最年長のキャプテン福原愛がきっちりと締め、日本が3-0のストレート勝ちで準決勝進出。...
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マレーシアで行われている卓球の世界選手権団体戦は四日間のリーグ戦を終え、3日から上位12チームによる決勝トーナメントに突入した。B組1位通過の日本女子は準々決勝で、前日リーグ戦で唯一の黒星を喫したドイツと再び対戦。先鋒を務めたスーパー中学生・伊藤美誠が3-1で快勝すると、続くエース・石川佳純も昨日敗れた相手・ソルヤに雪辱。最後はチーム最年長のキャプテン福原愛がきっちりと締め、日本が3-0のストレート勝ちで準決勝進出。世界選手権2大会連続のメダル獲得を確定させた。
2日のリーグ戦では接戦の末にドイツに敗れ、悔し涙を流した日本女子チーム。特に2敗を喫した福原は責任を痛感し「もう二度とこういう気持ちにはなりたくない」と沈痛な表情を浮かべていた。だが、トーナメント戦では彼女がインタビューで語った通り“気持ちを切り替えて”見事に強敵を打ち破ってくれた。
初の団体銀メダルを獲得したロンドン五輪後、右ひじの手術や足の骨折などに苦しんだ福原。怪我の影響で、日本開催だった前回の世界卓球団体戦(2014年)も欠場を余儀なくされた。振り返り「26年間生きてきた中で一番辛いし暗い、一日一日が長い」3年間だったと告白している。更に今年1月の全日本選手権では17歳年下のホープにまさかの大逆転負けという屈辱も味わった。今回の大会にかける思い、そして初のキャプテンとしての重圧は計り知れないものがあっただろう。ドイツ戦の後は「厳しい戦いを勝ち抜くことができた」と自信を見せた。笑顔を取り戻した日本が誇る三人の卓球女子。頂点まで残りあと2つだ。まだまだ彼女たちの歓喜に沸く姿を日本中に届けてもらいたい。
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完全燃焼!最後まで挑み続けた二人のサムライ(3月3日)
「19年間、いい時も悪い時も温かい声援をいただいたので本当に感謝します」1日、現役引退を表明した元ホークスの松中信彦(42)が引退会見を行った。昨年オフにチームを退団後も現役続行を目指し、4か月間にわたり懸命のトレーニングを重ねていたが、自ら期限とした2月末までにオファーはなかった。平成唯一の三冠王で、オリンピック、WBCと国際大会でも活躍した偉大な4番打者がバットを置く。
彼が最後のチャンスを待って練習を続けた場所は、自らの原点というべき千葉県にある社会人野球チームのグラウンドだった。...
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「19年間、いい時も悪い時も温かい声援をいただいたので本当に感謝します」1日、現役引退を表明した元ホークスの松中信彦(42)が引退会見を行った。昨年オフにチームを退団後も現役続行を目指し、4か月間にわたり懸命のトレーニングを重ねていたが、自ら期限とした2月末までにオファーはなかった。平成唯一の三冠王で、オリンピック、WBCと国際大会でも活躍した偉大な4番打者がバットを置く。
彼が最後のチャンスを待って練習を続けた場所は、自らの原点というべき千葉県にある社会人野球チームのグラウンドだった。かつて所属した新日本製鐵君津(現・新日鐵住金かずさマジック)。実はこのチームには同じく最後まで夢を諦めきれずに挑戦してきた選手が、昨年末から復帰している。新日鐵の後輩で、パシフィックリーグ、そしてシドニー五輪、第一回WBCで一緒に戦ってきた元マリーンズの渡辺俊介である。日本球界を代表するこのサブマリンは、2014年から米独立リーグでプレーしてメジャーリーグ昇格を目指してきた。昨年オフに「最後のあがき。ダメだったらアメリカの野球はもう諦める」とベネズエラのウインターリーグに参加していたが、遂にメジャー挑戦を断念。古巣のこの社会人チームにコーチ(投手兼任)として復帰したのだった。渡辺は松中の3つ年下の39歳。二人とも大きな目標に最後の最後まで挑み続けたサムライたちだった。
引退会見で「三冠王を取れるくらいの選手を育てたいと思う」と次の目標を語った松中。プロ野球での指導者を目指すということだが、渡辺同様、培った豊富な経験を生かし、頂点を目指す次の世代を導いていってほしい。
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大阪場所でも巻き起こるか?琴奨菊フィーバー(3月2日)
3月13日から始める大相撲春場所の番付が発表された。初場所で日本出身力士として10年ぶりに優勝した大関・琴奨菊が、大阪の宿舎で記者会見。「これから1日も無駄にすることなく初日に向けてやっていけたら」と、横綱昇進に挑む意気込みを語った。
初優勝後の琴奨菊は、テレビ出演やイベントに引っ張りだこ。佐渡ヶ嶽部屋のある松戸市でのパレードには5万5000人の観客が詰めかけた。さらに1月の東京での挙式に続き、27日には故郷柳川でも披露宴を開催。...
