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スポーツ界に広がるアスリートからの支援の輪(4月21日)
震度7が観測された熊本の地震発生から一週間が経過しようとしている。九州各地に深刻な爪痕が残り、いまなお激しい揺れが続く予断を許さない状況だ。そんななか、スポーツ界からも、各地で支援の輪が広がっている。その活動の一部をアスリートらの言葉と共にご紹介しよう。
大相撲では毎年恒例の靖国神社奉納相撲で、急遽募金活動を実施。大分県佐伯市出身の嘉風らが募金箱を手に、被災者支援を呼びかけた。「地元の人たちが苦しんでいるのは心が痛い」辛い胸の内を明かした嘉風は「地震の恐怖を忘れられるような、そういう相撲を」と決意を新たにした。...
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震度7が観測された熊本の地震発生から一週間が経過しようとしている。九州各地に深刻な爪痕が残り、いまなお激しい揺れが続く予断を許さない状況だ。そんななか、スポーツ界からも、各地で支援の輪が広がっている。その活動の一部をアスリートらの言葉と共にご紹介しよう。
大相撲では毎年恒例の靖国神社奉納相撲で、急遽募金活動を実施。大分県佐伯市出身の嘉風らが募金箱を手に、被災者支援を呼びかけた。「地元の人たちが苦しんでいるのは心が痛い」辛い胸の内を明かした嘉風は「地震の恐怖を忘れられるような、そういう相撲を」と決意を新たにした。募金活動は春巡業でも継続して行われる。
先日メンバーが発表されたバレーボール全日本女子は合宿中。19歳の古賀紗理那は、熊本信愛女学院出身。実家のある大津町は震源地・益城町の北隣だ。「必死でやっている姿を見せることでみんなに元気を与えることができると思う」不安な思いを抑え、5月に迫ったリオ五輪最終予選に向け全力で練習に励む。プロ野球王者ホークスでは主砲・内川聖一が大分市出身。「野球を見て頂いている間だけでも笑って貰えるよう全力でプレーしたい」と涙で誓った。ホークスと首位攻防中のマリーンズ・伊東勤監督は「自分が被災地に行けない悔しさ…大変な人たちの姿を見ていたら、居ても立っても居られない気持ち」と男泣き。試合前、両チームで募金に立った際も、この情に厚い肥後もっこすはファンの励ましの言葉に熱い涙を零していた。全日本柔道連盟・山下泰裕副会長は横浜で街頭募金活動に。「色んなスポーツの選手たちが行動しているというのは、被災者の人たちを励ます力になるのではないか」国民栄誉賞受賞のこの人も熊本県の山都町出身である。頑張れ熊本、負けるな九州の思いは、いま全国に広がっている。
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「文武両道」・スポーツと学問の二刀流は?(4月20日)
18日行われた東京六大学野球春季リーグで、東京大学が3-2でサヨナラ勝ちを収めた。実に12年ぶりとなる明治大学からの勝利だ。
36季連続で最下位の東京大学野球部。他の5校(早稲田、慶応、明治、法政、立教)が、全国から有望選手を獲得しているのに対し、東大には六大学で唯一スポーツ推薦がない。それでも過去に1シーズン6勝を挙げた実績もあるが、2010年からはリーグワースト記録となる連敗地獄に苦しんでいた。...
