新たな戦いの場は“世界最高峰“に(11月6日)
ニュージーランドの連覇で幕を閉じた第8回ラグビーW杯。今大会で4強を独占したのはいずれも南半球の国だった。そのニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3か国15チームからなる国際リーグが「スーパーラグビー(SR)」だ。この世界最高峰のリーグに日本代表FBの五郎丸歩が挑戦することを発表した。彼が加入するのはオーストラリアのブリスベンを本拠地とするレッズ。五郎丸は現在所属している日本のトップリーグのヤマハに籍を置いたままの参戦となる。...
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ニュージーランドの連覇で幕を閉じた第8回ラグビーW杯。今大会で4強を独占したのはいずれも南半球の国だった。そのニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3か国15チームからなる国際リーグが「スーパーラグビー(SR)」だ。この世界最高峰のリーグに日本代表FBの五郎丸歩が挑戦することを発表した。彼が加入するのはオーストラリアのブリスベンを本拠地とするレッズ。五郎丸は現在所属している日本のトップリーグのヤマハに籍を置いたままの参戦となる。
一方、SRは来季から日本チームも参加することが決定している(10月6日の記事参照)。チーム名は公募で「サンウルブズ」に決定。チームのロゴは「太陽と狼」をあしらった精悍なものだ。選手は日本代表を中心に編成する方針だが、まだ詳細は発表になっていない。正直この日の丸チームを背負う五郎丸歩の姿も見てみたかった気はする。今後もSRの強豪チームに入団する日本代表選手が増えると、サンウルブズのチーム編成にも影響が出るかもしれない。
だが、SR参入の目的は日本選手のレベルアップと、アジア地域へのラグビー普及にある。各チームに散らばった日本人選手同士の切磋琢磨が大きな波及効果をもたらしてくれることを期待したい。SRには日本のほかにもうひとつのW杯ベスト4の強豪・アルゼンチンからも新チームが参入する。王者・オールブラックスをはじめ、世界強豪国の選手たちと、日本選手の戦いぶりに注目だ。
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亀田大毅よ、どこへ行く(11月5日)
亀田3兄弟の次男で、プロボクシング元世界2階級王者の亀田大毅が左目の網膜剥離のため引退を決意したことが4日、明らかになった。先月引退表明した長男・兄・興毅に続きもう一人の“悪童“がリングを去ることになる。亀田大毅は2013年、2団体(WBA・IBF)の王座統一戦で敗れたにも関わらず、ベルトを防衛し続けたことが大きな問題となった。これにより日本ボクシングコミッション(JBC)から処分を受け、ボクサーライセンスを失効。...
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亀田3兄弟の次男で、プロボクシング元世界2階級王者の亀田大毅が左目の網膜剥離のため引退を決意したことが4日、明らかになった。先月引退表明した長男・兄・興毅に続きもう一人の“悪童“がリングを去ることになる。亀田大毅は2013年、2団体(WBA・IBF)の王座統一戦で敗れたにも関わらず、ベルトを防衛し続けたことが大きな問題となった。これにより日本ボクシングコミッション(JBC)から処分を受け、ボクサーライセンスを失効。実質的な「国外追放処分」となっていた。(ただし、この騒動はIBF側の失態による部分も大きいとも言われている)
一方で、網膜剥離を患ったボクサーはJBCから引退勧告がなされるのが慣例だ。最近では手術の進歩で特別に復帰が認められるケースもあるが、亀田大毅は3度もの手術を行いながらも視力は0.1にまでしか回復しなかったという。26歳という若さでの引退は止むを得ない決断だったろう。
内藤大助との一戦などでの言動で、兄の興毅以上の憎まれ役だった亀田大毅。彼のあまり知られていない特技がイラストだ。少年マンガ誌などでも披露されたその腕前はなかなかのものだった。格闘家やアスリートのなかには引退後、イラストレーターやマンガ家に転向した者も存在する。ボクシングは無理でもまだ絵は描ける筈だ。彼の実体験をもとに、ボクサーならではの視点で何か作品を描いてみるのも面白いかもしれない。メディアで悪役を演じるよりも、そちらの方面で第二の人生の活躍を見てみたい。
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侍メジャーリーガー総決算2015〈野手編〉(11月4日)
昨日に続き、今季の日本人メジャーリーガーを振り返る。野手では3人の選手がMLBの檜舞台に登場した。まずは何と言ってもこの人、イチロー(42)から。8月に日米通算4191安打を達成し、“球聖”タイ・カッブのメジャー2位の記録に並んだ。シーズンの安打数は初めて100安打を割ったものの、日本人選手中最多の153試合出場は立派。来シーズンでの歴代最多4256安打とメジャー通算3000本安打到達は間違いないのではないだろうか。...