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3月13日から始める大相撲春場所の番付が発表された。初場所で日本出身力士として10年ぶりに優勝した大関・琴奨菊が、大阪の宿舎で記者会見。「これから1日も無駄にすることなく初日に向けてやっていけたら」と、横綱昇進に挑む意気込みを語った。
初優勝後の琴奨菊は、テレビ出演やイベントに引っ張りだこ。佐渡ヶ嶽部屋のある松戸市でのパレードには5万5000人の観客が詰めかけた。さらに1月の東京での挙式に続き、27日には故郷柳川でも披露宴を開催。旧柳川藩主・立花邸の料亭で行われた豪華な宴席は午前午後の2回に及んだ。公私にわたり多忙を極め、場所後に休めたのは僅か1日しかなかったという。
本場所に備えて既に殆どの力士たちが、大阪入りしているが、琴奨菊は3月5日には再び柳川で名物・川下りの水上パレードも行う予定だ。観光イベント「柳川雛祭り」と合わせた日程ではあるが、ここまでくると、いささか稽古不足や体調管理が心配になってくる。
これまでも度重なる故障に苦しめられてきた琴奨菊。怪我による途中休場もあり、それが大関での足踏みにつながった。場所までの残り僅かな日数でどこまで仕上げられるか。難しいコンディション調整が必要になるだろう。実直な人柄に加え、頭からぶつかる突き押し相撲故に、立ち合いの変化を食らって土俵を這うことも多い。「日本人横綱」誕生を願う周囲の声は強いだろうが、あまり気負わず平常心で自分の相撲を取ってもらいたい。
大阪場所は人気力士・遠藤が十両に陥落。膝の故障から現時点では出場も微妙な状況だ。しかし琴奨菊フィーバーで相撲熱はますます高まっている。“荒れる春場所”大阪の土俵は果たしてどんな展開を見せるだろうか。
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新生「なでしこ」の船出はほろ苦い結果に…(3月1日)
29日、サッカー女子のリオデジャネイロ五輪・アジア最終予選が開幕した。澤穂希という大黒柱が去った後の“新生”なでしこジャパンは、初戦を勝利で飾ることはできなかった。ここ5試合負けていなかったオーストラリアを相手に3点を奪われての完敗。試合後、「もう一戦も落とせないという気持ちで戦うしかない」と佐々木則夫監督は唇を噛み締めた。
立ち上がりから相手ゴールに攻めかかったなでしこだったが、25分にオーストラリアの波状攻撃から最後はリサ・デバナにヘディングシュートを決められてしまう。...
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29日、サッカー女子のリオデジャネイロ五輪・アジア最終予選が開幕した。澤穂希という大黒柱が去った後の“新生”なでしこジャパンは、初戦を勝利で飾ることはできなかった。ここ5試合負けていなかったオーストラリアを相手に3点を奪われての完敗。試合後、「もう一戦も落とせないという気持ちで戦うしかない」と佐々木則夫監督は唇を噛み締めた。
立ち上がりから相手ゴールに攻めかかったなでしこだったが、25分にオーストラリアの波状攻撃から最後はリサ・デバナにヘディングシュートを決められてしまう。前日NHKの番組で、駄洒落好きで知られるサッカー解説の早野宏史に「“出鼻“をくじけ」と警戒されていたFWから、欲しかった先制点を奪われた。2失点目はMF坂口夢穂のパスが主審に当たりコースが逸れ、オーストラリアの決定機になってしまう不運にも見舞われた。前半終了間際、この試合から澤の10番を引き継いだ大儀見優季のゴールで1点差に詰め寄ったものの、78分に守備の乱れを突かれて痛恨の3失点目。一昨年のアジア最優秀女子選手カトリーナ・ゴリーに決定的な追加点を奪われてしまった。DF陣が高い攻撃に切り崩されたことや、GKの山根恵里奈が安定感を示せなかったのは大きな反省点だろう。TV中継のゲスト・澤穂希の口から出たのも「課題の多い試合。攻守にわたってものすごい物足りなさを感じた」という厳しい言葉だった。
ここから中一日で2日は韓国戦。そして最大のライバルと目される最終の北朝鮮戦に向けて、負けが許されない戦いが続く。これまでに何度も逆境から這い上がり、劇的な展開で勝利をつかみ取ってきたなでしこたち。闘いはまだ始まったばかりだ。
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