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18日行われた東京六大学野球春季リーグで、東京大学が3-2でサヨナラ勝ちを収めた。実に12年ぶりとなる明治大学からの勝利だ。
36季連続で最下位の東京大学野球部。他の5校(早稲田、慶応、明治、法政、立教)が、全国から有望選手を獲得しているのに対し、東大には六大学で唯一スポーツ推薦がない。それでも過去に1シーズン6勝を挙げた実績もあるが、2010年からはリーグワースト記録となる連敗地獄に苦しんでいた。そこで、東大野球部は2013年に元巨人の桑田真澄を特別コーチに招聘するなどチームを改革。沖縄合宿を行い、バッテリーの強化に努めた。そして、ついに昨年の春季リーグ、連敗は「94」でストップする。更に秋季にはエースの宮台康平が、防御率2.17でリーグ4位に輝いた。宮台は最速145kmの速球とスライダーが武器の左腕。今季初戦の早稲田大学戦では8回まで0点に抑え、13奪三振の力投を見せた。一人で投げ抜いたが、最終回に決勝打を打たれ0-1で惜敗。大金星を逃している。宮台は明大との1回戦でも、再び9回1死まで無得点に封じるも、最後はサヨナラスクイズで涙をのんだ。
19日、1勝1敗で迎えた明大との3回戦。雪辱を期して再び宮台が登板。しかし、3回3失点と打ち込まれ、チームも大敗。試合後に宮台は「勝つつもりで臨んだが、本当に残念です」と唇を噛んだ。14年ぶりの勝ち点はならなかったが、まだそのチャンスは十分にあるだろう。
「文武両道」かつて日本には学問も武術も共に秀でた者が模範とされた時代があった。最新の研究では運動部所属の高校生の方が、高偏差値傾向とのデータもあるという。学問でもスポーツでも一流を極める。果たしてその可能性は?宮台、そして東大野球部の今後に注目したい。
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侍メジャーリーガーのメッセージは海を越えて(4月19日)
大リーグの公式戦で17年ぶり通算12回目となる日本人先発投手の対決。ヤンキース・田中将大vsマリナーズ・岩隈久志。東北楽天イーグルスで5年間チームメートだった新旧エースが、初めてメジャーのマウンドで激突した。
田中は初回に不運な当たりが続き、1点を先制されるも満塁のピンチを最少失点で切り抜ける。対する岩隈は2回に通算本塁打数688本のアレックス・ロドリゲスに手痛い逆転2ランHRを浴びた。その後、エラー絡みなどで両者1点ずつ失点すると、5回はこの男に見せ場が。...
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大リーグの公式戦で17年ぶり通算12回目となる日本人先発投手の対決。ヤンキース・田中将大vsマリナーズ・岩隈久志。東北楽天イーグルスで5年間チームメートだった新旧エースが、初めてメジャーのマウンドで激突した。
田中は初回に不運な当たりが続き、1点を先制されるも満塁のピンチを最少失点で切り抜ける。対する岩隈は2回に通算本塁打数688本のアレックス・ロドリゲスに手痛い逆転2ランHRを浴びた。その後、エラー絡みなどで両者1点ずつ失点すると、5回はこの男に見せ場が。第3の日本人選手、マリナーズの1番を任される青木宣親は、田中の初球をものの見事に弾き返すと、快足を飛ばして一気に3塁を陥れた。その直後タイムリーで生還し、マリナーズが再び同点に追いつく。だが、その回の裏、ランナーを背負った岩隈は痛恨のワイルドピッチ。勝ち越し点を献上し、結局この1点が決勝点となって、田中が今季初勝利をあげた。共に7回を投げ抜いた両先発。「岩隈さんも僕も長いイニングを投げることができたので、また次の登板に向けてやっていきたい」と語る田中に対し、初白星がお預けとなった岩隈も「楽しかったので、またぜひ対戦したい」と笑顔で応えた。
この日のメジャーリーグはドジャース・前田健太も好投を見せ、1失点で2勝目をマーク。マーリンズ・イチローもマルチヒットを達成したほか、今季初の盗塁を成功させるなど、日本人選手が存在感を示した。田中と岩隈は仙台で東日本大震災を経験。イチローもオリックス時代に「がんばろうKOBE」を合言葉に日本一に輝いた。試合後の会見で、前田は「できるだけいいニュースを届けられるように頑張っていきたい」と九州の被災地にエールを送った。海の向こうでも復旧・復興を願う心は一つだ。
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過酷なリオでの戦い・逆境に打ち勝つ力を!!(4月17日)
リオデジャネイロ五輪男子サッカー・グループステージの組み合わせ抽選会が14日に行われた。アジア王者の日本はグループB。ヨーロッパ王者スウェーデン、アフリカ王者ナイジェリア、南米予選2位コロンビアと強敵が揃った。しかし、手倉森誠監督は「日本にとって良いグループに入った」と分析。「勝っていくことで成長できる相手。ここを突破できればてっぺんまで登っていけそうな可能性を感じる」と自信をのぞかせる。U-23手倉森ジャパンの目標は、メキシコ五輪以来48年ぶりのメダル獲得だ。...