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昨日に続き、今季の日本人メジャーリーガーを振り返る。野手では3人の選手がMLBの檜舞台に登場した。まずは何と言ってもこの人、イチロー(42)から。8月に日米通算4191安打を達成し、“球聖”タイ・カッブのメジャー2位の記録に並んだ。シーズンの安打数は初めて100安打を割ったものの、日本人選手中最多の153試合出場は立派。来シーズンでの歴代最多4256安打とメジャー通算3000本安打到達は間違いないのではないだろうか。
不運だったのは青木宣親(33)。春から5試合連続マルチ安打など打撃が絶好調。6月にはナ・リーグの5位につけ、初のオールスター出場が確実視されていた。しかし左足に死球を受け骨折し、故障者リスト入りに。復帰後、今度は頭部への危険な死球を受け、この影響で9月から欠場を余儀なくされシーズンを終了。川崎宗則(34)は今季もメジャーと3Aの往復を繰り返した。実は彼も5月にマイナーリーグで頭部死球を受け、一時休養に追いやられている。
こうしてみると実に日本人選手の怪我や故障の多かったシーズンだったのかがわかる。特に青木の死球による脳震盪は後遺症が心配である。アメリカではこれまでプロスポーツにおける脳震盪は軽視されていたが、最近は研究が進み、その深刻な危険性が理解され始めた。CDC(アメリカ疾病対策センター)でも警告を発しているほど大きな問題となりつつあるのだ。
今季オフもまた、日本球界からメジャーを目指す選手が現れるかもしれない。願わくばアクシデントに見舞われずに、万全の状態でMLBのグラウンドに上がってほしいものである。
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侍メジャーリーガー総決算2015〈投手編〉(11月3日)
1日、ロイヤルズが30年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たし閉幕した今年のMLB。優勝にこそ絡めなかったものの日本人メジャーリーガーたちにとっても話題豊富なシーズンであった。まずは投手陣から振り返ってみよう。
まず勝ち頭は12勝を挙げた田中将大(27)。MLBデビューから連続二桁勝利は流石の貫録。2年目のジンクスを感じさせなかったが、防御率は3点台に、被本塁打も昨年より大幅に増加した。10月には肘の骨棘除去手術に踏み切っている。...
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1日、ロイヤルズが30年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たし閉幕した今年のMLB。優勝にこそ絡めなかったものの日本人メジャーリーガーたちにとっても話題豊富なシーズンであった。まずは投手陣から振り返ってみよう。
まず勝ち頭は12勝を挙げた田中将大(27)。MLBデビューから連続二桁勝利は流石の貫録。2年目のジンクスを感じさせなかったが、防御率は3点台に、被本塁打も昨年より大幅に増加した。10月には肘の骨棘除去手術に踏み切っている。8月に野茂以来日本人二人目のノーヒットノーランの偉業を成し遂げた岩隈久志(34)。規定投球回には届かず9勝に終わったが、今年契約満了を迎えるマリナーズの首脳陣に対し存在感をアピールした格好だ。日本人最年長・上原浩治(40)も8月までに25セーブを挙げる好調ぶりだったが、打球を右手首に受け骨折。シーズン途中で欠場となったのは実に残念だった。その上原に代わってレッドソックスの抑えを任されたのは田澤純一(29)だが、ベンチの期待に応えることが出来ず、9月には休養を命じられてしまった。渡米以来怪我に悩まされている和田毅(34)は今年も左肩の故障に泣かされた。日本球界復帰(古巣ホークス?)も囁かれているが果たしてどうなるだろうか。
そして3月のオープン戦初登板で肘の違和感を覚え、わずか12球で今季を終えたダルビッシュ有(29)。トミージョン(腱移植手術)後の経過は良好とのこと。来季のカムバックに期待したいが、身内のスキャンダルなどグラウンド外も騒がしい。またあの怪腕で嫌な風評を吹き飛ばしてもらいたいものだ(野手編に続く)
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王者を覚醒させるキャプテンシー(11月1日)
国内3大タイトルの1つJリーグ・ヤマザキナビスコカップ決勝。鹿島アントラーズが、ガンバ大阪を3-0で下し、3年ぶり6度目の優勝を飾った。これでJリーグクラブ中最多を更新する17冠目。2ndシーズンから指揮を執る石井監督体制で最初のタイトルをものにした。
MVPに選ばれたのは小笠原満男だ。今年J1通算450試合出場を達成した36歳のキャプテンがピッチにその存在感を示した。常勝軍団・鹿島にあって小笠原自身も14のタイトル獲得を経験している。...
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国内3大タイトルの1つJリーグ・ヤマザキナビスコカップ決勝。鹿島アントラーズが、ガンバ大阪を3-0で下し、3年ぶり6度目の優勝を飾った。これでJリーグクラブ中最多を更新する17冠目。2ndシーズンから指揮を執る石井監督体制で最初のタイトルをものにした。
MVPに選ばれたのは小笠原満男だ。今年J1通算450試合出場を達成した36歳のキャプテンがピッチにその存在感を示した。常勝軍団・鹿島にあって小笠原自身も14のタイトル獲得を経験している。アントラーズの黄金期=小笠原満男の歴史ともいえよう。そのチームの統率力は抜きんでており、「神様みたいな人」と語る現ブンデスリーガ・シャルケの内田篤人をはじめ、チームメイトからの信頼は絶大。また、「東北人魂を持つJ選手の会」発起人の一人で、出身地岩手の被災地などでボランティア活動も続けるなど、社会貢献でも影響力が大きい。
アントラーズは2009年の優勝を最後にJリーグ王者からは遠ざかり、今期の1stステージも8位に終わった。かつての絶対的な強さが薄れつつある危機感を一番痛切に感じていたのは彼だったろう。試合前「この試合をきっかけにしたい」と語っていた小笠原。アントラーズは残り2試合を残して現在2位。やはり王者復活はこの男の活躍を抜きにしては語れない。最終盤に向け、この圧倒的なキャプテンシーを持つボランチから目が離せなくなりそうだ。
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