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リオデジャネイロ五輪男子サッカー・グループステージの組み合わせ抽選会が14日に行われた。アジア王者の日本はグループB。ヨーロッパ王者スウェーデン、アフリカ王者ナイジェリア、南米予選2位コロンビアと強敵が揃った。しかし、手倉森誠監督は「日本にとって良いグループに入った」と分析。「勝っていくことで成長できる相手。ここを突破できればてっぺんまで登っていけそうな可能性を感じる」と自信をのぞかせる。U-23手倉森ジャパンの目標は、メキシコ五輪以来48年ぶりのメダル獲得だ。
抽選が行われた同日。日本では熊本で震度7の大地震が発生。翌日以降も大きな揺れが連続し、各地で甚大な被害をもたらしている。影響はスポーツ界にも及び、NPBなどの試合が中止に追い込まれた。熊本市をホームとするサッカーJ2のロアッソ熊本もトップチームを含む全ての活動を、3日間中断すると発表した。
実はU-23五輪代表候補の中にも、熊本出身の選手がいる。植田直通(鹿島)と豊川雄太(岡山)、二人の出身校・県立大津高等学校は、今回の震源地のすぐ近くだ。16日に行われたJ1第8節・湘南‐鹿島にDFとして出場した植田は、3-0で勝利後のインタビューで「本当に今日は絶対勝ってやろうっていう気持ちで戦っていたので…」と語ると、30秒ほど絶句。そのままピッチでむせび泣いた。U-23手倉森誠監督もベガルタ仙台の監督時代、仙台市内で3.11に遭遇。厳しい逆境の中、チームを指揮して4位と健闘し、2013年にはアジアチャンピオンズリーグ初進出を果たした経験を持つ。手倉森監督のモットーは東北、そして日本中に「サッカーを通じて勇気、元気を届ける」である。五輪でも必ず困難に打ち勝つ姿を見せてくれるだろう。スポーツの力を発揮する時だ。
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走った距離は裏切らない・完全燃焼の競技人生(4月16日)
マラソン界の一時代を築いた女王が競技生活に別れを告げた。現役引退を表明した女子マラソンのアテネ五輪金メダリストで、日本記録保持者の野口みずき(37)が会見を行った。
引退理由について「トップレベルの走りができなくなってしまったこと」を挙げた野口。3月に行われたリオ五輪最終選考レースの名古屋ウィメンズマラソン。野口は23位でのフィニッシュとなったが、ゴールした彼女の顔は晴れやかで笑顔に包まれていた。...
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マラソン界の一時代を築いた女王が競技生活に別れを告げた。現役引退を表明した女子マラソンのアテネ五輪金メダリストで、日本記録保持者の野口みずき(37)が会見を行った。
引退理由について「トップレベルの走りができなくなってしまったこと」を挙げた野口。3月に行われたリオ五輪最終選考レースの名古屋ウィメンズマラソン。野口は23位でのフィニッシュとなったが、ゴールした彼女の顔は晴れやかで笑顔に包まれていた。「とてもすがすがしい気持ちと言うか、自分の思いが達成できてよかったと思います」と会見の席でも、悔いのない完全燃焼の思いを述べた。2004年、アテネ五輪で金メダル獲得。シドニーの高橋尚子に続く二大会連続の日本女子マラソンの栄冠に、列島中が沸きかえった。その翌年ベルリンマラソンでマークした日本新記録は未だに破られていない(2時間19分12秒)。北京での史上初の五輪二連覇は、故障のため直前に出場辞退という悲運も味わったが、史上最強の女子マラソンランナーとして、その実績は揺るぎないものだろう。だが、そんな野口にとっても、女子マラソン初の五輪金、そして国民栄誉賞を獲得した高橋の存在は非常に大きいものだった。「選手の時には言えなかったですけど、高橋さんに憧れることが出来たから金メダルも取れたし日本記録も取れた。本当にありがとう」名古屋でのゴール後、施設内でTV解説の高橋と対面した野口は、胸に秘めていた思いを吐露。高橋は野口を抱擁し共に号泣した。高橋と並んだ野口の体は二回りも小さかった。150cmの身長と同じ程歩幅の広いストライド走法の野口、163cmで歩幅を小さく素早く蹴り出すピッチ走法の高橋。対照的な二人の金メダリストのライバルストーリーは、ここにエンディングを迎えた。
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